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モブ顔の俺が男女比1対12のパラレルワールドに転生。またも同じ女の子を好きになりました   作者: #とみっしぇる


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326 勇太と仲間のせいで閉会式が延びていく

高校柔道・冬の選手権は表彰式が終わった。


けれど、勇太が来る柔道の大会会場は今や歌がセット。


選手に加え、2000人以上の女性が2階観覧席はもちろん、1階の試合スペース周囲にも押し寄せたまんまだ。


むしろ増えている。


本来なら、ここで柔道女子なら誰でも知っているカオルのテーマを純子&風花で歌う予定だった。


続いて、中戸明日香が勇太に提供された新曲を披露するはずだった。


けれど、連盟会長・鬼塚一子の機転で、カオルのテーマは決勝で負けたチームを中心に、必死に戦ったみんなを讃える歌に使ってしまった。


これはこれで盛り上がった。まだ女の子達が拍手している。


ただ鬼塚は、ここからのことを考えていなかった。元々がこういう人物。

今になって今後の進行を思案すると、勇太が目配せしてきた。


ぼそっ。「だな。勇太君に丸投げ…いや、任せるのが1番だな」



勇太がマイクで、え~、と言うと喧噪がピタリと止まった。


「今、頑張ったみんなを讃える歌を歌わせてもらいましたが、続いて優勝校に送る曲を歌ってもらいたい人がいます」


ざわっとした。


「いいですか~?」


『どうぞ~』

『早く聞きた~い』


「だそうで~す。茶薔薇のみんな、こっちきて。中戸明日香さん、どうぞ」


中戸明日香がマイクだけ持って前に出てきた。


世界中に数人しかいない、本物の歌を作れる男子・勇太が作ってくれ曲。


この1曲に賭けている。何も持たず全身全霊で歌う。


ルナがキーボードを鳴らした。

♩♪♪♪♩♩♪♪!


「アウッブレイク♩♪♪♪♩♪in this♪」


明日香の低い声が流れてきた。シリアスなリズムから始まった。3小節を歌ったあと、風花のギターが入った。


おおおっ、と声が上がる。


「♪♩♩ya♪♪yel♪♬yo!」


一気にトーンを上げてサビに入った。勇太前世では、バトル動画の勝利シーンに使われることも多かった曲。


タイミングもシチュエーションもバッチリだ。


明日香が優勝した茶薔薇柔道部のみんなとハイタッチしながら、歌っていく。


歌が終わった瞬間、明日香がセリフを入れた。


「茶薔薇のみなさん、優勝おめでとー、素晴らしい試合をありがとう!」


わあああっと声が上がった。



明日香は再びギターを持ち、純子&風花が続けて歌った「梓のテーマソング」、「ルナのテーマソング」をサイドギターとして演奏した。


梓、ルナも今回は純子と一緒に歌った。明日香はふたりが歌いやすいようにフォローに回った。


明日香は、新曲が手応え十分だと思った。音楽女子の顔色が変わっている。


次は今日の夕方から地元テレビに出演。明日から3日連続で、長崎、佐賀、福岡で歌わせてもらえる。すごく自信がついた。


明日香の歌を聴いた音楽女子は、予想以上の曲に驚いている。


完成度は、勇太前世で売れていた曲だから高くて当たり前。それは誰にも分からない。


だから、こんな物を仲間が世話になったからといって、気軽にあげてしまう勇太は何者だろうかと考える。


そこは余談として、やっぱり盛り上がりすぎてしまった。


予定の4曲を歌ったけれど、アンコールが止まらない。


連盟会長の鬼塚は、勇太の好きにやってくれという感じ。


勇太は閃いた。やっぱり謙虚な部分が残っている。


男女比1対12の世界。「自分程度」でも、色んなことをやると女の子に喜んでもらえる。


だったら、もうひとり男子が加われば、さらに盛り上がるだろうと思った。


茶薔薇のハラダヨシノを応援しに来た時田ユウキ君を呼んだ。


「時田君、せっかく来てくれたし前に出ておいでよ」

「あ、え、え、けれど…」


勇太の異母妹メイちゃんを好きになった冬木ゲンジを初めて歌わせた時のようだ。


だから、ちょっと背中を押してあげようと思った。


「来なよ。試合を頑張った女の子のためには俺達が歌う。時田君は、ハラダヨシノさんのために歌ってあげなよ。一緒に勝利を讃えようぜ」


「ヨシノさんのため…。はい、分かりました」


「歌は『立ち上がる君へ』で、2番から歌おうか?」 


「は、はい」


勇太はヨシノから聞いている。仲良くなった男子は歌が好きで、勇太の曲も知っている。


ヨシノが好きだと言った、『立ち上がる君へ』を歌えるように頑張ってくれたそうだ。


そのパクリ歌は、勇太前世のラグビー応援がメイン。だから一番はラグビーの試合場が舞台。


二番は勇太が、純子&風花と手を加えて柔道場を舞台に歌詞を作っている。


カオルが「ほら、おめえも前に出ろや」とヨシノを押した。


顔が真っ赤になったヨシノの手をユウキ君が握って歌い出した。


「♪♩♪♪君は目を開けた♩♩♪畳に伏せ、涙な~がした~」


きゃ~、きゃ~、いいな~と、声が上がった。


結局、4曲も追加で歌うことになった。


やはり、この光景を伊集院君がネットで見ていた。


「彼もゲンジ君のように、勇太君の弟子になるのだろうか…。ヤマモトタロウ君も弟子入り希望と言ってた。楽しそうだ。僕も弟子がほしい」


何でも持っているくせに、勇太と同じモノが欲しくなる伊集院君だ。

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