93.絶望の伝来
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「魔術師隊、一斉射撃!!」
王国側の筆頭魔術師の高らかな宣言が号令となって草原に響く。次いで放たれるのは練りに練られた魔力によって顕現する美麗な魔法の数々。
「ドレットとルース、ルイズは基本3人で左翼軍の遊撃として行動。アリスとカーネリアはペアで前線に出てくれ。ベルとギルはドレッド達と反対側・・こちらの右翼の遊撃として動いてくれ。リンカとレンカは俺と一緒に中央軍の第1陣で突撃から遊撃に移る!!異論は?」
「「「「「なし!!」」」」」
「じゃあそれぞれ行動開始!!」
返事は無く、全員がその場から散開。それぞれが指定された軍に向かい、行動を始める。
「敵の魔法を迎撃せよ!!」
筆頭魔術師の命令と共に空を向けば、こちらの初手の魔法を打ち破り、追加で放たれた魔法が絨毯爆撃のように空を覆っている。
「ねえ軍長さん。」
そんな中空を見ず、ただ敵を見すえながらルースが左翼軍の軍長に話しかける。
「あれ、全部僕が迎撃して良いかい?」
「・・え?」
「ありがとう・・!」
感謝の言葉が投げられ、次の瞬間にはルースの体が高まる魔力によって中空に浮上する。
「な・・なんだあれ・・?」
カーストリン領軍と傭兵大隊は漆黒の魔力を放出しながらどんどんと上昇していくルースを見て驚きの声を上げる。・・が、
「馬鹿め!アソコは我らの魔法が直撃する場所であるぞ!!」
たしかに放たれた大魔法の射線の数々がルースの体を通っており、そのまま行けばルースの体は爆発や雷に粉砕され、肉片も残らないだろう。しかし、それはただ浮き上がっただけであればの話。ルースはそのようなヘマはしない。
武器魔法ーーー【万剣招来】
幾百もの魔法に対し、生み出されるのは幾千の煌めきを持った数々の剣。
「今は急いでるんでねー、速攻で片付けさせてもらうよー!!」
魔法と剣が激突し、全ての魔法が上空で爆散。両軍の面々が驚愕の衝撃でどよめく中、ギルドの面々は動き出す。
紫電魔法ーーー【轟絶:絶華之鳴神】
魔眼魔法+固有魔眼スキルーーー【煉獄解放】
武器魔法ーーー【武具戴天】
天から降る槍の雨はさながら神々の突き出す槍衾のようで、次々と敵兵が屠られていく。と思えば、青と赤の魔力をまとった金髪の男が傭兵を蹴散らし、一直線に敵右翼軍の本陣へと突っ込んでいく。また別の場所では雷で形成された龍を纏って赤髪が突撃し、領兵を蹴散らしていく。
「おおおおおお!!!」
一瞬にして壊滅状態に陥った敵右翼軍は残った少数で防衛戦を作り上げるも、あっという間に打ち破られ本陣へと切り込まれる。
「領主様!!右翼が破られました!!」
「なにぃ!?先程の槍の雨で全滅か!!」
「い、いえ・・それ以外にも・・・」
「とにかく左翼から引っ張って援軍を・・」
「領主様!左翼も襲われております!!」
敵左翼軍では、魔法が打ち消されたと同時に青い閃光が輝き軍の中央に漆黒の巨大な三頭犬と片刃の剣を持った男と体の周りに魔法陣を展開し、そこから無尽蔵に魔物を生み出す男の2人が出現した。
「一瞬で決めます!」
「ああ!!」
空間魔法ーーー【多重座標閃】
召喚魔法ーーー【憑依召喚:白虎之装】
青い閃光が幾重にも連なって様々な場所に斬撃が転移し、次々に敵が屠られる。次いで現れた白い虎が鉤爪を振るい、鋭利に尖った牙で噛みつき、地面から岩の槍を顕現させ、敵左翼軍が壊滅状態に陥る。
「このまま本陣まで突っ切ります!!」
「ああ、行くぞ!」
2人が本陣まで向かう頃には、前線・・本陣前は阿鼻叫喚の地獄絵図と化していた。
「ふふっ、アリスちゃん。私達も負けてられないわね?」
「勿論ですカーネリアさん!」
魅了魔法ーーー【色欲之誘香】
炎魔法ーーー【火炎魔球】
極小に絞られた白い火球が数十個展開され、前線の兵の体を突き抜け、喉を貫通し、額を穿った。同時に放たれた香水のような甘い香りが前線の魔法兵に広がり、魅了にかかった魔法兵達が味方に向けて大魔法を炸裂させる。
「さあ、本陣に向かいましょう?」
「了解しました。(・・・カーネリアさんがこの魔法使った後に一緒にいると何故か嫉妬と憎悪の目が降り掛かってくるのよね・・。憂鬱だわ。)」
前線を押し上げ、本陣へと迫るカーネリアたちの更に前。最初に魔法が迎撃されていた最中に突撃していった突撃兵達の中で、一際強く突撃した穴をこじ開けていく者が2人。
「リンカ!まだ行けるか!」
「まだいけますぅ・・!!」
魔眼スキルーーー【牡牛座之魔眼】
札魔法ーーー【式神:当千型】
不可視の斬撃が幾数もブラドの周囲に放たれ、周りにいた兵士達は何もなすことの無いまま首から上が飛び、物言わぬ躯となっていく。次いで紙の集まりから形成された騎馬の人形が次々に手に持った薙刀で敵兵を吹き飛ばしながら突き進み、
双子スキルーーー【入替双人格】
「はっはー!!行くぜえ!!!」
楽器魔法ーーー【革命之鈴音】
レンカとの人格入れ替えが完了し、次いで響き渡るのは魔力で形成された鈴から鳴る大号令。人数不利の状態であれば多大な強化効果が身にやどるその音が響いたと同時、不可視の一閃が空間を切り裂いて瞬く間に兵の一団を屠る。
「合流したわ。」
前線から本陣へ上がってきたカーネリアとアリスがブラドとレンカに合流し、真っ直ぐ領主のいる本陣へと突き進む。
「俺らもいます!!」
敵右翼側からはドレットとルース、ルイズが合流し、左翼からはギルとベルが合流する。全員が本陣を3方向から囲み、いざ突撃となったその瞬間
⬛︎⬛︎伝承ーーー繝ェ繝・繧ォ繧ェ繝シ繝ウ
絶望が伝来する




