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モブ顔の俺が男女比1対12のパラレルワールドに転生。またも同じ女の子を好きになりました   作者: #とみっしぇる


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222 意外な来客

12月29日の朝。


夕べはルナが泊まりに来た。だけどエッチはしていない。


お互いに忙しい中でルナ、梓や葉子義母さんと集まった。その彼女の風花さんも来てご飯を作って食べた。


夜は梓の部屋に布団を敷いて勇太、ルナ、梓で川の字になって寝ることになった。


今日はパンのウスヤを手伝う日でもなく、勇太が5人分の朝ご飯を作って食べて出勤。


ルナと梓は、ちょっと情けない顔をして冬季講習に向かった。


勇太のLIMEがピロロロリロンと連続で鳴った。嫁ズプラス伊集院君のグループチャットだ。


カオル『パラ体大で柔道の出稽古』

麗子『ウスヤ』

純子『パラ東モールでゲスト出演、風花さんと一緒』

真子『嘉菜さんと勉強&ドライブ』

嘉菜『真子ちゃんと勉強&ドライブ』


勇太も勇太『リーフカフェ』と返した。


ルナ『暗黒の冬季講座』

梓『地獄の冬季講座』


最近はファミリーで簡単なスケジュールを入れている。


ピロン。

伊集院『東京で婚約者の家のパーティー』


伊集院君も教えてくれる。彼は年末もセレブだ。


リーフカフェに到着したのは開店1時間前の午前9時。


外は真冬の寒さだ。


勇太だけは季節を間違うくらいの薄着だけど、道行く人は寒そうだ。秋までと違いテラス席を作る場所で勇太待ちをしている客はいない。



いや、いた。


身長160センチ。コートを着てすっきりした髪の男の子。


勇太がクリスマスイブに会った、異母姉妹メイちゃんの友人男子だ。護衛を3人連れている。


「どうも、この前はありがとうございました」


「えーと、冬木ゲンジ君だったよね。どうしたの」


護衛の女性3人は、ゲンジの姉だそうだ。登校時も姉妹が交代で護衛している。


勇太は何かあっても走って逃げる自信がある。けど普通の男子外出は護衛付き。


「そういや伊集院君も1人歩きしないな・・」


「あ、あの」


「そうだ。冬木君、カフェに来てくれたんだ。まだ早いし寒いから中に入る?」


「ありがとうございます。あの、今日来たのはメイちゃんのことで・・」


護衛で来たゲンジの姉達は、ネットでクリスマスイブのサルベリアの光景を見ている。


弟がメイちゃんに気があるのは知っている。だって彼女の話を家でした時から週4登校に切り替えて髪を切った。


サルベリアの映像でも、弟の必死な顔を見た。


しかし、ゲンジとの距離を詰める気がないのが、肝心のメイちゃんだ。


意識してゲンジの好意をスルーしているようにも見えた。


なので勇太にアドバイスをもらうゲンジに、ついでに勇太とお近づきになりたい姉が付いてきた。



勇太は複雑。


メイちゃんが自分に恋心を抱いていたのを知らず、自分達が異母兄妹だと明かした。


そして泣かせてしまった。さすがにルナ、梓、カオルから怒られた。


だから、メイちゃんが冬木ゲンジとサルベリアパーティーに合流したときは安心した。


と、思ったらメイちゃんが、まだ新しい恋に心を向けていない。


勇太としては目の前のゲンジに困っている。だから正直に言った。


「何をしに来たかは分かるけど、俺が恋のアドバイスとか難しいと思うんだよね」


「え?」「え?」「え?」


冬木ゲンジの姉3人が驚いた。


勇太といえばモテ男。嫁ズの気持ちを言葉の前に察してあげる、気遣いの男だと言われている。


5月のルナに始まり、梓、カオルの気持ちを大事にしてきた。


希少な男子なのに優しさでできている。


そうしてたちまち7人の嫁ズを作った。


と、思われている。



大間違いだ。勇太は基本的に鈍いのだ。だから悪意と女性からの性欲も、かなりスルーできる。


前世は病気で多くの人に世話になったから、善意だけは見逃さないように心がけている。


勇太の洞察力は前世の闘病生活5年間で偏っている。さすがに転生から半年経ち、自覚してきた。


今のところメインの交流は前世に起因している。なので洞察力が生かせる相手と過ごす時間が多い。



前世彼女のルナ、妹の梓、親友のカオル。性根が前世と似ているから気持ちを分かってあげられた。


純子&麗子では純子が前世の幼馴染み。


風花、葉子は勇太を必死で育ててくれたパラレル両親。


伊集院君は前世友人。吉田真子&間門嘉菜の真子は前世でも親交があったクラスメイトのパラレル体。


現に、前世人物と交流がなかった嘉菜と麗子に関しては、キャラをつかむのは遅かった。特に嘉菜のことでは大いに反省している。


そっちが本当の勇太。



だからメイちゃんの恋心も最初は分かってあげられなかった。


冬木ゲンジがどうすればメイちゃんとうまくいくかなど、もっと分からない。


「あ、あのメイちゃんと仲良くなりたくて・・」

「うん?この前の2人グータッチしたりして、仲良しだったじゃん」


「あ、あのそういうことではなく」


ゲンジの姉3人はらちが明かないと思った。


ゲンジは今日、勇太にメイちゃんのことで色々と聞きに来た。


意気込んできた。


何故、勇太とメイちゃんは付き合えないのか。伊集院君はメイちゃんを将来の嫁として考えているのか、など。



勇太をネットで見ていてゲンジは思った。


勇太は相手が真剣に言っている言葉を茶化したりしない。


パラレル市に来て勇太に会えば、メイちゃんのことを真剣に考えている自分なら、ヒントをもらえると思った。


だが、誰よりも恋の相談相手にならない人物を選んでしまったようだ。



勇太も異母兄妹のメイちゃんを大切にしてくれそうなゲンジを無碍にしない。


カフェに4人を招き入れ、ごちそうすることにした。





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