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【プロットタイプ】残機

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

お兄さんの同期のお話。

これ以上、熱意のあるキャラは書けないと思うんですよ。

所謂、上限という奴で。

酸素が薄い。血が登らない。歩く度に脳震盪を起こした様にグラグラする。ただ唯一俺を突き動かすのは、細い理性の糸だった。

歩かなければならない。倒れてはならない。ただそれだけが唯一の拠。その糸が千切れた途端、俺はマリオネットの様に、その場で崩れ落ちるだろう。

何とか足を引き摺る様にして、部室へと到着した。薄ぼんやりと決まった自分の席へと、体を投げ捨てた。

まだ部活の始まる時間まで時間がある。それまで、少し休もう。


次に目を覚ましたのは、女人に声を掛けられてからだ。

「君、具合悪いな帰りな」

顔を上げると副部長が俺の前に横座りしていた。彼女は俺に声を掛けながらも、俺に目線をやる事は無かった。ただせっせと筆を動かし、一つの作品を生み出そうとしている。

「帰りません……」

「こっちが真剣にやっているのに、横でぐーたら寝られたら迷惑だから」

其れは本音半分、心配半分の言葉だと思う。

創作部のガチ勢は一度スイッチが入ると、何よりも執筆を第一とする。相手の事は疎か、自分の事さえは脇に追いやる程。

自分もそうだからこそ、よく分かる。副部長が同じようにしていたら、きっと追い出す事だろう。

けれども帰る訳には行かなった。何としてでも筆を持ちたかった。具合が悪いなら尚の事。だから俺はまた、覚束無い腕で筆箱とノートを取り出して、筆を走らせる。

「……根性あるね」

サラサラと走らせる音に気が付いたのか、声だけが飛んできた。しかし依然として、目は自らのノートに向かっている。

副部長、俺にとって作品と言うのは、自分の残機なんですよ。生き人形なんですよ。だから俺が今、此処で息絶えても、作品は別の俺として生き続ける。だからある意味、人生に置いての最優先事項なんですよ。

貴方は知らないでしょう? 俺がこうまでして執筆に熱意燃やす理由。創作部の中で誰よりも熱心な理由。

「此処にいた、何かをなしたという事実が欲しいんです。だから体調不良は二の次ですね」

なんでこんなにせっかちなんだろう。

なんでこんなに自分でやりたがるんだろう。

なんでこんなに熱意があるんだろう。

※ガチ勢の中での最上級な気がしてます。


多分それは、体がそんなに強くないから。

過去に死にかけた事があるから。

だから何時死んでも構わない様に、作品を残してそうなんですよ。

思想が混じった作品って、自分の脳みそを晒しているのと近いんで。


せっかちなのは、死ぬ前に作品を完成させる為、いつ死ぬか分からないから、時間を無駄にしない為。

何でも自分でやりたがるのは、自分の生き写し、いわば残機を残す為。

だから別の人の協力を求めない。合作は自分以外の要素が混ざるから。


幸江一号 っていうのは、女の体を知らないが為、よくよく理解する為に購入した等身大人形。

『お前何も知らねんだな』という相手を徹底的に黙らせる為のものです。

それも含めて人形師っぽいんです。

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