第3章:呪われた盤面
こんにちは、コスタリカからミンゴです!
第3章をお届けします。今回は少しボリュームがありますが、最後まで楽しんでいただければ幸いです!
もし気に入っていただけたら、ぜひ感想やフィードバックをお聞かせください。皆さんの声が励みになります!
爆発の轟音がまだ城壁に響いていた。濃い黒煙と火の粉が、ローズのいた場所を覆い尽くす。
「ハハハハ!! やっぱりな!」
ウィルは狂ったように天を仰いで叫んだ。
「耐えられるはずがねえだろうが、このバカ野郎! 俺の炎に焼かれて生きていた奴はいねえんだよ!」
「……ふむ」
しかし、リュウは喜ばなかった。彼の鋭い視線は煙の中心に釘付けになっていた。灰色の煙の中に、一つのシルエットが浮かび上がり始める。それは膝をつくことも、傷つくこともなく、ただ静かに立っていた。
「え……?」
ウィルの下卑た笑いが止まった。
煙が晴れると、そこにはローズの姿があった。彼はもはや以前の軽装ではない。暗く重厚な金属の装甲が肩と胴体を覆い、その威容を圧倒的なものに変えていた。足元の地面は、その凄まじい重量によって深く沈み込んでいる。
「万丈の鎧:ルーク・アーマー(城塞の装甲)」
金属製のバイザーの奥から、ローズの低い声が響いた。
「鎧が変わっただと……!?」
リュウは拳を握りしめた。
(やはり……他のパーツも手に入れていたのか。だが、すべてを使いこなすのは不可能なはずだが……な?)
「くそったれ……死ねええ!」
ウィルが自暴自棄な攻撃を仕掛ける。 だが、ローズは微動だにしなかった。迫りくる火の鋸を片腕で――まるでおもちゃを払うかのように弾き飛ばし、鋭いサイドキックを見舞う。ウィルは泥の中を無様に転がった。
「ぐっ! この……!」
「ウィル、下がりなさい! 自制しなさい!」
ミネルヴァが命じたが、青年はすでに理性を失い、後戻りできない地点を超えていた。
「ウオオオアアアアアアッ!」
「チッ、狂犬め……止めねばならんか」
ミネルヴァは苛立ちながら、飛び散る火の玉をかわした。 その時、ローズは首輪が脈動するのを感じた。重厚な「塔」の装甲が溶け、鋭利なエッジと踵に推進器を備えた流線型の形状へと再構成されていく。
「万丈の鎧:ビショップ・アーマー(僧正の装甲)」
「……っ!!」
リュウが目を見開いた。
ローズが消えた。それは速度を超えた、瞬きの間の出来事だった。彼は一瞬で距離をゼロにしたのだ。
ギャリィィィン!!
耳をつんざく金属音が響く。黒鋼の刀がローズの行く手を阻んでいた。老いた龍――リュウだ。老人は驚異的な身のこなしでウィルの急所を打ち、彼を気絶させた。
「まあまあ……この老いぼれをあまり働かせないでおくれよ」
リュウは冷静に告げた。
「ふん……このクソジジイも戦いたくてうずうずしてるのか?」
ローズは間を置き、ビショップのブーツで地面に深い溝を刻んだ。
「小僧、お世辞はやめておけ」
リュウは手首をひねるだけで、圧倒的な技量をもってローズを後方へ弾き飛ばした。
「はい、閣下!」
アルドが咆哮し、地面を力任せに叩きつけた。
「〈土の棘〉!」
ドドドドドッ!
大地から岩の槍が次々と突き出す。ローズは跳躍して回避したが、その空中にミネルヴァが電撃を纏った手で待ち構えていた。
「さっさと死ね、このガキがぁ!」
ローズは装甲で防御しながら後退する。三対一。リュウの刀が死角から襲い、アルドは背後から山を崩すような一撃を放つ。
「〈蛇の毒槍〉!」
ミネルヴァがその隙を突いた。紫色の稲妻がローズの腕を直撃する。ジュウッと焼けた金属の臭いが大気に混じる。ローズは歯を食いしばるが、左腕が無力に垂れ下がった。
「ハハハ! これで終わりよ!」
ミネルヴァがとどめの一撃を放とうと飛びかかった。しかし、ローズは残った片手でその拳を真っ向から受け止めた。
「ぐっ……!?」
ミネルヴァは逃れようとしたが、その握力は油圧プレス機のように強固だった。ローズは怒りを込めた一撃を彼女の腹部に叩き込み、吹き飛ばした。
「万丈の鎧:ポーン・アーマー、爪!」
ローズはアルドに肉薄した。アルドは巨大な土壁を形成し、ローズを雲の上へと吹き飛ばそうとする。
「死ね! 〈大隕石〉!」
家ほどもある巨大な岩石が降り注ぐ。絶体絶命かと思われたが―
ドォォォン!
ローズは超人的な身体能力で隕石を殴り飛ばし、逆にアルドへと跳ね返した。
「なんだとっ!?」
アルドは自らの攻撃に押し潰され、クレーターに沈んだ。
ローズが重く地面に着地した。だが、そこにはすでにリュウが立っていた。
ギィィィン! ガキィィン!
人間の目では追えない速さで、鋼鉄と未知の金属が激突し、火花が散る。
「おやおや……これほど有能なフローレスに出会えるとは、興味深いね」
リュウが感心したように言った。
「一つ聞かせてくれ……お前ほどの男が、なぜ最高警備の刑務所に収監されていた?」
「……なぜ、お前に教える必要がある?」
ローズは荒い息をついていた。雨と汗が混じり合い、視界を遮る。
「……ふむ。死にゆく者への礼儀だと思ったのだがね。では、力ずくで聞き出すとしよう」
リュウの表情から余裕が消え、真剣な「武人」の顔になった。
「構えろ」
ローズは爪を長く重厚な漆黒の剣へと変形させた。
ガキィィィィン!!
百回を超える剣撃の応酬。しかし、ローズの身体は限界に近づいていた。膝が震え、彼は黒剣を杖代わりにしてようやく立っていた。
「おいおい……もう疲れたというのか?」
リュウは冷徹なまでの静寂を纏い、彼を見据えた。
「まだ第二ラウンドが始まったばかりだぞ」
「……へっ。黙れよ、クソジジイ」
ローズは血混じりの唾を吐き捨て、再び武器を掲げた。
「お前は良い相手だった、小僧。だが……すべてに終わりはある」
重苦しい沈黙の中、泥を踏みしめる足音だけが響く。
ミネルヴァが立ち上がり、口元の血を拭った。
ゴォォォ……
毒のように禍々しい紫色のオーラが、彼女の全身から溢れ出す。数メートル先では、アルドの瞳が不気味な紫水晶のように輝き始めた。
ローズが一歩後退し、一瞬息が止まった。肌がビリビリと震える。大気圧が狂っている。
この紫のオーラは単なる力の増大ではない――光と希望を貪る「虚無」そのものだ。
老いた龍が静かに頭を下げ、詠唱を始めた。
「ヴァ……イオ…… イン……フィト……」
ドォォォォォン!!
紫色のエネルギー爆発がリュウを包み込んだ。老人が掲げた刀は、今や邪悪な周波数で震えている。ローズを射抜く紫の瞳。そこにはもう、敬意などひとかけらもない。ただ「死」を告げる執行人の冷徹さがあるだけだ。
「お前は死んだ」
その力の重圧に、激しかった嵐さえも止まったかのように見えた。禁断のエネルギーを纏った三つの影が、満身創痍の若者へと迫る――。
ミンゴからのメモ
ミンゴです!ローズの「ルークの鎧」と「ビショップの鎧」、どちらのデザインがより目を引きますか?
絵を描くのは得意ではありませんが、言葉でできる限り説明します。皆さんの想像力で空白を埋めて、その全貌をぜひ思い描いてください!
土曜日に第4章でお会いしましょう!Pura vida!




