表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
これホントに暗殺者の仕事なの?  作者: 羽根ペン
1章 迷宮編
48/242

47.投げられた問い

「なるほど、あの者が新たなる魔眼の保持者か。」


「まだ年端も行かぬ少女ではないか!本当のことなのか確かめてくれよう。」


壮年の男ふたりがキトを見定めてそう口にする。


入城した時点で、他の魔眼保持者から目をつけられていたキトは次々と襲いかかってくる騎士を薙ぎ払い、ぶっ叩いてどつきまくってどんどんと城の最深部へと突撃していく。


「ブラドさん?ここ本当に王城なの?」


キトが言わんとしてることを理解したのか、ブラドは納得するようにうなづいて同意する。


「警備面はしょうがないよ。なんせ国王と剣聖がいるだけで実質十分みたいなところあるし。」


「成程ね。」


あまりにも出てくる騎士や魔法使いが弱いと感じていたが、どうやら彼らの怠慢以外にも列記とした理由があったようだ。


「まあ、だからこの国は戦争が強いんだけどね。」


中央に限られた戦力しか置かずに、戦争や他国との牽制に主戦力を割く。裏をかかれて王城に来たところで王と剣聖で返り討ちにするといった塩梅だろう。言わんとすることは理解できるが、


「でもこれ国王と剣聖っていう2人がめっちゃ強いから成り立ってるだけなんすよね。」


核心を着くルイズの言葉通り、騎士達のお粗末っぷりを見てしまえばそれは納得のこと。


「今のところ最初の隊が1番強かったからね。」


雑談しつつも次々と隊を破っていき、ついには王城内に侵入。さすがにもう襲ってこないと思い、乱れてもいない息を整える。


「流石に城内で攻撃はされないわよね?」


「ま、恐らくだけどね。」


「じゃ、このまま地下に向・・・!!」


足音もなく、急に背後から黒装束が出現する。驚愕を顔に張りつけ、キトは黒装束を睨むが、彼は意に介さず、


「皆様長らくお待たせ致しました。これより魔眼会議を始めます。つきましては御三方・・・下へ参ります。」


定型文を述べ、直後に地面が消失。真っ暗闇の地下へと浮遊感を味わいながら4人ともが落ちていく・・・となるわけではなく、黒装束を含めた4人を囲うようにして、円柱型の空間がまるでエレベーターのように的確な速さで地下へと下っていく。


空間魔法ーーー上下之移空エレヴェーター


落下している浮遊感と重力による押さえつけで不思議な感覚を味わいつつ下へ。やがて足が地下の地面に触れると同時に


「相当なお出迎えね。」


辺りに色濃く充満する濃密な殺気と敵意が3人を襲う。


「これはこれは。こんなに殺気が漲ってるのはルイズの時ぐらいじゃないかい?」


「あー、どうっすかねー?あん時はこんな酷くなかった気がするっすよ?」


「話しとらんでこっちに来んか。」


雑談と軽口が交じわされる中、それを引き裂くようにして若い女性の尊大な声が地下内に響き渡る。


「おっ、国王様じゃないすか。ちわっすちわっす。」


物凄く軽い口調でブラドは国王に目を向けて挨拶とも呼べないような軽口を返す。


「ブラド貴様!!」


「この若造が!」


「身の程知らずめ!!」


そんな挨拶をすれば、当然周りの者が黙っておらずブラドは殺意と敵意を一身に浴びることになる。が、


「やめろと言っているだろう?騒がしいのは好まん。」


長い金髪を振り乱し、翡翠の瞳で彼らを見渡し一言。たったそれだけで全員の敵意と殺意が瞬く間に引っ込んで行った。


「(やはり国王は相当の実力者。ブラドさんと同じかそれよりも上・・・。でも、もっと異質なのは・・!)」


キトがそう考えた瞬間に、国王のそばに控えた者が異質な気配を漂わせたまま軽く会釈し


「王。12人全員が揃いましてございます。これより初めては?」


側近・・だろうか?長剣を腰に提げた黒髪細身の男が物腰柔らかに意見を述べる。


「それもそうだな。厄介なことは早いうちに処理しておく方が良いだろう。」


円卓を囲むようにして並んだ11人からいっせいに視線を向けられたキトは、震え上がってその場に硬直・・・するはずもなく、逆に全員を睨み返す。


「そんな値踏みするような目で見なくたって私は私だけど?」


開口一番にそう放ったことを皮切りに、会談が始まった。


「して、キトよお主何座だ?」


改めての確認ということなのだろう。国王からの質問が真正面から空気を切り裂いて迫ってくる。


「蠍座」


簡潔に無礼とも取れる言葉でもって返答。不満の顔や睨む顔もあるが全面的に無視をする。


「キトちゃんエグいっすね。俺だったら絶対チビってるっすよ。」


「胆力は十分。後は実力だね。」


その後、長々と続く質問の時間が過ぎ、これで終わりかと思った直後、


「聞き忘れておったが、お前私に反する意志はあるか?」


問いが放たれた。


「あると言ったら?」


簡潔、故に底冷えするような傲岸不遜な返答。瞬時に場の空気が凍りつき、同時にその場にいたほぼ全員が武器を構えるか魔法を唱え始める。


「貴様この無礼者が!!」


「ブラドもブラドならお主もお主!不敬な者よ、覚悟しろ!!」


炎魔法ーーー炎獄火爪ブレイズ・クロー


風魔法ーーー嵐龍旋牙トルネード・ファング


国王の両脇に控えていた壮年の男2人が瞬く間に魔法を放つ。片方はその手に炎の爪を纏ってこちらへと飛び上がり、もう片方は風龍の牙をキトのすぐ側に展開する。


「ああ、成程。そういうことね。」


小さくわかったように呟き、直後。


「さっきの騎士よりは持ってくれるわね?」


遺伝魔眼スキルーーー『魅了之魔眼サキュバイトアイ


紅に光る瞳が炎の爪を捉え、その持ち主と目線を交わらせる。一瞬にして炎の爪が消失し、壮年の男は魅了の情報過多によって意識を失った。


「ヘンドリック!!」


もう片方が声を上げ、相棒の無事を確認するが、もう遅い。


「あら、貴方もよ。」


投げかけられた声と共に、彼ーーグロデイル・フォン・ヘンリッヒが感じたのは根底に働きかけてくる恐怖と『視る』という行為そのものに対する快楽であった。瞬間的な魅了であってもそれは変わらず、妖艶に微笑む彼女の顔から視線が離れず・・・・・意識が消えた。


壮年の男2人、しかも魔眼持ちがたった1人の少女に無力化された。その事実が余りにも衝撃だったのか、先程まで敵意を向けていた者達はひとまず矛を収めた。或いは、最初からそれが狙いだったのかもしれないが、


「で?次は誰が来るの?」


敢えて続ける意思のない声色を隠そうともせずにそう啖呵を切る。応じる者は居らず、それを見て不服そうにする訳でもないままキトは自分の席に戻り腰を下ろした。


「いや、見事な戦いであった。・・・戦いと言える程のものではなかったとはいえ、そなたの実力は大したものであったと言っておこう。それに、分かっていただろう?」


「ええ、途中からだけどね。」


喜色満面の笑みを顔に浮かべ、王は不敵に嗤った。と同時に紅に光る瞳から色を落とし、赤色に戻したところで一言。


「本題は?」


銀髪を靡かせ、円卓上にはまたも問いが投げられた。

Q固有魔眼スキルとは?

A魔眼族やダークエルフが生まれた瞬間に授かる技能を昇華させた物。


Q遺伝魔眼スキルとは?

A魔眼族やダークエルフの親が強力な魔眼を宿していた時、稀に発生するスキルの遺伝。


キトの場合

固有魔眼スキル+遺伝魔眼スキル=魔眼スキル【蠍座】

となる。


Qキトと王様の、どちらもなんか分かりきってる感のある会話ってどういう意味?

A壮年の2人。グロデイルとヘンドリックを騎士たちじゃ力不足だったために当て馬として使ったことをキトが指摘したっていう意味。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ