330 カオルおめでと~
勇太、ルナ、梓、カオルは帰路についた。
前の日も4人でセッ●スした。なんだか、肉食男女でカオルを攻める感じだったが、そこはいい。
最後の日は大分県の別府市を中心に観光。夕方にパラレル別府駅から東九州リニアに乗る前には、駅前に名物と看板があったし2月だけど冷麺を食べた。
店を出ると口コミで集まった地元の音楽女子から勇太が囲まれる事態は起きたが、おおむね順調だった。
ちなみに福岡県のパラレル小倉駅で乗り換えた。地形の関係上、小倉がひとつの起点となるのは勇太の前世と同じだ。
勇太は、福岡、広島、岡山、新大阪、名古屋、東京くらいしか前世の東海道新幹線の駅を知らなかった。その駅名はパラレル世界にもあった。
改めて全部の新幹線の駅を見ると、恐らく前世ではなかっただろう駅名も幾つかある。そして思い出した。
ぼそっ。「そもそも、原礼留駅と書いてパラレル駅なんて、前世の日本には絶対になかったよな…」
つぶやく勇太を見て梓、ルナ、カオルは、ほっこりしている。
「また、ユウ兄ちゃんの不思議ゾーンが出たよ~」
「今度は駅名のことで何か言ってる」
「梓、あれがおめえが言う、性格が良くなったあとの勇太とのセットなんだろ」
「うん。最近は、あれが出ると安心するんだよね」
「ああ~、前の暗かったって噂の勇太は知らないけど、なんだか分かる~」
「アタイも何だか分かるぞ、ルナ」
今回の旅で勇太と梓&カオルが結ばれただけではない。
女の子3人も肉体的にも繋がった。この男女比1対12世界ならではの、女性同士の精神的な絆を感じている。
この感覚はまだ、男女比1対1世界で成長した勇太には分からない。
リニアモーターカーが大分県中津市で海の近くを通った。暗い中でも、ライトに照らされたパラレル中津城が見えた。
「おお、あれが黒田官兵衛の中津城か!」
「らしいね。ユウ兄ちゃんって、日本史が好きだったんだね」
「へ~、ナントカカンベーとか、よく知ってるな勇太」
「黒田だよ、カオル。歴史で習ったでしょ」
戦国期、幕末の日本史が好きな勇太からすると、黒田官兵衛は戦国期のビッグネーム。本当はパラレル中津城にも来たかったが、別府市から離れていたし嫁ズ3人が興味なかった。
なので、城だけ見てスルー。
勇太はパラレル官兵衛も調べていた。生まれた年は知らないが、1600年頃までは前世官兵衛と同じ道を辿った。
豊臣秀吉の家臣となってパラレル竹中半兵衛とともにパラレレル秀吉の片腕として名を馳せた。
ただ才能が溢れすぎて、天下人となった秀吉さえも恐れさせた。功績からすると少なすぎる福岡50万石に封じられても、なおパラレル秀吉を怖がらせた。そのために、家督を息子に譲り自分は中津に引っ込んだ。
時は過ぎ、1600年の関ヶ原の戦いに乗じて天下を取ろうとして失敗。勇太前世では、官兵衛の夢はここで断たれた。
しかしパラレル世界の日本では1603年に男子減少の原因となった疫病が横浜から蔓延し始めた。
情報網を張り巡らせていたパラレル官兵衛は挙兵し、瞬く間に小倉藩に迫る勢いで進軍した。
しかし病原菌は九州にも上陸。パラレル官兵衛は無事だったが敵味方を問わず男子がバタバタと倒れた。またも断念。
パラレル官兵衛は、この時の無理がたたり翌年の1604年に死去。享年59歳も勇太の前世と同じだった。
◆◆
夜9時過ぎ、4人はパラレル駅に降り立った。すると嫁ズのみんなが待っていた。
「勇太く~ん」「先輩~」「みんなお帰りなさ~い」「カオル、おめでとう」
「あれ、みんな来てくれたんだ」「お土産あるよ~」「ただいま~」「おう、勝ったぞ!」
音楽活動で九州を回っている純子、3日後の世界柔道に出場するために隣県に行った不知火マイコを除く嫁ズだ。長谷川三姉妹もいる。
ファミレスに入った。
早くもスマホを構えて撮影している女子がいる。12人まで膨れあがった勇太ファミリーのうち10人が揃っている。
なぜ嫁ズが、わざわざ集まって駅に来たかといえば理由はある。
キヨミがカオルの前に出てきた。
「貫通」。左手の人差し指と親指で輪っかを作って、右手の人差し指をずぼずぼしている。
「えっ、誰から聞いたんだ? あの、まあ、こ、こんなとこで、な、分かるだろ、キヨミ」
「やっぱり、済ましたっすね」
「おめでとうございます。カオルさん」
「え?」
勇太もルナも、梓もバラしていない。
カオルが恥ずかしいから黙っていてくれと言った。だから3人は沈黙していたのに、キヨミの誘導にカオル自身が引っかかった。
周囲の女子が、むしろざわざわしている。カオルはすでに、勇太とヤりまくりと思われていた。
そんな事情を知らない女子はともかく、勇太ファミリーではカオルに限ってみんなが心配していた。奥手な方の嘉菜でさえも。
『カオルは勇太と、きちんと男女の仲になれるのか』と。
なので、柔道の優勝祝い20パーセント、処女喪失の安心と祝福80パーセントの気持ちで駅に向かえに来た。
梓達も疲れているけど、祝福してくれるし全員でファミレスに入った。
お土産を渡したりと盛り上がった。
ただ最後に、ぶっとび麗子が言い出した。
「次に勇太君に処●膜を破ってもらうのは誰かな。留学前に嘉菜&真子かな? 前倒しで私でもいいよ~」
油断していた勇太は、飲んでいたウーロン茶を、ぶほっと吹き出した。
勇太の嫁ズは今のところ11人。勇太の嫁ズになる前から非処女だったのは花木純子のみ。
前世感覚が残る勇太は、3人の初めての相手になったことでもすごいなと、一昨日の夜中に思った。
前を見ると長谷川三姉妹が、自分達もいつでもOKとサインを出している。
嘉菜と真子は顔を赤くしながらも、次は自分達だよとアピールしている。
ぼそっ。「前の世界なら普通、修羅場だよな」
改めて、男女比1対12の世界ってトンデモないとこだなと思う勇太だった。




