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モブ顔の俺が男女比1対12のパラレルワールドに転生。またも同じ女の子を好きになりました   作者: #とみっしぇる


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171 パラレルな家庭裁判所

勇太は11月に入って、忙しさに拍車がかかった。


12月12日には純子&風花のユニットのファーストアルバムが発売される。


注目男子の勇太が作詞作曲ということで注目度が高く、発売が前倒しされた。


勇太の役目は終わったのだけど、純子と楓花が絡む。幼馴染みと父親のパラレル体。


前世を去るまで励ましてくれた2人への情がありすぎて、イベント等でアシストに出向いてしまう。



11月9日の土曜日。パラレル南体育館。


小学生の柔道大会に勇太ファミリー総勢4人と、純子&風花で仕事に来ている。


柔道連盟の依頼。仕事は午後から。パンの歌など子供向けの披露することになった。


少し強引な依頼だが、勇太と間門家の問題も絡ませるためだ。


今回は例の問題が起きたことになった。


勇太の歌絡みの仕事だから、今回の大会で『マカド』の協賛が断られた。上位者への賞品など、色々となくなった。


その分を柔道連盟が金銭的に負担した。


次の世界柔道・日本大会でも同じケースが起こる可能性が大きい。運営する柔道連盟から両者で和解の方向に持っていって欲しい、ということになった。


なので本日、調停の場を設けてもらった。


勇太達は、体育館の横にある原礼留家庭裁判所に来ている。勇太はあえてルナ、カオル、梓を伴っている。


これが今日のメインの話である。ここで間門嘉菜の間門家と話しをする。


家庭裁判所の調停室。


パラレルな家庭裁判所は、重婚により婚姻時の権利行使、放棄手続き、相談などが多く、勇太の前世の数倍の規模だ。


多くの案件を、多くの調停員が片付けていく。


土日も関係なく年中無休。


だから柔道連盟の申請から調停までの時間も2週間弱と短い。


今回の問題の発端は、パラレル勇太が坂元家の養子になったこと。


重婚と関係ないようだか、権利行使が間門の嫁さん達から。


間門陽介の妻である間門彩奈ら10人、坂元葉子の縁故関係から派生する問題なので、重婚法が適用される。


柔道連盟会長の鬼塚一子が来ていて、会議室の大きなテーブルの中央に座っている。このために東京から来た。


家庭裁判所の調停員、連盟の顧問弁護士、連盟副会長もいる。


勇太側は勇太、保護者の坂元葉子。歌のことで制限がかかる可能性がある純子、風花も当事者の席。


勇太側にも弁護士アリ。


そして勇太の後ろのパイプ椅子にルナ、梓、カオル。純子の彼女の麗子もいる。


これ、簡単な裁判のようなものなので希望者は傍聴できる。パイプ椅子は、傍聴席のようなもの。


無関係な『男子絡みの調停マニア』も2人椅子に座っている。


そして間門側は間門陽介、妻代表で彩奈。そして顧問弁護士。


ルナ達の横、傍聴席側に嘉菜。そして吉田真子も嘉菜の横にいる。


勇太が絡むから、男子保護局の人間も調停員の横にいる。



この世界の調停は、裁判にも例えられる。


だけど始まる前は、どっちが被告的な立場、原告的な立場とか決まっていない。


今回は、間門側から勇太に対して課した制約を解くための起点を作る。間門側が被告役になる予定だ。


これを申請するまで、調停員は双方の立ち位置を知らない。


現状の、利益が絡む交流の制限があると、間門が協賛する柔道大会で勇太作の歌が使えない。


巻き添えで、勇太に歌を提供された純子&風花も歌う場を制限される。柔道連盟も含めて、不利益を被る人間が少なからずいる。


だから連盟会長の鬼塚一子からクレームを付けてもらった。両者は和解せよというもの。


勇太個人VS間門の家だけの問題ならともかく、今回は巻き込まれる人間が多い。


だから調停員を立てて、間門の会社としてダメージが大きくなる前に、ロックをかけた間門側から勇太に謝罪、和解するというもの。


もちろん、勇太側、間門側、鬼塚一子で事前の話し済み。


調停員、男子保護局員は、裏取引を知らず中立の立場だ。


調停員から説明があった。


「ーーーという訳で、第三者であり、大会運営に支障をきたす柔道連盟、音楽活動を阻害される花木純子さん、周防風花さんから申し立てがありました」


これを受けて解除申請を出すため、間門陽介が立ち上がろうとした。


ここまでは予定通り。


次に間門家が、勇太が間門と一緒に仕事をしたり、親戚を名乗れないようにしたことを明かす。


そして裁判でいうなら、みずから被告者となり、被害者の勇太に詫びて許しを乞う。


場合によっては和解金の提示。


申告があれば、『縁故を結ぶには不適格』とされて社会的信用を失った勇太の名誉を回復させるため、情報を開示せねばならない。


勇太が求めるなら、間門の会社としてホームページ等で経緯と調停の結果を貼り出す可能性もある。


勇太は何も求めないが、情報はオープン。ライバル会社から、間違いなく『人気男子への嫌がらせ』を晒される。


普通は両者の間に、怒り、不信感などなど、負の感情がある。本来は泥沼化しやすい事案なのだ。


勇太が最初に考えていたよりも内容が重い。勉強して、2日前に『制限』の本質を知った。



・・だから・・


勇太がいきなり立ち上がった。


そして調停員に向かって手を上げた。


「坂元さん、どうぞ」


間門サイドからしたら、全く予想していなかった展開。


「すいません、解除申請は私の方から申し出たいのですけど~」



裏切りの発言。


シナリオにないことを言い出した。



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