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これホントに暗殺者の仕事なの?  作者: 羽根ペン
2章 戦争編
75/242

74.絶望的戦力差

更新です

何かが擦れる音と紫電がスパークし、火花を起こす。漆黒のオーラを纏ったルースがドレットに追従し、馬車の3倍はあろうかという大きさの白銀の狼に手に持つ刃を突き立てる。


寸前、身を捻って銀閃を交わし、展開した魔法陣から氷の杭がいっせいに放たれる。


氷魔法ーーー氷杭


「フッ!」


その場から全員が飛び上がって離脱し、散開。ドレットとルースは雪山を降りつつ狼の迎撃へ。アブセル、ブラド、エイブルが巨人へと向かう。


「チィッ!あいつら!!」


ドレッドが悪態をつきつつ見たのは王の両脇にいたおっさん2人。馬車の影に隠れ、ブルブルと震えながら祈りを捧げる様は、いっそ清々しいほどに滑稽で・・どうしようもないほどに『獲物』であった。


ドレットとルースが相対する狼・・・別名神殺しの神獣【フェンリル】が瞬時にその場から離脱。その場に自身より一回りほど小さい氷の狼を3体召喚し、2人を足止めする。


「やっべ!!」


「こっちは任せろドレット!!」


ブラドの声が吹雪を切り裂いて2人の鼓膜を震わす。瞬間、稲妻が駆け抜けた。


紫電魔法ーーー紫雷轟閃


三体の首が飛び、氷でできたその体が砕け散る。


「ルース!!」


無言の返答。返事を確かめないまま前へ前へとドレットが駆け、左肩から振り下ろすような姿勢で手を握る。瞬時に掌に魔力でできた鉄の剣が展開され、フェンリルの尾を鉄の刃が断ち切った。


「キャインッ!!?」


白銀の尾が地面に落ちるよりも早く到達した幾数本もの槍がフェンリルの体に突き立ち、漆黒のオーラを纏った拳が槍の石突きを連続で殴り、深くまで突き刺す。


「オォッラァ!!!」


紫電の蹴りが顎をかち上げ、天を向かせたところでいつの間にか飛び上がってちた漆黒の踵がフェンリルの視界を埋め尽くす。そして今、振り下ろ・・・


!!!??!???!!?


気付いたら身体が宙を舞い、凄まじい衝撃を伴って岩に激突していた。漆黒のオーラがしぼみ、力なくルースが地面に落ちる。


「・・・なっ!?」


遅れて反応はやってくる。今目の前で起きたことに説明がつかない。何かバカほどにでかい『白銀』がルースを殴って・・・衝撃が到来する。


「かっ・・・はっ!?」


何をされたか分からぬまま、一瞬で背中側から岩に激突。痛みが数瞬遅れて到来し、激痛に苛まれつつ、立ち上がる気力もないままにヘタ・・・っと地面に落ちる。


『我が子に手を出す矮小なる存在よ。命は取らん!即刻立ち去れ!!!』


野太く、よく響く声が雪原を切り裂いて木霊する。あぁ・・負けたんだな、と数秒遅れた思考で理解し、直後に意識が暗転した。








飛来する巨岩、着弾した衝撃。加速しすぎて炎を纏い、爆音で地面に激突する様はまるで隕石のようで、その硬い外皮に矢は通らず、魔法も効かない。


「さあ、どうしたもんかねえ・・。」


呟きつつ接近。肉薄と同時に首元へ、逆手に握った短剣を振り上げつつその目を狙って貫手を繰り出す。と同時に巨人の背後から見えない斬撃を飛来させ、居を着いた挟み撃ちを実現。とった・・・!!と、そう確信した次の瞬間。


ニィッと薄汚い顔が笑い、100本の手が展開される。2本が短剣を掴み、1本が腕を掴む。巨岩が後ろにある手に握られ、不可視の斬撃も弾かれた。


「グッ!!」


腕を掴まれ、動けない状態のブラドがその顔に蹴りを入れた瞬間、巨人が怯んだ。


「行け!エイブル!!」


「ええもちろん!!」


その機を見逃さず、莫大量の魔力が装填された弓がいっそ災害レベルの矢を放つ。それと同時、射線上のほとんど全てがなぎ払われて吹き飛び、その矢が狙い違わず巨人の頭を射抜いた。瞬間、更に上へとカチ上げられ、巨人が見るのは灰の雲。


「どこ見てんだ・・・よォ!!」


筋肉魔法ーーーインパクト・スマッシャー


破城槌のごとき大きさの拳が振り上げられ、唸りを上げて巨人の顔に寸分違わずぶち当たる。その衝撃で大きく巨人は吹き飛ぶ・・・はずだった。衝撃を止めたのは顔と拳の間に挟まった、壁のような掌。反作用で逆にアブセルの拳が潰れかけるほどの硬さ。


「んな・・なんっ・・・!?」


『・・・・・』


手を振った。・・・ただそれだけの行動で3人の体が大地から離れ、莫大な衝撃を伴って空へと浮き上がる。次いで行われるのは単純な前への踏み付け。大質量が岩山を砕き、岩石が崩落して地面に激突した3人の体を埋めていく。圧倒的にして絶望的な戦力差。たった2回の動作でこれだけの破壊力。アブセルのかすれる瞳に最後に写ったのは、とても大きく、巨大な人型。


「ははっ・・勝てる・・かよ。」


地下も含めた城よりもなお巨大おおきな身体を最後に、暗闇へと意識が落ちた。

Q百の手を持つ巨人の本名は?

Aヘカトンケイル


Qなんで別れて馬車乗ってんの?

Aミアとレアが王様の隣にいたおっさん二人と同じ馬車とか無理ですわって言ったから。それと、公国の魔物から補足されないために二手に分かれてアリスの実家で落ち合う予定だったのがこうなった。


Q黒装束の処罰は?

A王様から二週間の謹慎処分+1人で2台の馬車を行ったり来たりして管理するという重労働。

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