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モブ顔の俺が男女比1対12のパラレルワールドに転生。またも同じ女の子を好きになりました   作者: #とみっしぇる


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210/302

210 変わっていく勇太の遺伝子的な妹

12月23日、勇太が異母姉妹のメイちゃんと会って夕御飯を食べに行こうとしている。


たまたま、この世界で人工受精的な繋がりがあるだけのモブ顔な中3。


兄妹と知って勇太に失恋したけれど、間違いなく好きだった。そして優しさをもらい続けている。


その効果なのか、女神の介入がないはずなのにモテ始めている。


勇太とメイちゃんを偶然に見かけた男子のクラスメイトがいた。



◇原隣中学3年3組、ヤマモトタロウ◇


最近、小中と一緒なのに、大して話したことがない山咲メイが気になる。


そんでムカつく。


俺は小学生の頃からモテていた。今もまだ、伸びしろアリで身長175センチ。週3登校。


顔もまずまず。女もそこまで怖いと思わない。男女比1対12の世界で、男子に生まれてラッキー。


中2くらいから2桁の女子に言い寄られて、可愛い子から3人の彼女を作った。


今年は同じクラスに、男子がもうひとり。


冬木ゲンジ。スッキリした顔だけど、1学期は汚ねえ長髪で過ごした。まだ身長160センチ。週2登校。


こいつは女に恐怖心あって、おどおどしてる。


敵じゃないし、1学期は俺が登校したときだけ女が赤い顔してざわっとしてた。


ところがだ。


夏休みが終わって、教室の雰囲気が変わった。


山咲メイ、続いて冬木ゲンジの印象が変わった。そっちが注目されてきた。


まずメイ。彼との進展具合はどうかとか、みんなにしきりに聞かれてる。


彼女のひとりに聞くと、パラレル市で大活躍してる男子、坂元勇太と親密になってるそうだ。


他のクラスメイトみたく単なるファンじゃないらしい。


かなりのもんで、夏休みに向こうから3人の嫁と一緒に会いに来たこともあるそうだ。


坂元にもらったカフェの無料券も山ほど持ってた。


悪戯心が出て遊びに誘った。


ネットで見た坂元勇太より俺の方がハンサムで背も高い。


前に話しかけたときみたく、挙動不審になるかと期待してた。


けど誘いを断られた。


それも、フワッとした笑顔で。ムカつく。


次の日、根暗の冬木が登校した。あいつは男女比1対12の利点を生かせず、おどおどしてる。


前触れもなく、話したこともないメイに何か言い出した。


「あ、アンタの知り合いの・・坂元勇太・・」

「おはよう冬木君。勇太さんがどうしたの?」


「歌・・好きでさ」


「そうなんだ。冬木君は、どの歌が好き?」


「あ、あのね・・あれ、あの・・」

「私も勇太さんの作った歌、好きだよ。どんなフレーズの歌かな。歌詞とか」


「じゅ、柔道の・・」

「もしかして、今川カオルさんのテーマソング?」


「あっと、それ・・」

「ふふ。いい歌だよね。元気出るよね」


「そう、歌詞、いい」

「ぐっとくる歌詞だよね」


「うん、くる、かなり・・響いた」

「私も響いた。ふふっ、おんなじだね」


冬木は、弾まない一問一答を繰り返してやがる。


メイは背筋を伸ばして言葉を拾ってやっていた。会話はホームルーム直前まで続いた。


去年も冬木と同じクラスだった女子が、あんなに話す冬木は初めて見たと言ってた。笑顔も初めてだそうだ。



そんな思ってると、次の週から冬木は週2から週4登校に切り替えた。


クラスには冬木のとこに集まるやつが増えた。


冬木は髪切って、言葉遣いも丁寧になった。みんなに朝の挨拶もするようになった。


冬木はモテ始めた。下校も男子護衛を口実に、一緒に帰りたがる女子が出てきた。


メイは友人に自分はお役御免と言ったそうだ。


距離置こうとした。けど冬木がメイから離れない。


冬木は、男子にしては珍しくメイに片想いしてるっぽい。


メイは冬木のことで、やつに気がある友人の相談を受けてる。そして女子に協力的。


この恋は一方通行だ。


冬木がメイも一緒に帰ろうって言ったのに、メイは盛大に勘違いした。


「みんな、私も冬木君の護衛係頼まれたから加わる。彼女ができたら離れるから安心してね」


ほら、自分から恋愛対象外の護衛任務を宣言してるだろ。


メイは多分、坂元勇太の女だ。だから他の男子に目が向かない。


同じクラスに俺がいるのに、ふざけやがってと思った。


いや、俺は最初から相手にしてない。俺には可愛い彼女が3人いる。


俺の女達も、ちょっと意地悪くなった。


一学期みたく絶対的なヒエラルキートップじゃなくなって、メイにイラついてたんだな。


「メイのやつ、坂元勇太と進展してないみたい」


そんな情報持ってきた。


へえ~って思って、メイに坂元勇太の話を振った。


いや、振ってしまった。



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