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モブ顔の俺が男女比1対12のパラレルワールドに転生。またも同じ女の子を好きになりました   作者: #とみっしぇる


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316 ルナは自分の注目度を正確に把握してない

高校柔道、冬の選手県の初日が終わった。


勇太は純子&風花と予定の3曲を歌った。そこから、純子&風花とは別行動になった。


勇太は柔道連盟の仕事がある。


明日、決勝トーナメントで戦う16校の代表に意気込みを聞いている。


勇太効果で肥後ヤツシロ放送が放送枠を作った。午後8時から柔道特集を流す。そのキー局でも編集して少しだけ全国ニュースで流れるそうだ。


勇太は、モブ顔の自分を全国に映していいの? と思っている。モテているのも男女比1対12も分かっていても、根はモブだ。



梓はパラレル高校なのに、茶薔薇学園と合流して夕食まで一緒にいるそうだ。


勇太は不味いのではと思ったけど、これは男女比1対12のパラレル世界では普通にアリ。


子供を守るのが主題だけど、女同士も15歳から結婚できる世界。高校在学中の婚約、婚姻も普通になった。


梓とカオルのように、婚姻が決まっている人間は、他校生にも『家族枠』で扱われる。


勇太は今日、カオルと会話していない。ここにもカオルがいるが、ゆっくり話せそうもないか。


宿に会いに行くのも自重する。


茶薔薇学園の宿は7校が宿泊していて、夕食は大広間。そんな場所に勇太が現れたら、どうなるか言わずもがなだ。


勇太は頼まれたインタビューの仕事に励んでいる。


今、インターハイ優勝で今回も有力候補の新潟エチゴニシキ高校の主将ヤヒコツバメにマイクを向けている。


二脚の椅子を「くの字」に並べて勇太が左側。右側にツバメ。膝がたまに触れあってしまう。


「では、明日の戦いに向けてひとこと」


「は、はい。あ、あの、先輩方から引き継いだチームを、え、えと」


顔を真っ赤にして、噛みまくるツバメ。勇太は、場慣れしてると聞いているのに変だなと思っている。


これは柔道連盟会長・鬼塚一子が普通ではないインタビュー形式を作ったため。


鬼塚は悪いことを考えている。


普通、この世界でもスポーツ大会の前日インタビューなんて、選手がカメラの前に単独で椅子に着座。インタビュアーは、画面の外から話を振る。


あえて、こんな形にした。女子高生の反応を試してみるためだ。鬼塚の予想以上に女の子達がキョドっている。


ヤヒコツバメは72キロ級の同世代で敵なし。地元でテレビに何度も出ている。人前で話すのも得意。それでも勇太フェロモンを直撃で浴びて、ダメな乙女になっている。


来週は、世界柔道日本大会がある。鬼塚は勇太の起用方針の詳細を詰めている。


日本選手のやる気ブースターにするのに、どの程度まで攻めていいかの実験だ。


「試合直前の選手には歌まで。刺激が強すぎるハグなんかの触れ合いは、試合後だな。いや、外国人選手の直前控え室に勇太君を送り込んで、フェロモンテロもありか…」


勝手すぎるし、高校生が実験に使われている。


策士鬼塚は、なかなかあくどい。



さて、勇太を待っていたルナが大変なことになっている。


勇太の仕事が終わるのを待っているルナのところに、質問が殺到している。


これは予想していなかった。


ルナはネットで話題のモテ女。


勇太は去年5月、ネット上に登場する前日まで最低人物だったと知られている。


いきなりモテ男に変わったとき、最初にセットでネット上に登場したのがルナ。


カオルと梓も似たような立ち位置なのだが、質問攻めになるような嫌な予感がした。明日の試合を理由に早々と宿に帰った。


「ルナさん、どうやったら複数の男子と知り合えるのですか?」

「へ?」


この手の質問と、エロカワ男子の発掘方法ばかり聞かれる。


ルナは男子では、勇太しか恋愛対象として見えてない。


近い人間や、パラレル市でルナに注目している人だけは知っている。


けれどルナは、ネット上のルナしか知らない人に、違う見方をされている。


ここは知り合いもいない熊本なのだ。


勇太、伊集院君だけじゃない。中学生のヤマモトタロウ、伊集院君の従弟の花京院夏樹とも正月に交流があった。


最近はメイちゃんと会うから、セットの冬木ゲンジから慕われるようになった。


父親と歩いた目撃情報は、顔が似ていないせいで年上彼氏と噂された。純子目的だけど数人の男子に話しかけられている。


男女比1対12の世界では、珍しい存在となりつつある。


「わ、私、勇太に何か変えてとか望んだことないですし…」 


「男子にがっつかず、自然体が魅力なのか~」

「芯が強い~」


「伊集院君は、彼が勇太の親友だから私にも優しくしてくれるんであって…」 


「けどルナさん、断ってるけど伊集院光輝さんにもプロポーズされてるんですよね」

「だよね~」


「あ、あう……」


「ルナさんは、勇太さんの潜在能力をどうやって開花させたんですか?」


「え…あ…う、それは、私にも…」


ルナは大いに困っている。


去年の5月から、ただ勇太を見てきた。ファミリーのみんなとも円満で外の意見を気にしなくなった。


勇太の嫁ズも11人まで確定したと思い、自分への注目は激減すると予想していた。


逆である。


勇太の中身がダメ人間だったパラレル勇太と別人なんて、誰にも分からない。


ネットで見る限り、運命の日にルナが何かしたようにも見える。


クズ男を、あの不知火マイコまで惚れさせる男に変えてしまった。と、評価はうなぎ登り。


男女比1対12の世界だから、横暴でクズ男の比率は高い。その石ころの中から『ダイヤモンドの原石』を発掘して磨いたと勘違いされている。


『令和の錬金術師』と呼ぶ人まで出てきた。



ガチに困っている顔はネット上に流れている。


ルナは帰ってファミリーのみんなに会うたびに、背中をぱんぱんされ『ドンマイ』と笑われることになる。

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