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これホントに暗殺者の仕事なの?  作者: 羽根ペン
2章 戦争編
99/242

98.VSギガントス、大狼

更新です。

「UOOOOOOOOOOO!!!!!」


雄叫びが響き渡り、たった一体の巨人の威圧感が戦場を支配し、山々を震撼させる。


「なんつーでかさだ・・・!!」


首から上は咆哮が聞こえるのみで分厚い雲の上にあり、そのあまりの巨大さにルイズが独り言た。


「ははっ・・。」


ブラドの乾いた笑い声がこの場にいる全員の本心を物語っているだろう。


「まあ・・・倒すしかないんだよね。僕たちが。」


苦笑いを顔にうかべながら、それでもブラドは戦いの意を見せる。反対する者はここから避難し、兵士達の警護に回そうと思っていたが、誰一人として反対し、ここから離脱していく者はいなかった。


「腹ぁ括りますか。」


「死なないようにねー。」


「あぁ、キトが戻ってきた時俺らが死んでたら意味がねえからな。」


「彼女が帰る場所は必要ですからね。」


「キトちゃんの分も頑張りましょう!」


「キトちゃんを1人にはしませんよぅ・・!!」


「ふふっ。あの子が帰ってくる場所を守るのも私達の役目。だから、ここで引くのはありえないわよ。」


「よし!いっちょやりますかね!!」


応!と全員が答えたと同時、ブラド達のいたところに向かって真っ直ぐ拳が直上より振り下ろされる。


「散開!!」


合図によって全員がバラバラに飛び上がり、巨拳を避ける。


「これより巨人討滅作戦を開始する!早速だが、ドレットとルースは下の狼を、それ以外が上の巨人を叩く!異論は無いな!!」


「了解」


「りょうかーい!」


「さしあたって先ずは、あの巨人と狼を引き剥がす!!ルイズ、アリス頼んだぞ!!」


「了解。」


「行きます!!」


魔眼スキルーーー【射手座之魔眼】


炎魔法ーーー【纏炎之衣フレイム・ローブ


ブラドの命令により、ルイズとアリスが身体強化の魔法をかけ、同時に駆け出す。


「OOOOOOOOOO!!!!!!」


もう片方の拳が振るわれ、地面に衝突。クレーターができたようだが、そんなもの関係ないと言わんばかりに2人は拳を踏み、腕を走ってその顔に照準を定める。


「大体の生きもんはなぁ!!」


「脳が揺れると落馬するんです!!」


強化を1点にかけた右脚をアリスがその醜い顔の中心に放てば、そこに重ねるようにしてルイズが拳を叩き込む。


「OOOOOOOOOOOOO!!??」


驚愕の悲鳴をあげて巨人の顔に激痛が走り、目を瞑ってしまう。


「今だ!!」


地上にいるブラドが声を上げた直後。


「いきますよー!!」


武器魔法ーーー【武具戴天】


黒塗りの槍、剣、斧などがその場に凄まじい程の数出現し、展開された魔法陣からいっせいに巨人に向かって放たれた。


「GUUAAAAAAAAAAAA!!!!??」


突如体に走った突き刺さるような痛みに耐えかね、巨人がついに狼の上から落ちる。


「今だ!行け!!ドレット、ルース!」


「「応!!」」


紫電魔法ーーー【鳴神之衣】


武器魔法ーーー【武我武誅】


紫電の衣がドレットの体を覆い、直後踏み込んだ瞬間にはその体は消えていた。次いで踏み込み、巨狼に向かって駆け出したのは漆黒と白銀をその身体に纏い、とてつもなく戦いに没頭しているルースだ。


「おっ・・らぁ!!」


間髪入れずに巨狼の鼻面に蹴りを叩きこみ、手を鼻の上にかけて回転。その眉間にかかと落としを食らわせる。直後、一瞬遅れて到達したルースの拳が顎に突き刺さり、巨狼の身体が跳ね上がる。


「シッ!!」


そのまま下から音もなく展開した魔法陣より抜刀。毛の少ない腹を切り付けつつ尾の方へと移動する。


「GRRAAAAAAAAAA!!!!!??」


次いで紫電を刃上にして振るわれた刀が雷とともに尾を断ち、巨狼が悲鳴をあげて身悶えし、ドレットを振り下ろそうとする。が、


「やらせるか!!」


漆黒を纏った右拳が巨狼の横腹に思いっきり叩き込まれて骨を折り、その衝撃で倒れそうになった巨狼の反対方向の横腹をドレットが蹴り上げる。


「おおおおおおお!!!!」


蹴り上がったその体をルースが掴み、竜巻が起きるほどの勢いでグルグルとその巨体を回す。遠心力と質量によって速度を上げた回転から上空への投げ飛ばしへ繋げ、雲スレスレまで上昇させた後、2人が地面から天空へと勢いをつけて踏み込み、ものすごいスピードで雲の中へ。


「これで終わりだ!!」


「反撃の隙は、与えない!!」


「GRRRRROOOOOOOOOOOOOOO!!!!!!!」


紫電・武器合成魔法ーーー【雷槍:鳴神ナルカミ


最後の最後にドレッド達の方へと鉤爪を振り上げ、巨狼は一瞬のみ落雷の槍を受けようとし、轟音が響き渡る。が、時すでに遅し。何度も身体に刻まれた斬撃と打撃によって疲労し、ギガントスを山から乗せてくることに疲弊しきっていた巨狼は至極あっさりと己の死を受け入れ、灰となって消えていくのであった。


そしてドレッドとルースもまた、短期間で全力を何度も出したことによりガス欠となり、その場で脱力して回復を待ちつつ、何かあったら対処できるよう巨人の方を見て警戒していた。






一方、ドレット達が巨狼と戦っている最中、ブラド達は予想以上の苦戦を強いられていた。理由としてまずは相手がデカすぎる故に魔法や技が届かず決定打に欠けること、技を顔面に当てる速度と勢いがある者が少ないということである。つまりは


「引き倒せええ!!」


「地面に倒すぞベル!!」


「了解!!」


現状最も有効な地面に引きずり倒して急所に強力な技をぶち込む。をするために全員が巨人の足を掴んだり顔に攻撃を当てたりして怯ませているのだ。


青い光を目に宿し、体を一直線に登って行って、ルイズが側頭部に蹴りを入れる。が、多少怯んだのみでほとんどノーダメージ。


「ッパ脳揺すってその間に倒すしかねえかぁ!?」


ルイズがスキル込みで打った蹴りを軽く受け止め、少しよろめくぐらいの巨体とタフさを持つ巨人の脳をどう揺するべきか考えあぐね、拳を回避していると、当たりが突然曇り、轟音が響いた。音のした方を見ればドレットとルースが雷の槍で今にも巨狼を倒そうとしている所であった。ギリ・・・と、歯ぎしりの音がして、ギルが口を開く。


「・・・俺らがこんだけ集まって巨人一体も倒せねえようじゃ後でアイツらとキトに笑われんぞ!!全員気張れ!!」


その一喝で全員がやる気を取り戻し、その目に確かな光を宿して巨人を見据える。


「行くぞ!」


その一言で全員が頷き、先ずは先駆け。アリスとルイズがレンカの鈴音を聞いてより早く力強く巨人の体上を駆ける。


鈴魔法ーーー【巨人反音ジャイアント・キリング


「「おおおおおおおお!!!!!」」


雄叫びを上げてルイズが左、アリスが右の脚をその顔面にぶつけ、悶えさせる。瞬時に青い閃光が走り、防御の暇を与えないとばかりにベルが雲ごとその顔を絶たんと刀を大上段から振り下ろす。咄嗟にギガントスがそれを避け、仰け反った所で


「ここ数ヶ月出してなかったから自信ないけど、これが僕の魔法だよ!!」


そう言うや否や仰け反ったその体に突如として突風が叩きつけられ、巨人が仰向けに倒れ・・・ず、踏ん張ろうと足の裏で地面を掴む。が、


「させるかよおおお!!!」


「おおおおおおおお!!!」


獣化魔法ーーー【憑依召喚:獄三頭犬ケルベロス


札魔法ーーー【式神:剛力型】


鈴魔法ーーー【剛力鈴音パワーポイント・ノイズ


紙でできた3mほどの式神とレンカ、ケルベロスを纏ったギルが両足を掴んで持ち上げて立ち上がるのを阻止。踏ん張れないようにして、ついにギガントスがその場に倒れた。直後、


「やっと私の出番ね。魔力貯蔵庫アイテムボックス:解放・・・【フェイルノート】」


カーネリアが飛び上がり、アイテムボックスから取りだしたのは何の変哲もない白い木の弓。そしてつがえたのもただの木の矢であった。が、


「魔力充填・・・完了。」


引き絞られるにつれて矢先の1点の魔力密度が上昇していき、凄まじい魔力の塊が矢先に集中。完全に引き絞られ切ったその瞬間。


「フフっ。」


死神の微笑みがギガントスに向けられ、次の瞬間、雷槍に劣らない程の轟音が響き、巨人の頭部が跡形もなく消し飛んでいた。


「よし!!」


ブラドの歓喜の声が響き、全員が今の戦いを称えあっていたその時。


「OOOOO…...OOOOOO!!!!!」


灰になるその一瞬前、怨嗟と憎悪を瞳に浮かべ、カーネリアに死に損ないの巨人が襲いかかった。

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