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これホントに暗殺者の仕事なの?  作者: 羽根ペン
1章 迷宮編
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46.ざっとこんなもん

全部、全部定期テストとか言う奴が悪いんです。更新できなくて申し訳ありません・・・。今日から更新再開します。

「で?」


唐突に放った自分の言葉が空気を揺らがせ、暗闇に溶けていった。


「ここは意識内空間ってことでいいのか?」


自分で聞いて自分で納得するという、なんとも意味のわからない構図ではあるが、概ね正解だろう。


ここはキトの意識内空間。いわゆる心の中と呼ばれる場所だ。


「にしては暗いよなぁ・・・。」


意識の中は夢とかが作られる場所らしいが、ここはどうもそんな雰囲気があるように見えない。


「・・・で、さっきから気になってたんだが。」


暗闇の中に伸びる微かな光の筋。奥へと誘うかのようにこちらを照らす光を見て呟く。


「「ありゃ何だ?」」


「だろう?」


「は!?」


急に声が二重に聞こえたと思ったらなんか変な気配するんですけど。


「あぁ、悪ぃ悪ぃ。驚かせちまって申し訳ねえ。俺はハンズ。以後よろしく頼むぜ。」


振り返るとそこには深紅の髪を惜しげも無く振り乱し、紅い双眸をこちらに向けた長身の男が立っていた。


「はんず・・・?」


「急に現れちまってすまねえな。・・・っかしいなあ。いつもならキトの奴がいるはずなんだが・・。お前ひょっとしてあれか?キトの話で度々出てくる『お兄ちゃん』ってやつか?」


「あ、あぁ・・・そうだが・・。」


「おお!なら話は早ええ。この光の正体は、お前ら2人の魂?の中心点っつーやつらしい。」


なぜにそんな疑問形だよ・・。


「俺も詳しくは知らねえんだがな。お前らってなまじ不完全に転生しちまったせいで魂がひび割れて今にも壊れそうなんだろ?キトから聞いたぜ。だから放っておけなくてよぉ。色々と手助けしてたんだが・・。」


何こいつめっちゃ優しいやん。


「肝心のキトが見当たらない・・・と。」


「そーそーそゆこと。んで、どうやってこっちに来たんだ?」


「それが・・・。」


一先ずことの次第をハンズにも伝え、ここからの解決策を一緒に考えることにした。


「はぁ!?全力で戦ってたら血不足で寝込んでこんなんなったってか!?おいおい、どんだけ流したんだよ血。めっちゃいっぱいながしてもさすがにそんな量にはならねえよ??」


「なっちまったんだからしょうがねえだろうが。」


「それはそう。・・・で?こっからどうすんだ?粗方説明は聞いたが、この分だとさすがに戻るまで結構長いことかかるだろ。」


「ああ。そこで提案なんだが・・・、キトがやってたって言う、魂を崩れないようにする術を教えてくれないか?・・・俺が今出来るのは、それしかないと思ってるから。」


「・・・いいぜ。・・つっても、俺だって詳しいことはわかんねえんだぜ?大まかなやり方だけ知ってるぐらいで・・・。」


「それでもいい!俺はあいつに恩を返したいんだ!!」


「そうか・・・。」


食い気味に返事を返すと、ニヤッと笑った後にハンズは流石だな・・・と呟いてこちらを見据える。


「見た感じ、結構ハードだったぜ?覚悟はいいか?」


「ああ、俺はできてる。」


「そう来なくっちゃなぁ!!」


満面の笑みを浮かべてハンズは光の方へと歩いていく。俺も置いていかれないようにと、急いでその後を追って行った。








「・・・で?これはどういうことかな?」


殺意を滲ませた声色でブラドは目の前で突きつけられた無数の槍先を見て問いかける。


「あちゃー。なんかやったんすかブラドさん?」


「いや、僕は何もしてないはずだけど?むしろ招待されたんだから通してもらわないと困るんだけど・・・。」


「・・・・・」


先程とは打って変わってオロオロとし出すブラドは城の方を見て嘆息する。


「そういう事ね・・・。」


誰にも聞こえないようにそう呟くと、キトの背後へと周り、その耳元で一言。


「どうもほかの魔眼持ちが君の実力を信じていないようでね・・・。少し頑張ってもらえるかい?」


耳にあたる吐息に若干嫌悪を現しつつ、少し強引にブラドを払い除け、大きく溜息を吐く。


「で?誰からかかってくるの?」


静寂を切り裂くようにして槍を向けてくる騎士達にそう啖呵を切った。直後、


「命が惜しくないと見える。・・皆の者!かかれぇ!!」


号令と共にその場にいた10人の騎士全員が槍を前に向けて突進してくる。


「はぁ・・・。」


大きなため息を吐き、次いでその目に光を灯す。


固有魔眼スキルーーー『分析之魔眼アナライズ


蠍座の目と変わって青色の光が目に宿り、騎士を睥睨する。


「ハモンド・ラック27歳。属性:風、種類:強化」


突進してくる若い騎士を見やってそう呟き、次いで


布魔法ーーー鋼布


首から引き抜いた深紅のマフラーを硬めて接近。疾風の如くかけて来た騎士の棒のように硬くなったマフラーで足を払い、そのスピードのまま顔から地面に転ばせて無力化。


「おおお!!」


「エルドラド・ベルラージ23歳。属性:雷、種類:強化。」


雷を纏って異次元の速さで奇襲をしかけてくる男を腹に軽めの掌底を打つことでよろめかせ、直後にマフラーで顔を殴って気絶。


「ふんっ!」


「おおっ!!」


「レイエス・ヴェラルゴ29歳。属性土、種類:攻撃。

レイチェル・スミス27歳。属性:炎、種類:攻撃。」


地面から炎を纏った杭が次々と打ち立てられてキトの体を貫かんと迫り来る。それら全てを跳躍することで回避。


「かかったわね!」


炎魔法ーーー火龍之息ドラゴ・ブレス


龍を模した頭が目の前に現れ、レイチェルが拳を振ると同時に炎の息吹が発生する。それを目の前に構えた布で受け、落下と同時に振り下ろすことによって鎧ごと吹き飛ばして無力化。


刹那の間を置いてもう1人。レイエスに接近し、土の壁を強引に粉砕して顎を蹴りあげ、意識を刈りとる。


「「「シッ!」」」


レイエスを倒すと同時に奇襲のように影から3人が同時に剣を振り下ろしてくる。


「ドラド・アルクロイ、セリーナ・ヴェンジェンス、フルート・アルダープ。全員25歳、属性:闇、種類:強化。」


呟きと同時に紅の軌跡を描いたマフラーが持っている剣を全てたたき落とし、次いで全員の鳩尾にドラド、セリーナ、フルートの順番で拳、蹴り、マフラーが叩き込まれて意識が消える。


「「かかったな!!」」


俊足の踏み込みと同時に接近し、大剣と斧が同時に降りかかる。


「あまり舐めないでもらえる?私だってこれぐらいはできるんだから。」


血液魔法ーーー血流操作


高らかにそれが言い放たれた直後、一瞬少女の体がその場から消えた。


「ど、どこだ!?」


地面にヒビを作るほどの威力で振るわれた大剣は、斧と共に突き刺さり、抜けなくなる。


「ベルト・バラス32歳。属性:炎、種類:強化。」


そんな言葉が聞こえたと共に大剣使いがその場で崩れ落ちる。


「ベルト!?」


「驚いてる暇はないわよ。ヘルレオ・レオニー33歳。属性:特殊(樹木)、種類:攻撃。さん?」


「なっ・・どこに!?」


「こぉこ。」


返答が帰ってきたと同時、凄まじい衝撃が首裏で炸裂し魔法を使うまもなく意識が暗闇へと落ちていった。


「さて、最後は隊長さんかしら?」


「な、うちの隊が・・・。」


「ふふっ。あなたには特別に見せちゃおっかな?」


どこか妖艶な雰囲気さえ漂わせる少女が微笑みから満面の笑みを浮かべ、次いでその目が紅に染る。


魔眼スキルーーー【蠍座之魔眼スコーピオン


目と目があったその瞬間に、隊長・・・ハルベルト・フォン・クリスタリオは自我を失った。その目に、顔に、仕草に、振る舞いに、態度に、声に、体に、爪に、うなじに魅了された彼は受け身も取らずに顔から地面へ落ちていき、直後、脳の処理が追いつかずに意識が飛んだ。


「ざっとこんなもんかしら?」


10人の騎士をものの一分も掛からずに制圧した少女は妖艶に笑ってその目から紅の光を消した。

Qなんでキトは血液魔法を使えたの?

Aというより、永戸が布魔法を使えないと思ってるだけです。魂が違っても肉体は変わらないので魔法を使った後の魔力の残滓が多く残っていれば当然使えます。ただし、専門外の魔法に変わりはないので威力は弱いです。

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