95.九頭龍と巨狼
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⬛︎⬛︎伝承ーーー繝偵Η繝峨Λ
黒と紫の魔力が神父の体から溢れ、紅の鱗がその体を覆っていく。残った下半身から生まれるように腰の辺りから上半身が生える。次いで体がミシミシと音を立てながら肥大化し、四つん這いの首なしとなって顕現する。
「ゥゥゥゥ・・・」
うめき声のような音が首の奥から聞こえると同時、再生に時間がかかると悟った俺にラミアさんが火炎の槍を形成して踏み込んだ俺の足元に槍を刺し、踏み込みを抑えて槍を握っていない左手の鉤爪で鬼面ごと俺の顔を切り裂きにかかる。
「チッ!」
「SYAAAAAAAAAAAAAA!!!!!」
体制を崩した俺を見て、一気に地を這うようにして尾を横薙ぎに振るう。たしかにそれは有効打ではあっただろう。が、
「そこで尾を出したことがあんたの最大の敗因だ!!」
とった選択肢は尾を下から潜って避けるのでも飛び上がって避けるでもなく、真正面からその尾をノーガードで受けること。・・・と、見せかけて
血液魔法ーーー【緋縅胡蝶】
刃技スキルーーー【鳳仙:紅蓮斬】
衝撃を受けたその瞬間に体から紅蓮の蝶が舞い、ラミアさんの背後に舞った蝶が集まる。次いで形成されるは、変わり果てた神父の姿を見ながら大上段に童子切安綱を構えた俺の体。
「朱天童子使いながらでも、発動は出来んだよォ!!」
まあ、魔力効率とかそういうの度外視した超力技だけどなぁ!!身に浴びた血液を鬼面の力でバフ効果へと変換し、今その首元へと振り下ろ・・・
「G…GYAAAAAAAAAA!!!!!!!」
「間に合・・!!」
次の瞬間に感じたのは急激に体を襲った9つの激痛。見えたのは首元から9つの首が生えた9頭の龍。そう、所謂ヒュドラが顕現していた。
⬛︎⬛︎伝承ーーー繝ェ繝・繧ォ繧ェ繝シ繝ウ
轟音と共に本陣テントを食い破って現れたのは巨大な白銀の狼とその眷属に見える数多の白い狼。
「OOOOOOOOOO!!!!!!!」
咆哮が響き渡り、次いで眷属狼達が飛びかかって襲ってくる。
「チッ!」
即座に動けたのはブラドとルイズの2人のみ。片方は拳に魔力を流し、もう片方は目を光らせて不可視の斬撃を飛ばす。
一瞬にして10体以上の狼が両断ないしは頭部の撲殺で退場し、順次動き出した暗殺者ギルドの面々によって更に死骸の山が増える。
「ドレット!ルース!」
ブラドの号令によって紫電をまとったドレットと共に、漆黒を宿し大量の武器を魔法陣から顕現したルースが直線上を突っ切って白銀の巨狼に肉薄する。
「おおらぁ!!」
「シィッ!!」
スパークを宿した右脚が巨狼の横腹に叩き込まれ、同時に十数本の巨槍が逆の脇腹に突き刺さる。直後、
「GR…」
囁きのように小さい唸りが耳に入った瞬間、巨狼の体が目の前から消失し、ルースのこめかみに蹴りが、ドレットの横っ腹に鉄の槍がぶち当たる。
「がっ!?」
「うっ!?」
「おいてめえら何して・・!!?」
同士討ちとなった二人を見てギルが怒鳴る。刹那
「ギルセンパ・・・」
ベルを巻き込んで鉤爪が両者の体を襲い、纏めてドレッド達のすぐ側へ吹き飛ばす。
「俺の部下をよくも・・!!」
魔眼スキルーーー【牡牛座之魔眼】
ブラドの目が水色に輝き、幾本もの不可視の斬撃がその体に突き刺さる・・直前、その体が蜃気楼のように揺らめき、いつの間にか後ろを取られ、右足の薙ぎ払いによって真横へと高速でぶっ飛ばされた。
炎魔法ーーー【火炎魔矢】
ノーモーションと無詠唱で展開され、放たれた火矢は弩咆よりも速く、まるで閃光のように巨狼の体に着弾し、消えようとしたその体の毛の一部を焦がした。
「通った・・!!」
「GRA!!」
「あっぶ・・!!」
魔眼魔法+固有魔眼スキルーーー【煉獄解放】
紫電魔法ーーー【鳴神之絶閃】
噛みつきがアリスを襲い、視界がスローになった瞬間、両者の間に入ったルイズが、その顎を紅を纏った超速アッパーで打ち上げ、上を向かされた巨狼の顔に向けて跳び上がり、右脚を目に見えない速度で振り抜いた・・と同時に、巨狼の額側に紫の閃光が走り、顎と眉間の両方が両者の右脚によって挟撃された。
「GRRROOOOOOOOOO!!!!????」
「しゃおらァ!!」
「入ったぞこなくそぁ!!」
2人同時に歓声を上げ、さらなる追撃を加えようとしたその瞬間。
「OOOOOOAAAAAA!!!!!!!」
巨狼の体が純白の魔力に覆われ、本体合わせ、およそ十体の分身が顕現する。
氷魔法ーーー豪雪之夢幻
「うっ・・・そだろ・・。」
「マジかよ・・・。」
次の瞬間、視界を狼の牙が埋めつくした。




