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モブ顔の俺が男女比1対12のパラレルワールドに転生。またも同じ女の子を好きになりました   作者: #とみっしぇる


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97 合宿といえばカレーでしょ

柔道部合宿の初日午後3時半。


まさかの、上半身裸の勇太によるバタ足訓練という名の触れ合いは終わった。


泳げないルナ、本当は泳げる柔道部員の手を取った。


あり得ないことなのに、泳げないと主張する水泳部員全員の手も取った。


最後に、本当に泳げないルナの訓練をした。


「さ~てルナ、先にプール出て準備するよ」


「手伝おうか?」

「ですね」

「私達もやりま~す」


「大丈夫、俺1人でやるから楽しんでて」


あ、あ、ああ~と、水泳部員から残念そうな声が上がる。


「あの~勇太君だけ出ちゃうの?」


水泳部キャプテン水野鮎が勇太に聞いた。


「合宿期間中は、俺がみんなご飯を作ることにしたんだ。今夜は定番のカレーだね」


さらっと言う勇太だが、この世界では衝撃的だ。


え、勇太君が?

男子メシを朝昼晩?

勇太君がデザート?


最後に不純物が混じったりしながら、感嘆の声が上がる。


「いいなあ・・」

「じゃあ、水野さんもカレー食べる? いいかなルナ」


「うん、勇太が良ければ」

「それじゃ、準備しよう」


「え、えええ?」


「それなら、私もお願いします」


「代金はいかほど!」


「いらないですよ~。プール使わせてもらうお礼ってことで~」


おおお~と、喜びの声。2つ隣の県に男性1人でやってる食堂がある。不味いカレーと水のセットで3000円もする。


結局、水泳部員15人もカレーを御馳走になることにした。


男性の好意による手料理は貴重なのだ。



勇太は着替えて、合宿所の食堂に入った。自分の燃費の悪さを考えて、あらかじめ前日から大量の食材を持ち込んでいる。


柔道部10人、水泳部15人でも十分に足りる。


シーフードカレーを作る予定だったが、聞くと部員にエビアレルギーの子がいた。勇太が好きな普通の豚肉カレーとの二本立てにした分、カレールーも大量にある。


大量の玉ねぎを切って、ジャガイモ、ニンジン、豚肉も炒めて、葉子義母さんにもらった秘伝の調味料を投入。


水を入れて煮込んでいく間に、飛び魚、イリコを煮て裏ごし。シーフードをコンソメ少々で炒めて、こちらも煮込みセット。


もちろんお米は先に研いで、炊飯器で炊いている。


気が付くと、みんなが見ている。録画もされている。


ただし誰も手伝わない。


なぜかルナがみんなに拘束されている。


ルナは勇太の家でご飯を食べることもある。いつものように手伝おうとしたけど、女子軍団に止められた。


キャプテン鮎に言われた。「すまんルナ。私達は、純粋な男子メシを食いたいのだ」


「ごめん花木さん、ここはこらえて」

「骨は拾ってあげるから」


手伝わないのは、100パーセント勇太なカレーライスを食べるため。


みんなの心がひとつになった。


みんな玉ねぎを切るところから、勇太を見ている。


カレールーは市販がベースだけど、作業のすべてを1人でやれている。


たまにある男性料理人の店は、8割がたの作業を女性スタッフがやるという。


動画にアップされる男性料理も、肝心な作業がカットされていて、替え玉女子がいるとの疑惑がある。


目の前の勇太は、手際よく2種類のカレーを作っている。リアルタイムで、動画も同時配信。


「サラダ代わりのトマト。どう水野さん」


トントンとんと手際よく切ったトマトをひとつ、水野の口に放り込んだ。


「・・熟れてますわ」。なぜか有閑マダムのような返答だ。


やたらと長い配信なのに、アクセス数は伸びる一方だ。


コメント欄は更新が早すぎて読めない。



「できました~」


ご飯を女子がセルフでよそい、カレーをかけるのは勇太にリクエスト。


「いっただきま~す」


大音響でハモったあとは、一斉にカレーをパクり。


「!」「!」「!」「!」「!」「!」


「すごく美味しい・・」


嬉しい誤算だ。


やたらといい匂いがしていたと思ったら、ガチに美味しい。


男子メシという言葉はある。しかし意味は『不味い』


男性経営の店は味が安定しているが、それは女性料理人が味を整えるから。


例外もたまにいる。万能超人・伊集院君も料理はできる。その腕前は7人の婚約者にしか振る舞わない。


突き抜けたハイスペック男子の技能は、金や地位を持った女子一族で囲われやすい世界。出会える人は少ないのだ。



「おかわりお願いします!」


水泳部員が次々と勇太の元に並ぶ。柔道部員は、まだ何度も勇太ご飯を食べるチャンスがあるので遠慮した。


水泳部員はここまできたら、ついでとばかりに歌のリクエストをした。


勇太は前世の『泳ぐ君と僕のバラッド』というパクり歌を歌った。


ネット上では、またも反響を呼んだ。


1年後には、スポーツ女子を応援する勇太のアルバムができることになる。



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