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これホントに暗殺者の仕事なの?  作者: 羽根ペン
2章 戦争編
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87.激突の銀色

更新です。

ひたすらに金属と金属がぶつかり合い、火花を散らして森を駆け巡る。刀と鉈の刃が激突し、火花と衝撃を散らして轟音を響かせる。


「ッグ・・・!!」


技量は拮抗し、なれど力は少女故にキトの方が低い。であれば、鍔迫り合いになったところで押し込まれるのは自明の理。


「っだらァ!!」


裂帛の気合いを込め、無理やり太刀を押し返したと同時、刃一郎が後ろにたたらを踏んで隙を見せる。


「っし!!」


「ぬぅっ!」


大上段からの高速の振り下ろしが刃一郎の咄嗟の防御と噛み合い、威力で足元の地面にヒビが入る。直後、同時に出した右と左の豪脚が激突し、体と体がぶつかったとは思えない音が森に響く。


「「シッ!」」


踏み込みは同時、即座に逆手に持ち替えた鉈を回転しながら何度も振り下ろし、火花を散らす。


雷魔法ーーー鳴雷迅踏


血液魔法ーーー集中分泌


落雷が刃一郎に直撃し、稲妻のような踏み込みが炸裂。限りなく音に近いスピードで振り抜かれた薙ぎ払いは、しかして強化した肉体を強引に飛びあがらせたキトに躱される。


「隙有ぃ!!」


飛び上がってから地面に着地し、落下の勢いを殺さずに踏み込んで一瞬で懐へ。


「なっ!!?」


この距離なら、太刀を振るより断然鉈を振って切り裂く方が早い!!つまりは・・・


太刀おまえより、おれの方がはええんだよ!!」


刃技スキルーーー『不殺峰打』


叫ぶと同時に一閃。切り裂いたところからは血が流れず、ただ何かが打ち付けられたかのような打撲の跡が残った。・・瞬間、甲冑の鎧が、兜が、手甲が破損し、剥がれていく。


「なにっ!?」


驚愕する刃一郎に俺は鉈を逆手に構えたまま口を開く。


「この鉈、『重國』は世にも珍しい『破壊属性』持ちの魔剣だ。しかもそれが刃じゃなくて峰の方に着いている・・な。最初見た時、これはどういう武器なんだ?と思ったが、使ってみてわかった。鉈の峰の部分ってのは刀より幅が厚く、それでいて刀よりも重い。故に、斬撃ではなく『打撃』の用途として見るならば、鉈の峰ってのはこれ以上ないほど使いやすいものだってな。つまり、あんたの防具は俺のさっきの1発だけで砕け散ったって訳だ!!」


長々と話したが、要するに峰でぶっ叩いてぶっ壊しただけだ。これがもし刀とか太刀だったら、多分折れてただろうしな。いやはや、こんな少女にもそんな高火力を与えられる強化魔法・・恐ろしいねぇ。


「成程・・確かに驚いたことは認めよう。だが・・!そんな叩き切るだけの流麗さも美しさもない『手斧もどき』に俺の太刀が負けることなどない!!」


「じゃぁやってみろよ霧裂ィ!!」


「望むところだキトォォ!!」


順手に持ち替え、雄叫びを上げて突っ込み、間合いに入ると見せかけて一歩身を引いて。踏み込んで横薙ぎに放たれる刃を限りなく地面に体を落として避ける。瞬時に肉薄し、まだ残ってるすね当てと大袖を、龍のように上へと昇っていく、峰打ちの連撃で壊していく。


「なんのこれしきぃ!!」


破壊された部分が次々に落ちていく中、それらを意にかいさずに拳、脚、頭突き、刀の四方八方からの連撃が襲い来る。その全てを防御して、飛んで、掴んで、流して接近状態から離れない!!


「おおおおおお!!!」


「ああああああ!!!」


両者雄叫びを上げて各々の刃を振って相手を倒そうと闘志を燃やす。目にそれぞれの意思が宿り、眼光と眼光がぶつかり合う。形勢はキトが有利で、刃一郎は間合いの内、懐に入られて為す術もない。それに加え、キトの体が小さいのもあり、こちらの攻撃をことごとく避けては連撃を繰り出してくる。


「チィっ!!」


堪らず、強引に太刀を連撃の間に差し込んで振り上げ、連撃を止める。瞬時にバックステップで距離を取り、次いで精神を集中しようと刃一郎は魔力を体内にとどめ、循環させる。


「シッ!」


短く気合を入れ、キトは晒された隙に向かって踏み込み、肉薄する。


「やはり!!来ると思っていた!!!」


雷忍法ーーー雷遁:鳴神の桜


一瞬にして結ばれた印から、魔力を込めて放たれるのは、刃一郎を中心としておこる巨大な雷の龍による紫電の桜吹雪。


「まっず・・!!?」


咄嗟に身を翻し、キトは左肩だけが被害を喰らうように体勢を変えて離脱。焼け焦げた匂いが左肩から漂い、自分の体が焼けたことにむせて吐きそうになるが、持ちこたえる。


「やってくれたなぁ、おい!!」


「まだそこまでの気があるとは、威勢がいいなぁ!!」


互いに睨み合って叫び散らかす。見据えるのは敵。不倶戴天の者。であれば、


「本気で殺してやるよ!!」


「やれるものならやってみろ!」


気合を入れ、左肩の痛みなどものともせずに駆け出す。


血液魔法ーーー【紅疾空狐】、血流加速、多量出血


傷ついていた肩から大量に出血し、狐面が形成されて顔にハマる。瞬間、音を置き去りにした、一瞬のみの極大加速が俺の体に到来する。踏み込みの一歩で大地を割り、逆手に構えた鉈を刃一郎に肉薄すると同時に一閃。憐れ、刃一郎の体が両断され・・・なかった。


「っぁっはぁ!!?」


次の瞬間には、超スピードで動く俺を正確に捉えた銀の鱗が生えた尾が捉え、横から撃墜した。


「SYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!」


森中に、銀の蛇の咆哮が響いた。

Q破壊属性とは?

A装備や武器の耐久値をゴリゴリ削っていく能力。当たった武器とか生命体以外の物質はだいたい2発とかで壊れる、超強力な付与。人体には出来ず、剣とかよりも槌とか斧のような重量でたたっ切る武器に付与されることが多い。属性と入ってるから勘違いされるが、魔法ではなく付与スキルの1種。

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