200 ルナと熱い夜
12月19日。
ライブハウスの用事が終わって、勇太はルナを連れて家に帰った。
今日は2人きりだ。
葉子は風花に付き添っている。
風花は、どんなに強がっていても、仕事のことを考えると泣いてしまう。
間門家と懇意にしている病院だから融通がきいたし、病室に葉子のベッドを用意してもらった。
梓はカオルの家に、急なお泊まり。カオルの手料理をふるまわれて倒れたらしい・・
◆
勇太とルナの言葉は少ない。
ルナが「勇太とシたい」と言った。勇太にも火が付いた。
玄関を上がって、お風呂の準備をしている。そのときも手を繋いだまま。
ルナはリビングに連れていかれた。暖房をきかせ、部屋は明るい。
勇太はルナのコート、セーター、次にスカート、タイツを脱がせた。
ブラウスとブラ、そして靴下だけ。パンツはすでに下ろされ、ブラウスの下に黒い三角地帯が見え隠れする。
「勇太、汗もかいたし恥ずかしい・・」
「ルナ、そのまんま。今日は俺から・・」
ブラウスのボタンも勇太が外し、残った下着も1枚ずつ脱がせた。
勇太も脱いでいくけど、視線はルナから外さない。
ルナは勇太の視線を感じて身体中がジンジンしている。
立たせたままのルナに勇太が口づけした。
「・・ん」
「ルナ、そのまま立ってて」
耳、頬、鎖骨、指、胸、少しずつ下に向かって口を当てていった。
おへそに口を当てられたとき、ルナがぶるっと震えた。次を予想して、期待と恥ずかしさで。
「ルナ、少しだけ脚を開いて・・」
「・・・」
「もうちょっと」
見られている。
そして思った通りの場所にキスされた。
同時に下半身に電流が流れた。
「あ、あっ・・」
耐え切れず、かくっと膝が落ちた。それを勇太が受け止めた。
もうお風呂にはお湯がたまっている。勇太はルナをお姫様だったこして浴場に向かった。
そして2人で湯船に浸かった。浴槽は広い。
勇太が後ろからルナを抱きかかえた。
柔道をやっているから筋肉質。小柄だけど出るとこはでていて、きちんと柔らかい。
肉食乙女ルナが体を反転させ、勇太の正面に向き直して抱きついてきた。
「はう・・」
下半身の勇太君をわしづかみにした。
ルナ、点火。強火ナリ。
◆
お風呂、リビング、2人でくっついたまま過ごした。服は着ていない。
◇以下、ルナ◇
今日こそ、勇太が満足いくまでと言った。朝の2時からクッキーを焼いていたはずなのに、相変わらず体力お化け。
私は、うつぶせに倒れた。遅れて背中に果てた勇太がのしかかってきた。
私はライブ出演の疲れもあって先にへばった。
今日も勇太が満足させてくれて嬉しい。けど本来はセ●クスって女がリードするもの。
少し悔しい。
勇太がうつ伏せで息を切らす私の横に動いて、放心した私の顔を覗き込んだ。
目が合った。
「勇太・・」
「なに、好きだよルナ」
「あ、先に言われた。私も・・好き」
今日も思わず笑ってしまった。勇太も笑顔になってくれる。
私は勇太が、本当に好きでいてくれると思った。
すでに梓で嫁ひとり、私も入れた実質的な婚約者は6人。
長谷川三姉妹もはっきり名乗りを上げているし、勇太はまとめて受け入れると思う。
もう嫁10人は確定していると思う。
私とカオル、吉田真子を除く7人はみんな美女ばかり。
ネット上では私とシたんだから、勇太は全員と肉体関係があると思われている。男子が少ない世界。それが普通だ。
私自身も、そうなるとばかり思っていた。
だけど勇太は、いまだに私としかセッ●スしていない。
梓は勇太の下半身の勇太君を、ぱくっとかしたそうだけど、そこまでで我慢している。
カオルと一緒に3月3日に処女喪失すると決めている。
歴史で学んだ、1590年代までの男女比1対1の時代の人間みたいだ、勇太は。
だけど、やっぱり嬉しい。
勇太、私、梓&カオル、純子&麗子、間門嘉菜&吉田真子で初詣に行く。
・・うん? その組み合わせで気付いた。
あれれ・・
私以外の女子6人は、みんな誰かしらとカップルだ。
「あれ、私だけひとりだ」
「どうしたルナ」
「ああっと、大したことじゃないけど、私以外の勇太の嫁は、みんなペアだなって・・」
「梓はカオルがいて・・。ホントだ。そういや、みんなでお茶するときも、そんな風に分かれること多いよな」
「あはは、やっぱ私モテないから、こうなるね」
「大丈夫、俺がいるじゃん」
「え・・」
「ファミリーみんながペアなら、ルナがいてくれないと俺はハブられるな」
「・・そんなこと」
「そうならないように、ルナが俺のそばにいてくれよ、な」
勇太が布団の中で、しっかり抱き締めてくれた。
「・・うん」
勇太はいつも優しい。私が欲しくて、幸せになれる言葉をくれる。




