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これホントに暗殺者の仕事なの?  作者: 羽根ペン
2章 戦争編
76/242

75.敗北の色は黒

更新です

まるでコマ送りの様な素早さで、一瞬にして目の前が暗闇に満たされた。・・・否。これは暗闇ではなく大蛇の口腔、その内側である。あまりの速さに驚愕し、何とか避けようと身を捻って、口の中に入った瞬間、毒牙を通り抜けて離脱。


「っぶねぇ・・・。」


口内に俺がいないのが不思議なのか、大蛇はこちらをじっと見つめ・・殺気。気配。来る!!


「ッッ!!?」


緑色の何か(恐らくしっぽ)が、森の中から弾丸のように射出され、顔の近くを超高速で通り抜けていった。瞬時に反撃に出ようと血の剣を構え、深紅のマフラーを刃状に固めて肉薄。相手の圧倒的スピード、火力を加味し、狙うのは後の先。いわゆるカウンター的な物。ほとんど音速に到達している『舌』がソニックブームを起こしながら接近し、一気に肉薄。


「こっれム・・・!!」


いや、まだいける!!瞬時に血を操って体内で出血をし、身体中に興奮剤アドレナリンを巡らせる。


血液魔法ーーー集中分泌アドレナリン・ラッシュ


勝負は一瞬。視界が赤に染まり、目の前の『舌』と自分の存在しか認識できないほどまで空間認識能力を後の先に集中する。


血液魔法ーーー血流加速ニトロ・ブラッド


全身の血液の巡りを強制的に加速させ、脳へと送る秒間血液量を上げることで、肉体と思考を一気に加速へと持っていく。


「シッ!!」


息を吐き出し、刃を前へ。迫る舌に重ねるようにして、マフラーを刺突の構え。目の前まで迫ってきた舌の先とマフラーの先を重ね合わせて激突させ、触れたと感じた瞬間にマフラーを切っ先を軸にして横に。剣で言うところの腹の部分を可能な限り真っ直ぐに、舌に合わせるようにして流す。と同時、横向きとなったマフラーが自然、居合の構えへと至り腰だめに刃が構えられる。完全に舌がマフラーから離れたところで踏み込み。次の時点では肉薄し、加速した思考の中で第二の攻撃として射出された尻尾を左手に持った血の刃で舌と同じように受け流・・・さずに、野球のように打ち返す。当然、折れた血の刃の効果で俺の体が貧血状態となる。・・が、ここでは終わらない。倒れない!


血液魔法ーーー『出血多量』


それは血を流せば流すほどに肉体が強化される、出血という魔法の上位互換である。・・・血で形成された武器は、砕かれた瞬間に自身の体から出血したという判定が下り、莫大量の血が体から抜けて貧血状態となる。故に、『出血多量』の効果を発動したまま、ワザと血の刃を折ったならば・・


「はははははははは!!!!!」


気づけば笑みが漏れていた。それほどまでに、今の俺は早く、速く、疾く動ける。コマ送りのようにこちらからさらに肉薄し、狙うのは顎の下。未だマフラーは腰だめに構えられ、何時でも居合いで抜ける状態。銀閃が駆け抜け、踏み込みと同時にマフラーを握り直す。


「これがァ!!ハンズ直伝んん!!」


刃技スキルーーー『流撃之抜閃:赫』


叫び、振り抜く。赫刃が顎に触れ、斬り裂いたと確かにその手に感じた瞬間に。


「SSYYYYYYYYAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!」


蛇が吼える。たったそれだけで、それ以前の行動全てが灰燼に帰した。蛇自体を爆心地としての強力な咆哮によるスタン。なるほど確かに、連撃とはいえ、ただの技ひとつで倒せるような敵ではないだろう。だが、これは・・そう。余りに・・余りに理不尽では無いだろうか。


「てんめっ!!このクソ蛇があぁぁぁぁ!!!!!」


叫ぶしかできない口。振るわれる緑の巨大な塊。認識できたのはそれぐらいで、飛ばされたと感じた一瞬後に激痛が到来する。馬車の瓦礫に背中から突っ込み、肺に残った殆どの空気が吐き出されて息が詰まる。左腕は変な方向に曲がっており、マフラーはボロボロ。肋骨も何本か折れていて、口からは耐えず血が吹き出している。


「ゴブっ・・・」


一際大きな血飛沫を口から上げ、体から力が抜けると同時に目の前が暗くなる。消失した意識はどこに行くのか、とそんな呑気なことを考え、意識が闇へと落ちていった。








「キト君っ!!!」


超速で蛇に肉薄し、吠えた蛇の尾によって馬車の瓦礫に叩き込まれたキトを見る間もなく蛇が去来する。音のように衝撃を伴って迫る尻尾をギリギリで躱し、回転した振り向きざまに蛇の目目掛けて魔法を放つ。


魅了魔法ーーー魅了眼光チャーム・ゲイズ


桃色に光ったカーネリアの目が爬虫類の目と合わさり、何かが弾ける音とともにその光が消えた。


「・・・っ!?」


レジストされた。そんな言葉が脳裏を過り、刹那の間を置いて目の前が物理的に暗くなる。喰われる・・・そう認識した瞬間、既に体が硬直し防御も何も出来なくなっていた。世界がゆっくりになる。死ぬ前の最後の抵抗で、意識だけが加速しているのか、走馬灯を見る前の準備段階なのかは不明だが、カーネリアはその長い一瞬の間に過去を見るでも、絶望に浸るでもなく、ただ覚悟を決めた。後ろに意識を飛ばせばミアとレアが殺気に当てられて動けなくなっており、更に後ろではキトが目をつぶって脱力している。・・・仲間を死なせないためにも、自分が喰われる。自分が死ぬ。そう決意し、徐々に閉じていく口を見て、ああ・・死ぬんだな。と直感的に悟って・・・


「間に合った・・!!!」


その言葉を最後に、目の前で世界が暗転した。

Qキトって結局何したの?

A向かってくる舌に対してマフラーを合わせて流し、そのまま腰だめに。次に来た尻尾には血の剣を合わせて野球みたいに打ち返し、『ワザと』壊して強化条件達成。更に近づいて顎の下に入り、抜刀しようとしたところを止められて、尻尾に殴られて吹っ飛んだ。


Q流撃之抜閃って?

Aハンズから教えられた技。世にも珍しい『相手の攻撃を防ぐor流す程に次に攻撃した時の火力が上がる』スキル。大体10回くらい防ぐか流せばヨルムンガンドの鱗を全力で突いて1枚割れる。

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