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これホントに暗殺者の仕事なの?  作者: 羽根ペン
1章 迷宮編
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5.やることねえなぁ・・・そうだ!魔法を学ぼう!

さしあたって先ずは、どうやってキトの精神の欠落、および霧散を治すかだが・・・。俺が知ってるような民間的な薬(ポーション等)じゃあだめだろうなぁ。


・・・本でも読んでみるか。


「つってもここにあんのなんかおとぎ話系の絵本ばっかなんだよなぁ。」


昔々あるところに万病に効く薬がありましたとさ。その薬の名はエリクサー・・・これだ!!


「万病に効くってことは世親的な疾患にも効くはず・・・んでもって結果的にそれは精神の崩壊を弱める手助け・・・いや、精神の崩壊を治すこともできるんじゃないのか?」


思い立ったが吉日!ってことで、すぐ出発だ。ラミアさんには本当に申し訳ないが今は一分一秒が惜しい。一週間もこんな所でぐずぐずしてられないんだ・・・!!


「とは言え、エリクサーなんてラノベによくある伝説級の回復薬みてえなモン、どこにあるんだろうな?」


仮にどこかにあったとして、十歳の少女がそんなものを買えるわけがないし、ダンジョンとか、遺跡とか或いは秘境とかに封印されていてもそれを破る、ないしは無理やり取るような武力も俺は持っていない。


「てことは今できる最善手は強くなること・・・でも教会内は狭いから肉体的な訓練やトレーニングは出来ないし・・・。」


その時、ふと脳裏にキトが猪を斃す光景が映し出される。


「魔法・・・か。」


うん、それでいこう。俺とキトは同じ肉体だから魔力の構造も必然的に似るのか・・?それとも全く違う魔法になるのか?どっちなんだろうか。


「やべえ、本来なら焦らなきゃいけねえ場面だってのにワクワクが止まんねえ。」


とまあ、景気づけにそんなことを呟きつつ、神像の前で祈っているラミアさんに背後から近づき、後ろからくすぐりを仕掛ける。


「ひゃうぅっ!!?」


「ラ~ミ~ア~さん。」


「な、何!?」


「あっそびましょっ!」


「え?」


「あ、間違えた。」


言うセリフ間違えちまった・・・。本当なら「魔法教えてっ!」って言うつもりだったのに・・・。やっちまったぜ。


「キ~ト~?」


「は、はい!!?なんでしょうかっ!!」


「覚悟はいいわね?」


「な、何のことでしょう・・・。」


「とぼけるなあ!!!」


「はいいいいいい!!!」


※この後たっぷり怒られました。


「で?何の用?」


未だに頭から湯気が出そうなほどにイラついているラミアさんを尻目に、俺は頭にできたでけえコブをさすりながら返答する。


「魔法について教えてほしいんだよ。」


「なんで急にそんなことを・・?」


「だってほら、ラミアさん回復魔法使えるじゃん?俺も弟たちが怪我したときに回復魔法で治してあげたいな~って思って・・さ。」


ど、どうだ?割といい感じの理由だと思うんだけど・・・。


「はぁ~・・・。あなたという人は、買ってあげた教科書や本を読んでいないの?」


「はい・・・。」


「まったく・・・。いいわよ、今ここで説明するわね。」


「お、お願いします!」


「まず魔法には様々な種類があって、大まかに分けると攻撃魔法、回復魔法、強化魔法、弱体魔法。この四つね。ここまでは大丈夫よね?」


「はい!」


「で、その四つの種類の中でさらに属性ごとに分類分けがされているの。」


「そ、その属性の種類は・・!」


「慌てない慌てない。順を追って説明していくから。で、属性の種類なんだけど、これはちょっと多くてね。炎・水・風・岩の基本の四大元素に加えて光・闇・特殊の三属性。それから、極稀にだけど複合魔法っていう、水と風を合わせて雷にしたり、岩と闇を合わせて地面にしたり、みたいな感じで、たっくさんあるわ。でも、大体は今言った基本の七属性を覚えておけば大丈夫よ。」


俺はラミアさんの言った内容をキッチリと前に買ってもらった携帯のメモ欄に打ち込みつつ、続きを促すように深くうなずいた。


「いい?で、ここから適性の話に移るわ。ここも一気に説明しちゃうわね?適正っていうのは、どの属性のどの種類が自分にとって最も合っているのかがわかるものよ。仮に適正の種類・属性を外れた魔法を覚えててそれを行使したとしても威力や効果はその種類・属性持ちには劣る。ここは結構重要よ。」


「成程・・・つまり、必要に駆られない限りは自分の種類・属性の魔法を使うことが勧められている・・というわけですね。」


「ええ、そうよ。」


「因みに、ラミアさんの種類・属性って何なんですか?」


「私は種類:回復、属性:草 ね。」


「く、草・・・?」


「ええ。私は岩と水の複合属性の草が適正なの。」


「複合属性ってすごく希少なんじゃ・・・。」


「大丈夫。希少なだけで一定数いるのは事実だし、雷や草の人はけっこういるのよ。」


「分かりました。・・・あと、この特殊属性って何なんですか?」


「特殊属性は複合属性にならない稀な属性でね。複合属性持ちよりかは多いんだけど、それでも四大属性や光・闇に適性を持つ人たちよりかは少ないわね。」


「例えば、どんな魔法属性なんですか?」


「特殊属性は種類として回復が無い属性なのね。そのせいか知らないけど、出てくるのは武器・召喚等ね。たまぁに布とか、血とかもいるわね。」


「成程・・・大体理解しました。」


「何か、聞きたいこととかある?」


「じゃあ、二つほど。まず一つ目なんですけどその種類・属性がわかるのっていつなんですか?」


「まず、時期は全く参考にならないわね。大体の人が十二、三才で最初の魔法を覚えるらしいんだけど・・・。」


「詳しくはわからないんですね?」


「時期はね。種類・属性を知りたいのなら教会で見てもらえるわよ。」


「分かりました。で、二つ目なんですが。魔法ってどうやって覚えていくんですか?」


「大体の人はある日突然最初の魔法を覚えるらしいのだけど、二つ目からは修練ね。最初に覚えた魔法を使い続けて覚えていく人が一番多いけれど、私の場合は色々な薬草や植物を育て、煎じてポーションにしてたらどんどんと覚えていったわ。」


「ふぅ・・・む。魔法の発現とそこからどう覚えていくのかには個人差がある・・・と。」


「これで大体わかった?」


「はい。とても分かりやすかったです。」


正直、前世の学校教師とかより全然わかりやすかったぞ・・・。これが異世界の教職者シスターか。


さて、こっからが正念場だぞ。


「そこで相談なんだけどラミアさん。」


「なに?」


「俺、自分の種類・属性が知りたいんだ。だから・・・。」


「隣町の教会に行かせて欲しい・・・ってこと?」


「う、うん。そうなんだけど・・・。」


「外出禁止令は私か神父様が同伴した場合は無効になるから・・・。ええ。いいわよ。今からでいいのよね?」


「も、もちろん!!」


我ながらしどろもどろでみっともない感じだったが、何とか伝わってよかった。


「じゃあ、準備しなきゃね。」


「あ、俺はいつでも出れますよ。」


「じゃあ、今行きましょう。」


さて、俺の種類・適正はいかに・・!!楽しみだなあ!!!



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