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第二十三章:会議に乱入者

バロンを閉店した後、夜叉王丸は彰久とダハーカにラインハルトの迎えを頼み、自分は魔界へと先に帰りベルゼブルの元へと向かった。


「美夜ちゃん。まだベッドから離れてないか?」


恐らくベルゼブルの事だ。


自分が迎えに来ていない事を幸いに養母である美夜を心置きなく可愛がっているだろう。


城へと行き、ベルゼブルの寝室に行きドアを開けると美夜がベッドからメイド達の手を借りながら起き上がろうとしている所だった。


「ごめんね。美夜ちゃん。迎えに来るのが遅れたよ」


夜叉王丸は片手を上げて苦笑して謝罪した。


「・・・・酷いわよ。お陰で、さっきまでベルゼブルに可愛がられていたわ」


皮肉気に喋る美夜。


首筋にも先ほどまで愛されたという証拠の痕が残っていて、若い男には毒だ。


「良いじゃないか。それだけ愛されている証拠だよ」


「それは解かるけど、こっちの身にもなってよ。ベルゼブルったら、まるで飢えた獣みたいに私を求めて来るのよ」


気絶しても抱き続けてくるから腰が立たないと言う美夜。


「それは見て分かるよ。メイド達に手伝ってもらっているんだから」


美夜は溜め息を吐きながら、メイド達に手伝ってもらいベッドから起き上がった。


「ベルゼブルは?」


「スコルさんが連れて行ったわ」


今まさに抱かれようとしていたので、助かったと話す美夜。


「なら、急いだ方が良いね。恐らく仕事は簡単な物か、嘘だ」


スコルの性格からして自分が来る時間帯を計算に入れての行動だろう。


それなら今の内に美夜を連れて逃げなければ。


「美夜ちゃん。今から帰るけど、大丈夫?」


「出来るなら1時間くらいは休みたいけど、出来ないでしょ?」


遠くからベルゼブルの足音が聞こえると話す美夜。


「夫婦の勘、って奴かい?」


「そうね。それより速く帰るなら帰りましょう。ここにいると、また食べられそうだわ」


「分かった。それじゃ、後を頼む」


メイド達に後の事を任せて夜叉王丸は美夜を抱いて、窓から飛び降りた。


背中から翼を出して屋敷へと飛んだ。


数分後、ベルゼブルの雄叫びに近い叫び声を屋敷に帰った後で夜叉王丸は聞いたが、敢えて気付かない振りをした。


美夜は何も食べないで自室に入ると泥のように眠り始めた。


夜叉王丸は直ぐに食卓の場へと向かった。


既に料理は準備されていた。


「ママは?寝ているの?」


真夜が席に腰を下した夜叉王丸に聞いて来た。


「あぁ。もう泥みたいに寝たよ」


相当、疲れていたから1日くらいは眠り続けるだろうと夜叉王丸は答えた。


「良いわね。そこまで夫に愛されて。私のダーリンなんて、まったく可愛がってくれないわ」


リリスは、何処か面白がるような口調で笑った。


可愛がるも何も、養子の屋敷に夫と娘を置いて暮らしているのだから無理だろうと思う。


「今度、自分から誘ってみれば?」


夜叉王丸が言うとリリスは明日にでも試してみると言った。


「あ、それから食事が終わり次第、お前ら俺の部屋に各部隊の長を連れて来てくれ」


話があると夜叉王丸はダハーカ達に言った。


「了解した」


ダハーカは口に鳥の肉を大量に入れながら頷いた。


よくもまぁ、口の中にあれだけの物を入れながら喋れるものだと夜叉王丸は変に感心しながら自身も鳥の肉を口にした。


食事が終わり夜叉王丸は自室で煙草を蒸かしながら待っていると、ダハーカ達が集まってきた。


彰久とラインハルトも一緒だった。


クレセントは最初から夜叉王丸の傍にいたから問題はない。


「来たか。今日、集めたのは軍団の事だ」


皆が席に着いたのを確認してから夜叉王丸は、軍団の再編について口にした。


「鵺。手紙は渡して来たか?」


内容を話し終えてから夜叉王丸は鵺に聞いた。


「はっ。ビヒモス大将は、快く了承してくれました」


リバイアサン、フォカロルも同意したと鵺は話した。


「お前の事だから案外、脅したんじゃないか?」


ダハーカが冗談交じりで言ったが、鵺は無言だった。


それから察するに2人には忍者刀を喉元にでも押し付けて脅したのだろうと皆は思ったが誰も口にはしなかった。


「3軍の了承は得られた。これで志願者を募れる」


夜叉王丸は鵺を褒めながら、皆に自分が考えた意見を言った。


「なるほど。お前の考えた構成に俺は賛成だ」


ダハーカが最初に夜叉王丸の考えた構成に賛成の意思を見せて、他の長達も賛成であった。


「よし。じゃあ、これから詳しく構成などを話し合うぞ」


夜叉王丸はダハーカ達を混ぜて組織の構成について話を進めようとした時だった。


バアッン!!


ドアが勢いよく開けられて、ジークルーネが入って来た。


「ちょっと軍団の構成を話すなら私も混ぜなさいよ!?」


「何で部外者のお前を混ぜる必要があるんだよ」


夜叉王丸は頭を抱えながら溜め息を吐いた。


ジークルーネの後ろにはヴァレンタイン、カリ、黒闇天が入って来た。


3人ともジークルーネを止めに入って来たのかと夜叉王丸は思ったが、違うようだ。


『(私、童)も入れて(下さい、れろ)』


3人が別々の言葉を言いながら話しに混ぜろと言って来た。


「お前ら・・・・・・・・・・・・・」


何でジークルーネと同じ事を言うんだと夜叉王丸は思った。


「このヴァレンタイン。夜叉王丸様を守る為なら、再び剣を取ります。ですから、なにとぞ私を軍に・・・・・・・・・・・・」


「ヴァレンタイン。お前の気持ちは嬉しい。しかし、な。お前が軍に入れば、天界に帰れる道は閉ざされる」


敵軍に加担するような者を天界が歓迎してくれるとは思えない。


夜叉王丸はジークルーネの行動に熱を受けての行動と取り一度、落ち着くように説き伏せた。


「少し頭を冷やせ。それから黒闇天。カリ。お前らは客人だ。軍に入るなんて馬鹿な真似はするな。これは、大人の話だ」


黒闇天とカリは眉を顰めた。


自身を子供と見られた事に対する怒りだろう。


「ヴァレンタインと同じように頭を冷やして来い。それからジークルーネ。お前はどうして軍に入りたいなんて言うんだ。お前はワルキューレだろ?」


「ワルキューレだからこそ、貴方の軍に入って良い女戦士が居たら、スカウトするのよ」


「勝手に決めるな。俺は許した覚えは無いぞ」


「あんたに言われる筋合いなんて無いわ」


「・・・・鵺」


夜叉王丸はジークルーネの様子に頭を悩ませながら部下の名を呼んだ。


すると鵺は直ぐに姿を消した。


それと同時にジークルーネが倒れた。


「そいつを鎖で縛って部屋に放り込んでおけ」


「御意に」


鵺はジークルーネを鎖で縛り上げて姿を消した。


「お前らも早く行け」


ヴァレンタインは一礼して居座ろうとする黒闇天、カリを抑えて消えた。


「あのワルキューレのせいで面倒な事になりそうだな」


ダハーカが肩を竦めながら言い、夜叉王丸はそうなりそうだと感じて肩を落とした。


その後は詳しい事を話し合い、深夜になってから会議は終了した。


ダハーカの口からラインハルトと彰久には伝えると言われたから夜叉王丸は風呂に入ってから就寝した。


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