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これホントに暗殺者の仕事なの?  作者: 羽根ペン
1章 迷宮編
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45.理解が追いつかないよ・・・

「え?キトじゃない!?」


パーティーの翌日。体調が少し悪いと言って少ししか食べ物を食べずにそのまま寝た私は、今ブラドさんとルース、ドレットの前で状況の説明をしている。


「見た目はキト君だが・・・もしかして中の・・?」


「ええ。私です。」


「えー?じゃあなんて呼べばいいのー?」


「今まで通りキトで構いません。むしろ、兄の名前の方がキトじゃないので。」


「え?マジかよ」


「まあまあ、名前云々は一旦置いとくとして・・参ったなー。キト君には今日王城に呼び出しがされているんだけど・・・。」


「そんな呼び出されるような事したっけ・・・?」


「あぁー、ドレットとルースは少し席を外していてくれるかい?」


唐突な立ち退き命令により、二人の顔が明らかに曇る。


「なんでっすか?」


「納得いく説明を求めまーす。」


指摘する口調こそ軽いが、その目は全く笑っていない。


「ここからの話は国の機密に関わる。それを決して他言しないと言えるのなら聞いていても構わない。」


「覚悟はあります。」


「大じょーぶ。僕ら口硬いほーだから。」


「じゃあルイズ呼んできてくれ。彼にもこの話は無関係じゃァ無い。あとカーネリアも。」


「「了解。」」


「え?私は・・」


戸惑うようにして視点を右往左往させ、キトは周囲の状況を確認する。窓・・破れる。扉・・蹴り飛ばせる?重くて無理かも。天井・・貼り付けるような足場は無い。


「その咄嗟の判断力と観察力は賞賛に値するけどね。今は警戒はしなくていいよ。少なくとも、僕らは敵じゃない。」


「そう。」


少なく応じ、一先ず警戒は収める。


「そう。それでいてくれ。」


複雑な感情がブラドの顔をサッと過っていき、一瞬のうちに消失した。


そのまま数分、無言の時間が続き・・


程なくして全員がこの場に集合した。


「ブラドさん?話ってまさか・・。」


「ああ、そのまさかだ。君にも後で知らせが来ると思うけど・・。状況が動いた。」


「マジかー・・・。で?最後の一人・・蠍は誰なんです?」


ルイズとブラドの意味のわからない会話が展開され、ドレットとルースは思考がついていけない。


「それは、キト君の中のどちらかということになる。」


「どちらか・・?どゆことっすか?」


「彼・・今は彼女か・・は、二重人格だからね。」


「なるほど。二重人格は魂が1つの肉体に2つあるということ・・。つまり・・・」


「えぇ、スキルも別れる。」


急に話に割って入ったカーネリアさんをブラドとルイズが揃って見上げる。


「そぉんな不満ばっかの顔しなくてもいいじゃなぁい。」


「カーネリア。タイミングってのは重要だよ。」


「どぉでもいいわぁ。それでぇ?私達はなんで呼ばれたのぉ?・・・といっても、この面子が集まってるってことはそういうことぉ?」


「ああ。君の予想してる通りだ。」


「じゃあぁ、この子が?」


「多分そうなるっすね。」


「一気にめんどくさくなったわァ。」


長いため息をついて、カーネリアさんはそれっきり不満タラタラな顔をしながらブラドを睨む。


「え?で?どういうことっすか?」


雰囲気に耐えかねてドレットが疑問を口にする。


「すぐに分かることだよドレット。・・・キト君。『魔眼』を使ってみてくれてもいいかい?」


「ああ、先程の話はそう言う・・・。なるほど理解しました。確かに、兄ではなく私の方が魔眼を持っています。そこははっきりしています。ただ・・・発動するとなるといささか問題が・・。」


「なんだい?」


「素の状態だと分かりづらいのです。誰か自分に強化魔法をかけてもらえればわかりやすいのですが・・。」


「じゃぁ僕がやろうかー。」


ルースはそう発言し、簡素な形のナイフを握りしめて砕く。


「はい、これで強化はできたよ。」


「ありがとうございます。・・では失礼しまして。」


魔眼スキル・・・【蠍座之魔眼スコーピオン


キトの目が淡く輝き、さそり座の文様が瞳に刻まれる。一瞬のみルースとキトの視線が交わった瞬間に強化効果が一瞬、全て無くなった。と同時に、惹き付けられたかのようにルースの目は蠍座の瞳に吸い寄せられる。


「解除します。」


フッ・・・と瞳から模様が消え、目の状態が元に戻る。


「なるほど。蠍座は妖艶なる者、隠す者、本質を見抜く者だ。確かに本質を見抜くのであれば、そしてそれを相手にも押し付けられるのなら、強化・弱体の効果は意味を為さないだろう。それどころか、幻術だってやぶれるかもしれない。」


「ポテンシャルの塊っすね・・。」


ブラドとルイズが驚愕する中、ドレッドだけが疑問符を頭に浮かべていた。


「え?これつまりどゆことっすか?魔眼魔法なんて適性がありゃ誰でも・・。」


「いいかい?今キト君が使ったのは魔眼『魔法』じゃあない。魔眼『スキル』だ。名前の響こそ似てるが、本質は全く違う。・・今回呼んだのも、それが原因だ。」


「やっと本題ねぇ。」


「ああ。待たせて済まない。今回君達を呼んだ・・というか、勝手に着いてきてる奴らもいるけど・・・理由は、キト君の魔眼スキルのことについてだ。」


「というのもねぇ、魔眼スキル持ちってぇ世界で12人しかいないのぉ。そして、数が少ないからこそ強大な力を持ってるのねぇ。」


「王城の地下にとある石版があるんだが、先日・・というか、つい2日ほど前。その石版に埋めてある12個の宝石の内、光らなかった最後の1つが光り輝き、位置を示したんだ。そんで、その時の向きがキトとオスカーの方だったんだよ。」


「いくら天才学者で百数十年も前から生きてるも、自分で魔眼作って使うとかは出来ないだろーからね。」


「つまり、最後の魔眼スキル持ちがキトである、と。なるほどそういうことか。」


「それで王城に呼び出しねー。」


「ああ、勿論僕とルイズも一緒に行くからね。」


納得と同時に平和的な方向へと向かっていた言葉がそんな爆弾宣言にぶち壊され、ドレットとルースが固まった。


「「え?」」


「俺もブラドさんもキトと同じで魔眼持ちなんだよ。」


「特にルイズは12人の中で最強格だからねえ。」


「え?兄貴それホントなの?僕知らないんだけど・・。」


「黙ってて悪かったな。なんせ、ブラドさんに国家機密だから喋ったら殺すとか言われてたからよ。」


「ああ。これは僕も謝罪を述べよう。済まなかった。」


納得から一転、気まずい雰囲気を崩すためにキトは口を開く。


「で?私はいつ城に行けばいいの?」


「呼び出しの使者が来るからそれまで待っt・・・」


「キト様、ブラド様、ルイズ様。王城より呼び出しでございます。」


「いや、なんつータイミングだよ・・・。」


「ピッタリすぎてびっくりしたわぁ。」


「・・・・・」


「よし、じゃぁ行こうか。」


「え!?そんなすぐ行くの!?」


「キトくんも早く終わらせたいでしょ?善は急げって言うし、早め早めの行動はやっぱ大事だよね。」


「では、御三方。しっかりとお捕まりになってください。」


「え?」


意味のわからないままブラド達を見様見真似で使者の体に掴まる。


直後。視界が一気に引き伸ばされ、回転してねじ曲がったと思ったら城門のすぐ前に着いていた。


「えぇ・・・。」


理解が追いつかない・・・。と誰にも聞こえないように呟き、キトはため息をついてブラド達の後を追った。

Q木村永戸とキトは喧嘩してんじゃないの?

A喧嘩したまま仲直りもしていないです。ただ、永戸が死ぬとキトも死ぬので仕方なく助けてるだけです。


・・・というのは建前で、キトは極度のブラコンです。・・・あとは分かるな?


永戸は喧嘩していながらそれに頼りきりになってるのを不甲斐ないと恥じています。

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