表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/8

第2.2章:フローレス

第2.2章は期待大です。読んでみて、感想を教えてください

雨に濡れた戦場は敵陣営の緊張を漂わせていたが、それは戦いの始まりに過ぎなかった。


「へへへへへ!! じゃあ、みんなで片付けようぜ!」


ウィルが旋風のごとき速さで飛び出した。

ローズは優雅に降下し、迫りくる鋸刃を紙一重でかわす。空中で彼の腕が形を変え、金属がねじれ、艶消しの黒い槍へと変貌した。


ザシュッ!


「ぐっ……」


ウィルは後退し、切られた頬を拭った。


「今の……何をした?」

「……構えろ」


ローズは冷静だった。狂った殺人鬼の乱撃を、まるで踊るかのようにすべて受け流していく。

突如、ローズの槍が収縮し、重厚な金属のガントレットへと変形した。

ウィルの顎に、強烈なアッパーカットが叩き込まれる。


ドゴォォォン!


ウィルの身体が空へ吹き飛んだ。

ローズは一瞬の躊躇もなく、ゴリアの肩を踏み台にして跳躍し、巨人の頭上からクレーターへと叩き伏せた。

老龍の瞳が驚愕で見開かれる。


「まさか……あれはポーン・アーマー。六つの『万丈の鎧』の一つ。首輪から溢れ出る未知の金属を、持ち主の意志で自在に成形する伝説の遺物……」

「でも、ネクロフローなしでどうやって動かしているの?」

「……必要ないのだ。あの鎧には独自の意志が備わっている。形を与えるのに必要なのは魔力ではなく、強固な精神と鋼の意志だけだ」


クレーターの中央で、ローズは追撃の手を緩めない。

ガントレットは鋸歯状の刃へと姿を変えた。

ザクッ!


「あああああああ!!!」


ゴリアの絶叫が戦場を震わせる。ローズが巨人の腕を根元から切り落としたのだ。


「お前もやるか?」


浮遊して近づいてくるミネルヴァに、ローズは淡い視線を向けた。


「……私の可愛いゴリアを殺させるわけにはいかないわね」


ミネルヴァは闇のエネルギーで巨人を救出し、後方に下げた。

その時、上空から腐敗した紫のオーラを纏ったウィルが猛然と落下してきた。


ズドォォォン!


ローズは直撃を受け、軍用馬車に叩きつけられた。

ウィルは狂ったように笑いながら着地する。


「まだ戦うつもりか? 今度はどんな手を使うんだ、魔力なしのクズが!」


ローズはゆっくりと立ち上がった。泥を拭い、冷静に相手を分析する。


(一撃で仕留めなければならない。奴の速度は私を上回っている……ならば)


カチッ…… 突然、鎧の金属が完全に引き込まれた。ローズは無防備な姿でそこに立ち尽くす。


「降参か? 賢明な判断だ。もっとも、お前に勝ち目など最初からなかったがな――」


バァン! ローズの姿が消えた。ウィルの顔面に、純粋な物理衝撃の拳がめり込む。その音はまるで砲撃のようだった。


「信じられない……」


ミネルヴァは魅了されたように呟いた。


「鎧をパージし、重量を極限まで排除することで瞬時に加速した……? あの暴力的なまでの力、すべてが肉体のみの力だというの?」

「この……クソ野郎がぁぁ!」


ウィルが顎を歪ませたまま立ち上がった。


「これでも喰らえ! 〈火の深淵ファイア・ピット〉!!」


ウィルの頭上に絶大なネクロフローが蓄積され、小さな太陽が形成された。


「消えちまええええー!!」


ローズは奥歯を噛みしめた。指先が、首輪の刻印をなぞる。


「――万……丈……の……鎧……ル……ク……ア……マ……」

ドォォォォォォン!!


爆発が戦場全体を包み込み、天を突く火柱がローズのシルエットを完全に消し去った。

煙に巻かれた戦場に、ただ恐ろしいまでの沈黙だけが残った……。


ミンゴと一緒にスペイン語を学ぼう!スペイン語で「桜」は「cerezo」と言います。

この章を楽しんでいただけたでしょうか! 次章を楽しみにしています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ