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これホントに暗殺者の仕事なの?  作者: 羽根ペン
2章 戦争編
79/242

78.獅子と双子

更新です


タイトルミスってましたすいません

轟音。警報が鳴り響いたと同時にいっせいに襲い来る氷の狼の大軍。主力の傷は治っておらず、死ぬしかないこの状況において、諦めた者、絶望に飲まれた者、事故の役に立たなさに憤怒した者が立ち上がる。逃げ惑う看護士達、運ばれる英傑たちとは逆方向へ。いつしか屋敷の裏門から出た者たちを追わずに堂々と正門からその3人は・・否。その4人は現れる。


「あら?あなた、先程まで蹲っていませんでした?」


「気分が変わりましてね。・・・ここで立ち上がらなければ、誰があの化け物達に立ち向かえるのです?」


絶望が場を支配する中、アルデイルの視界は澄み切っており、思考は驚く程に冷静であった。


森から漂う圧倒的な絶望感と殺気。首を真上まで上げて、辛うじて顔が見えるほどの見えないほどの巨躯。そして、氷狼を従え、こちらを蔑むように見る狼王フェンリル。今ここに、無数の絶望とたった4人の戦いが始まった。


先手を動いたのはアルデイル。震える足を叩いて無理やり停止させ、放つは自身の奥義にして奥の手。


「最初から全力で行かせてもらう!!」


魔眼スキルーーー【獅子座之魔眼】


黄金の輝きがアルデイルの目より放たれ、段々と輝きを増していく。いつしかそれはその場の絶望という闇を飲み込み、それを払う光として夜空に昇る一等星のように輝いた。そして・・・それが開始の合図となる。


「AOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!!」


フェンリルの遠吠えが響き渡り、その場で固まっていた氷狼達が一斉に4人へと向かってくる。・・・それは、1度限りの極大集中光線。1度放てば莫大量のリキャストタイムがかかり、最大出力で放ったならば目が潰れるほどの高威力。されど、覚悟を決めて憧れを追うと決めたアルデイルの心中に、『迷い』と『諦め』の4文字はなかった。


「ただ、この一瞬を全力で。・・・こんな私に尽くしてくれた者達・・・否。方々に捧ぐ。・・これが私の全力だ。」


或いは日和見の1匹のはぐれた獅子が、新たに自己を取り戻し、朝日へと向かうように。その一撃は暖かさと決意の心で満ちていて・・・


「装填完了!一撃必殺!!喰らえ!!『獅子王之剛閃ヴァジリアス・トゥン・リオンタリオン』!!!!!」


轟閃が放たれた。


一直線に。屋敷の正門から、森の中央にかけて放たれた跡が刻まれた。当然、斜線上にいた狼達は全てが消滅し、あろうことかフェンリルの体毛を焼き焦がして吹き飛ばしていた。ただし、その代償は大きい。血涙が吹き出し、信じられないほどの血が目以外の場所からも吹き出し始める。


「もしここで死ぬとしても・・私には悔いは無い!」


そう叫び、意識を落としたアルデイルが床に叩きつけられる前にレアが支える。


「ならば私も・・あなたを死なせられませんわ。」


決意の乗った言葉と共に、振るわれるは身長ほどもある長杖。喉を震わせ、まるで歌のようにリズムに乗って魔法が奏でられる。


古代魔術ーーー『安泰之鼓動リズム・オブ・アステレイア


一瞬にして体の内外の傷が回復し、その体に力がやどる。目を開き、顔を上げれば先程と同じ場所。横を向けば寄り添うようにレアがいて。


「ここであなたがいなくなると困りますわ。」


おどけたように笑うその顔に、惚れてないと言えば嘘になる。・・・が、それを今言うのは無粋というもの。この戦いに生き延びられたなら、告白しようとアルデイルは心に刻んだ。それが世間一般に言う死亡フラグと呼ばれるものだとしても、そのような旗、へし折ってやると言わんばかりに、アルデイルは詠唱を開始した。





轟閃が放たれ、一瞬惚けたものの我に返ったミアは改めて敵を見すえる。森に潜む巨大な蛇。雲よりも高くそびえ立つ巨人。そして、閃光により吹き飛ばされた氷の狼王。氷狼の大群は、先程の技で粗方片付いたが、それでも最も強力な三体が生きているのは事実であり、拭えない恐怖と絶望は未だに残っている。


「でも・・・。」


覚悟を決め、俯いた視線をもう一度前へと向けた瞬間。高速で隣の少女が駆け抜ける。的確に、迅速に。最高速を維持しつつ、狙うは弱ったフェンリルの傷。


「あああああああああ!!!!!」


雄叫びを上げ、突っ込んでいくその姿はまさに英雄そのものであり・・・同時に負けていられないと思わせてくれる姿ものだった。目を瞑って深く呼吸し、吸った息を肺に留めたまま駆け出す。先程の少女よりも遅く、弱く走り出したとしても、気迫だけは負けないと。


「はあああああああああ!!!!」


こちらも雄叫びを上げて駆ける駆ける駆ける。初手で放つはアルデイルを見習って、自身の持ちうる奥の手込みの最高火力。狙うは森の中に潜むあの絶望の大蛇。


「全力で行きます!!!」


魔眼スキルーーー【双子座之魔眼】


紫に輝く【双子座】の能力は、ともすると魔眼の中で1番弱いものと言えるのかもしれない。時を戻すような特殊能力も、物の本質を見抜き、あらゆる理を見切る能力も、それ自体の弱い場所をピンポイントで示し、防御を貫通するような能力も・・先程のような極大火力で薙ぎ払うような能力もない。・・・であれば何ができるのか。この魔眼は何をなせるのか、答えは簡単。


「思考が分割される・・!!」


まるでケーキのように自分の思考が切り分けられ、それぞれで自立し、各々でものを考え始める。本体への負荷を考えず、あとを顧みない全力の分割により、分けられた思考は百と二十一。頭痛が止まず、血涙がこぼれ落ちる中、次に唱えるのは自分と妹で発見した未知の魔法。


分割魔法ーーー『多重影姿隊ポラプレス・プロソピコタイトス


ミアの体が魔法陣に覆われると同時に増える。増える増える増える増える。体への負担。魔力の枯渇。そんなものは気にしないと限界まで分身を出し、唱えるはたったひとつの呪文。


分割魔法ーーー【割断】


展開された魔法陣から魔力光が迸る。分身体の数と思考の数だけその魔法陣は増え続け・・・その数最大で121×500。脅威の60500もの魔法陣が森全域を覆うほどに展開され、その全てから触れる物を切り裂く斬撃が射出される。放った瞬間本体は倒れ、轟音と共に着弾した斬撃はヨルムンガンドの体表の至る所に傷をつける。


「SSYYYYYYYYAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!!」


激痛に咆哮するヨルムンガンドがミアを睨んで音速の舌を射出する。明確な『死』が迫る中、やりきった顔でミアは迫り来る死を見据えた。あぁ・・終わるんだな・・と、少しの諦観を抱き、目を閉じる・・・瞬間。


「「させると思ってんの?」」


2つの声が重なり、同時に・・・ヨルムンガンドが仰け反った。

Qキト達って何日ぐらい治療されてたの?

A5日間




実際、ミアの発現した魔法と双子座の魔眼は相性的には凄い良いけど、同時に演算能力とかが馬鹿みたいにいるから体への負担が高く、今は魔眼使ったアルデイルよりも重症の状態。具体的に言うと脳神経がちょっと危ないことになってる。

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