312 高校柔道て・冬の選手権、舞台は熊本へ
早くも明日、2月14日を迎える。柔道冬の選手県の仕事とカオルの応援のため、勇太はパラレル熊本市に向かっている。
今日は13日。
1月末に勇太の嫁ズが4人増えて、そこからあっという間だった。
キヨミとデートしたり、ルナ&梓、真子&嘉菜、純子&麗子、長谷川三姉妹と出掛けたりした。
カオルと不知火マイコはひたすら柔道。勇太は、朝のランニング、特訓のときだけ両者に会った。
勇太は歌の活動、パラ高柔道部、茶薔薇柔道部、リーフカフェ、パンのウスヤと、行ったり来たりしたたら、半月が過ぎていた。
今回は、勇太と一緒に応援に来たメンバーはルナと梓。どちらも学校を休んでしまった。
あとのメンバーは都合がつかない。伊集院君も来れない。
伊集院君は東京で放送系の仕事がある。
ところで、ルナと梓の進路に新たな選択肢が出てきた。第一志望が勇太と同じパラレル市立大なのは変わりはない。
まさかのパラレル総合芸術大の推薦資格を得られる可能性大。ふたりは自分の担任から知らされた。
勇太の歌のお陰。
昨年8月末に発売された純子メインのアルバム『パンの歌』。そこでコーラスとして数曲を歌っている。
その売れ行きもいいし、朝の子供番組のエンディング曲として、4月から最低でも1年間は流れることが決まった。
ファンのリクエストが増え、次の勇太作詞作曲のアルバムが企画されていることが大きい。
最近加わったファミリーを除く嫁ズ7人の各テーマソングを本人がメインで歌う。
それが一定の売り上げを得られると、パラ芸大推薦条件『高校在学中までに歌手のメジャーデビュー』を満たしてしまう。
純子は、最初からそれを使う気でいる。というか、完全に条件を満たしている。
梓とルナは、普通に大学に入っても卒業単位を取れるのか怪しい。
勉強ができないとかではない。
勇太の嫁ズは不知火マイコまで入れると11人が確定。子供や次の嫁ズが増えて巨大家族になるのは目に見えている。
なのでハーレム村の村長、副村長に当たる人間が必要になる。
ルナ自身もいずれは梓と同じ『家政側』に入ることに決めた。勇太や梓、自分の両親とも話した。
梓は早めに子供を産んで、同時に他の嫁ズを受け入れる環境を整える。ルナも彼女だけに大変な役目を押しつける気はなくなった。
今のところ全員が高校生で自分達でハーレム村を運営していく予定。意外にレアケースである。
普通、有名な男子のハーレムはサポート態勢も整っている。最たる例は伊集院君。
彼の婚約者は7人。4人の政略婚約者は、社会人か、半分は仕事をして過ごしている大学生。
妊娠した時など、先々までどうするか伊集院君と取り決めている。
今、パラ高の婚約者に子供ができたとしても、伊集院家で万全のサポートを受けられる。
『伊集院村』は稼働準備ができている。
それがない『勇太村』は、梓とルナで土台から作り上げていく。妊娠のタイミングによっては大学どころではなくなる。
ルナと梓が当たり前のこととして、進学を考えない選択肢もあると言うと勇太が動揺した。
なので進学はする。けれど卒業を考えると、勇太の歌ありきでも、プロデビューで入学できて、プロ実績で卒業資格も得られる学校がいいと感じている。
◆◆
熊本駅に降り立った。まだ午後1時だ。
熊本駅は、繁華街と少し離れた場所にある。勇太は知らないが、これは前世の熊本駅と似ている。
なので駅前通りは、そこまで人はいない。しかし男女比1対12の世界。
「あの男子、見たことあるような」
「エロ可愛い…」
真冬なのに、やはり薄着の勇太はフェロモンが漏れ出している。
「あれ、作詞作曲の勇太君じゃない?」
「多分、そうだ」
「なんで熊本に?」
「私に会いに来た?」
最後の女子高生が『そんなわけないだろ』と仲間に突っ込まれていたり、まずまずの騒ぎになった。
けれど勇太はタクシーに乗り込んで、ルナ、梓と一緒に離脱した。
今回は熊本を堪能する。
本日は今から繁華街の真横にある熊本城に行って、お城の見物。
街歩きして、夜は柔道連盟会長の鬼塚一子、昨日から歌の仕事をしていた純子&風花らと合流。
熊本名物の馬刺などをご馳走してくれるから、楽しみにしている。
熊本城付近は、男子住居率が高いそうだ。だから勇太も歩きやすいだろうと言われている。
確かにタクシーを降りる頃には、数組のハーレムを見かけた。
男子の県庁所在地への集中は九州、四国、中国地方に多い。というか、東京圏、大阪圏以外の『普通』
スマホ撮影が誘拐の抑止力になっていても、肉食女子による男子誘拐がゼロになった訳ではない。
普通の独身男子が住めるのは、監視カメラ付きの区画整備を万全にして希少な男子警護のインフラを整えた街。
その条件を考えると、普通の男子居住区は限られていく。
今回の勇太のスケジュールは、5日間。
本日は熊本市内観光。明日、明後日は高校柔道・冬の選手権関連の仕事とカオルの応援。
試合が終わった夜からカオルと合流して、4人になる。
その後の2日間は阿蘇山から大分県に入って別府市に抜け、九州の真ん中を西から東に横断。最終の電車とリニアモーターカーを乗り継いでパラレル市に帰る。
パラレル阿蘇山も活火山で噴火口は観光スポットだ。
嫁ズだけど純子は大会後は別行動。純子&風花のユニットは長崎、佐賀、福岡で地方局の仕事が入ってる。
すでに前日から熊本入りして、今現在は熊本不知火テレビに出演している。
表向きは、柔道冬の選手権をPRする企画だ。
みんな鬼塚一子の口利き。
さすがは元柔道アイドルである。顔が広い。
勇太は、いい人と出会えたなと思いながら、熊本城の入り口を目指した。




