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モブ顔の俺が男女比1対12のパラレルワールドに転生。またも同じ女の子を好きになりました   作者: #とみっしぇる


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92 前世の戦国武将を参考に嫁取りを考える勇太

音楽の収益に関して、レコード会社の人と、こと細かく聞こうとする勇太。


普段、お金へのこだわりがない勇太が、なせこんなに執着心を見せるのか。


聞いてみたら、パラレルルナからすれば意外な答えが返ってきた。


「勇太が、普段と違って金銭交渉に熱が入ってたよね」


「ああ。そりゃ男としての責任が増えたからね。稼がなきゃ」


「自分で稼ぐの?男の人なのに・・」


「そりゃ、素敵なお嫁さんを3人ももらうんだからね」


勇太がルナにドヤ顔をしてみた。ルナも笑ってみたが、ピンとこない。


これは仕方ない。心に刻まれた世界観が、すごくずれている。


勇太の前世とパラレル世界で、恋愛観並に違いがある部分だ。



勇太の知識だと、一夫多妻は日本の戦国時代と江戸の大名が最たるイメージ。現代ならアラブの石油王。


要するに、妻全員を養える力と財力を持った男だけが、複数の妻を娶っていいのだ。


この世界では決してそうでないことは、多少は勉強したし分かった。


だけど勇太にも、前世から続く男子としてのプライドがある。できるだけ譲りたくない。


また勇太自身、前世の最後の5年間は病気に倒れて人の世話になったまま終わった。そういう人生だったから、悔しさも残っている。


勇太は病気になったからこそ、父親が尊敬できた。とにかく働いてくれた。


勇太が小さい頃は梓の体が弱く、梓の体調が良くなると入れ替わるように勇太が難病にかかった。


母親は子供にかかりきりだった。


見えない支出も多い家だったが、父親が夜遅くまで働いてくれた。


父と子の会話は少なくても、面会時間ギリギリに病院に顔を見に来てくれたりした。


自分がくたくたのくせに、いつも勇太を心配していた。


勇太はそんな父親の背中を見ていた。


父にはもう、恩返しはできない。だから、せめて今世の大切な人のため、やれることはやろうと考えられる。


「カオルがインターハイで怪我をしただろ」

「うん」


「あのとき、カオルが負った怪我が深刻なら、歌を作りまくって金銭を捻出して高度な治療を受けさせようと思えたんだ」


ルナは、この『常識外』の言葉に驚いている。



ルナの常識は違う。


この世界では、男子が大黒柱だったのは400年前の過去のもの。


パラレル豊臣秀吉、パラレル伊達政宗、パラレル徳川家康あたりまでは自分の財力を持ってして、複数の妻を養っていた。


現代パラレル日本では、男子で働いているのは少数。夫持ちの女性は、複数の妻が働き手と家内組に別れて、家を運営している。


女子の方も、男子を囲うのは子作りも含めた楽しみがあるから。男子が働きすぎて夜の営みができないなんてことになると、本末転倒なのだ。


ちょっと精力が落ち気味と言われる現代パラレル日本の男子。10人の嫁がいたりすると、その相手をするだけで結構な労働なのだ。


ルナにも、その概念が刻まれている。勇太の妻は3人ではとどまらないというのは、カオル、梓との共通意見。


インターハイの応援に行っただけで、不知火マイコなんて有名人に目をつけられてしまった。


リアルに将来、勇太を無理させずに、どう生計を立てていくかを話し始めている。



そんなルナに勇太が意外なことを言う。


「籍を入れた梓の生活費は、俺が持ちたい。そんでルナとカオルも、その子供達も、いずれは俺の力で養いたい。無理ならルナ達の力も借りるけどね」


えへへ、と笑う勇太だけど、目は真剣だ。


ルナが稼ぐときは、自分のために使って欲しいと言ってくれた。



ルナは胸が熱い。


持っている『常識』の違いなんて分からない。


男女比1対12の世界。特に先進国では、女が男を養っていくのば普通。


こんな素敵なことを考えてくれる人に、最初に好かれた自分が奇跡だと思っている。


図書館で勉強を終えたルナは、勇太と別れたあと走った。梓やカオルに連絡を取ってプチ嫁会をやった。


自宅療養中のカオルのところに行くと、セットで梓もいた。


「勇太はそんな風に言ってたよ、カオル。左腕を痛めたカオルを柔道の試合に送り出したけど、勇太は無責任に言った訳じゃないみたい」


「勇太って、アタイにただ頑張れって言ったんじゃなく、そこまで考えてくれてたんだ・・」


「言ったからって、その先の責任まで持とうとする男の人っているんだね、リアルで」


「だから、あのときの勇太の言葉、私達の胸にまで響いたのかな・、」


「だよね、ルナさん」


ルナの報告を受けて、勇太の考え方を聞いた梓とカオル。


胸に響いたのは女神印の声のお陰もあるが、そう思ってくれているだけで幸せな気分だ。



自分達が知る限り、聞いたこともない素敵な男子。


そんな人が自分達の夫になると思うと胸が熱くなるのだった。




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