第7話忙しい1日in家
自分も花城凪沙みたいに生まれたかった
いつもは目覚まし時計から始まる俺の1日が、今日は呼び鈴の音で始まった。
「ピンポーン」
「ふぁい、どなたですか?」
「わ、私です。花城凪沙ですよ」
「ん、花城さんか、っえ?なんで花城さんがいるの?」
「それは...彼女だからですよ」
そうだな、普通の恋人なら。
「ホントに付き合ってるわけじゃないんだから、無理しなくていいよ」
本心は、こんな朝っぱらから彼女の顔を見ると失明しそうだからだ。
「その、朝から一緒に登校すると周りにアピールできるじゃないですか」
それは一理あるな。
「なら少し待ってて、すぐ準備するから」
「まだ、ご飯とか食べてないんですか?そうならなにか作りますよ」
え?作ってくれるの?朝食を?
「なら、お言葉に甘えることにするよ」
と言い、鍵を開ける。
「お邪魔します」
全然邪魔では無いけど。
ちなみに俺はそれなりに自炊してるから、食材は揃ってる。
「うーん。これなら、目玉焼きでいいですか?」
「もちろんどうぞ」
制服のまま料理するのかと思ったらしっかりエプロンを付けていた、用意周到だなぁ。
なんて思いながら見ていると、
「出来ましたよ」
おお、早いな、それに...
「めちゃくちゃ美味そう。いただきます」
一口食べると、
「めちゃくちゃ美味い」
「ありがとうございます」
「失礼だけど、使用人が料理したりしてるんだったら料理できないんじゃないないの?自分で作ってるの?」
「普段は香苗さん...使用人の人が作ってくれますけど、趣味で教えて貰ったりsひゃぁッッ!」
目覚まし時計がけたたましく鳴り響く。そういえば普段この時間に起きてたな。
「ビックリしました...」
はっきり言って可愛かった...言ったら怒られそう。
「可愛かったけどね」
ハッ無意識に言ってしまった。
「ふぇ!?」
かわいい。
「ご、ごめん本当に可愛くてつい...」
「もう、しょうがないですねほら、早く学校に行きますよ」
そう言う彼女は、めちゃくちゃ照れていて耳まで真っ赤だった。
実は自分も目覚まし時計が鳴って知り合いの前で叫んだことがあります