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モブ顔の俺が男女比1対12のパラレルワールドに転生。またも同じ女の子を好きになりました   作者: #とみっしぇる


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320/342

320 男女比1対12の恋愛は女に厳しい◇ハラダヨシノ

決勝トーナメント1回戦。16チームを8強に絞る。


今回のトーナメントは昨夏のインターハイ成績を元に作られた。茶薔薇はインターハイで同率3位。


インターハイVの新潟エチゴニシキ高校とは最後まで当たらない。


強豪が順当に勝ち上がっていけば、茶薔薇は準決勝で不知火マイコがいたインターハイ2位の北海道シベリア体育大学附属高校と対戦。


そこで勝てれば恐らくエチゴニシキと日本一を争う。


茶薔薇学園は1回戦の第2試合。相手は鹿児島カヤノ学園。


勇太は試合前に仕事。開会式で高校の紹介とトーナメント表の発表などを行った。女神印の響く声のお陰で、ただのアナウンスなのにリクエストが殺到している。


そのせいか、他のイベントのMCやインタビュアーの仕事の打診もされている。


家族も増えるし金銭は必要。鬼塚会長か伊集院君、嫁ズに頼まれたら仕事を受けるつもりだ。


試合直前、勇太がようやく茶薔薇陣営に激励に来た。もちろんルナ、梓と一緒。


「茶薔薇のみんな~、やっと来れたよ~」

「おっす勇太。今朝はありがとな。頑張るから見ててくれよな」


甘い空気を期待するギャラリーの前で、勇太とカオルが近付いた。


けれど、やっぱりふたりはグータッチ。早朝デートに続く、婚約者同士の甘い空気を期待したギャラリーは何人かこけた。


そしてツバキ部長から順に、みんなを激励していった。


それを見ていた他校の生徒はつぶやいた。

「いいな~。男子と触れ合うっていうより、男子が溶け込んでるって感じは貴重だな~」


茶薔薇柔道部員には、「まさか」の現象が起きている。


勇太の女の子への接し方は優しい。


そんな勇太と普段から交流するうちに男子との挨拶、その後のひとことが普通に出るようになった。


一部のパラ高柔道部員のように彼氏ができるまでには至っていないが、少しは男子が寄ってくるようになった。


カオル以来の快挙を成し遂げると噂されるのが、なんと69キロ級のエースハラダヨシノ。


畳の上に立てば修羅だけど、普段は優しく無害な乙女。


先月、たまたま誰もいない階段で、足を踏み外して怪我した陰キャ男子を見つけた。


『大丈夫だからね』と言って常備しているコールドスプレーで応急手当。急いで保険の先生を呼びに行った。


勇太で男子慣れしたから、相手に貞操の危機を感じさせることなく淑女の対応をした。


肉欲を見せず無事を見届けて消えたら、相手の方から礼を言いに来て話しかけられるようになった。


長くて汚い髪をしていた。けれど髪を切ったら意外にハンサムになって、ここ1か月で相手から距離を縮めてきた。


今回、その男子は熊本まで来てないが、3日前に頑張れと言ってくれた。


例外はツバキ部長。なぜか男子に敬遠されるハンサムキャラに磨きがかかってしまった。彼女は増えている・・


さて試合である。


先鋒のツバキ部長は60キロ級。66キロ級の相手を転ばせて、そこはノーポイントながら押さえ込み態勢。


相手を絡め取って勝利を収めた。


次鋒も勝ち、中堅は引き分け。その次がハラダヨシノ。


「決めろや、ヨシノー!」

「ユウキ君も応援してますよ~」

仲良くなった男子はユウキという名のようだ。


「あ…うん。頑張るね~」


しぐさは可愛いヨシノだが、相変わらず二重人格。


「始め!」


「ごいやー、うがらああああ!」

猛犬のごとく歯を剥き出しにして攻め、開始30秒で相手を豪快に投げた。


ハラダヨシノ17歳。素に戻って、ユウキ君のことを考えて苦笑い。


身長171センチ、体重68・9キロ。身長はユウキ君の方が少し高いけど、体重はヨシノが7キロ重い。


柔道で世界を目指すため、この体重は動かせない。


今日はユウキ君の誕生日。だけど何もしてあげられない。そのせいか、毎日のようにくれたLIMEも熊本に来る前の日からゼロ。


雰囲気が良くなった彼の周りに女の子が増えている。きっと女の子達に祝ってもらっているだろうなと思った。


助けたお礼から始まった交流だから、律儀そうな彼が優しくしてくれる。


だけど、男女比1対12世界の恋愛事情は女にとって甘くない。


熊本から帰ったら疎遠になっていって、不知火マイコと花京院夏樹の関係のように立ち消えするのかなと思っている。


「少しだけ夢を見させてもらったかな。仕方ないよね…」



茶薔薇の勝ちは確定したけど、カオルは集中力を切らさず大将戦を内股で快勝。


勇太は茶薔薇のみんなとグータッチしたあと、今回の恒例になっている敗戦チームへのねぎらい大会。


今回は仕事絡みで来ているしサービスを増やした。女子からしたら、過剰なサービスに拍車がかかっただけ。


SNSでは『負けた人が幸せそうな顔をしてちゃダメでしょう』など批判もあるが、最近は別のスポーツ関連団体がたたいてくる。


それをパソコンで見た柔道連盟会長の鬼塚はほくそ笑んだ。

「けっ、あれほどの逸材を私が逃すか、ば~か。ほざいてやがれ」


やはり、批判の多さも、自分達が勝った証拠だと考える鬼塚だ。


今、ネット上で『たまたまエロカワ男子が柔道に関わっただけじゃん』、と書き込まれた。


「確かに最初は運が良かった。けどな、その後は勇太君に信用してもらえるように、誠心誠意、真心を持って接してきたぜ。何もしなかった奴らの声なんぞ、負け雌犬の遠吠えだ」


勇太への恩をファミリーや風花、中戸明日香に仕事を回すことで、今後も恩を返していく。


勇太の性質を見抜いて、かつ不義理をしないよう動く。あくどいながらも感謝される鬼塚だ。



準々決勝も茶薔薇は勝ち進んだ。


準々決勝も副将ハラダヨシノまでに勝ちを決めていて、カオルは内股にこだわった。


カオルは冬の選手権の県内予選で勇太と『婚約者ガチ対決』を敢行した。


カオルの内股、勇太の裏投げのぶつかり合いは、人気動画のひとつだ。


今回は内股のみで試合を決めている。


キレもすごい。


カオルの内股は『愛の内股』と名付けられた。そのせいでカオルは、妙に股間に視線を感じるようになった。

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