40.紫電、獣、蒼VS稲妻
ど難産でした。今後編集するかもです。
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「うぉっ!?」
事態はミーヤの魔法で草原が雪原になったところまで巻きもどる。
「雪原・・・。」
白虎と白熊と共にアシュベートを牽制しつつベルとドレット2人の回復を謀るギルは積極的にアシュベートに攻撃を仕掛けていた。が、雪が降ったことによる足場の悪さや足が深く埋まることによって容易に逃げられなくなったことで安易に攻められず、尚且つあちらからも攻めてこないという一時膠着状態となっていた。
「これは・・・ミーヤ殿の魔法か。」
「・・・あの女、こんな魔法を持ってたのかよ。」
自分はルースたちと共に居た訳では無いから分からなかったが、あの女も相当にやるようだ。少なくともルースの隙を着いてこのような大技を発動するぐらいには。
「ま、それでもルースが勝つだろうけどな。」
そんなギルの言葉を無視して、アシュベートは口を開く。
「もう来ないのか?」
わかっている。明らかな挑発だ。こいつは後ろで俺が2人を治療してることを知っている・・・。その上でこうやって俺の方へ意識を向けてきている。
「いんや?少し責めあぐねてただけだよ。」
笑って返し、唐突に踏み込む。ダフッ!という雪を踏む音が聞こえたと同時、瞬時にその体が加速した。
「ふっ!」
跳び上がって瞬時に蹴りの体制へ
「シィッ!」
空中で構えられた左腕に叩きつけるようにして赤い魔力を纏った爆発的な威力の蹴りをぶつける。
肌と肌、肉と肉がぶつかったとは思えない音が響いたと同時に衝撃波が発生。辺りの雪が宙に舞い、雪煙が視界を奪う。
「・・・」
調教魔法ーーー灯火鳥明
淡い光で作られた小鳥が周辺に広がる雪煙を一気に晴らし、光源となってギルの視界を確保する。
開けた視界には変わらず純白の世界が顕現しており、展開された超巨大魔法陣からは有り得ないほどの氷河が出てくる。
「は!?味方に当たったらどう済んだよ!?」
「それもまた選択肢のひとつというもの!!それに、私達は彼女を信頼している!!」
怒鳴り散らして両者構え、踏み込んで同時に殴り掛かる。足に青を、右手に赤を纏いフルスピードのフルパワーで顔面に拳を叩き込む!
「オラァ!!」
「ドラァ!!」
雷の如き速さで瞬時に互いに懐へ。
一瞬で肉薄したと同時に両者同時にクロスカウンターの形で拳を振り抜く。
「軽い・・・な。」
「お前・・こそ。」
落雷のような威力が左頬を強打し、顔面が大きく揺れて、中の脳みそすらもシェイクされる。
強がりと強がりがぶつかり、先に脳の揺れが治ったアシュベートの右フックが鳩尾を文字通り稲妻のように撃ち抜いた。
「ゴェアッ!!?」
あまりにも呆気ない終わり。対等に見えていた、見させられていただけで完全に自分は格下だった。舐められ、それを勘違いしてようやく気づいたらもう敗北まで秒読み待ったナシと来たもんだ。自分が滑稽すぎて反吐が出る。
苦し紛れに向かわせた白虎と白熊も適当にあしらわれて消滅。俊足の踏み込みで倒れている場所に瞬く間に距離を詰められて・・・。
「言い残すことは?」
「ちっとばかし自分のことが惨めだよ。」
そう、自分が『1人』であったのなら。
「一点集中ばっかだと、お互いに痛い目見るぜ馬鹿野郎。」
「肝に銘じておくとしよう。」
短いやり取りの後、振り上げられた拳には雷でできた斧槍が握られ、それが倒れ伏すギルベルトの首に振るわれる。
「決着だ。」
振り下ろされた雷電の斧槍の先には男の首が。しかし、振り下ろした先には男の姿はなく、代わりに稲妻の斧槍は雪と氷を貫いて地面を思いっきりに穿っていた。
「・・・?」
振り上げ、もう2回ほど叩きつけるがどこにもいない。
「馬鹿の一つ覚えみたいに何回も叩いても」
「無駄だぜ?そいつはもうそこにゃいねえ。」
「俺はここにいるからな。」
蒼光が3つ、その場に現れる。1人は全身に紫電をまとい、もう1人は青く光る剣を握る。最後の一人はケルベロスを連れて再来し、3人と1匹が今ここに再び集結した。
「3人まとめて・・・か。面白い!!」
「なぁんもおもろくねえってのによ。」
「そう言いつつ笑ってんぞお前。」
「2人ともちょっとは連携してくださいよ?」
雄叫びが響き渡る中、3人は笑みを浮かべて雷電を睨み付ける。
「行くぞ。」
「ええ。」
紫電魔法ーーー紫雷刀装、紫電雷鳴
空間魔法ーーー貯蔵解放:天羽々斬、連続転移
短い応答と共に紫電の刀を握りしめ、ドレットは一直線に雷鳴のようにアシュベートへと駆けていく。僅か2歩の踏み込みと加速で激突し、雷電の斧槍と紫電の刀が交差する。
ドレットが発射されたと同時に手元に展開した秘蔵の刀:『天羽々斬』を居合で構える。数拍の間を置いてドレットが着弾。瞬間、音を置き去って振るわれた銀の刃が蒼い光に包まれた。連続で撹乱するように転移し、激突した両者の間、上から奇襲として銀閃が振るわれる。
刃と刃が擦れ合うような音に刃を重ねた音が響き、耳をつんざく。鍔迫り合い状態のドレットはベルの作った隙を着いて斧槍を蹴りあげ、稲妻の体制を揺るがして前に回転。その刃を顔面に叩きつけた。
雷魔法ーーー鳴神之顎
顔に叩きつけられる寸前、刃を噛むようにして横から雷で出来た龍の口が出現する。
「チィッ!」
「隙を見せたな!」
雷魔法ーーー鳴神之爪
龍爪がドレットに向かって振るわれ、振り抜いた姿勢のままのドレットはそれを避けも受けも出来なくなる。
「ドレット先輩!」
蒼の魔法陣が展開され、そこからベルの体が出現する。銀の刃が雷の爪を受け、その隙に体制を整えたドレットは居合の構えをとる。
「合わせろギル!」
「応!」
紫電魔法ーーー紫雷轟閃
調教魔法ーーー黒獣憑依
黒の獣がその身を覆い、一時的に身体能力が極限まで上昇したギルはドレットと共に雪原下の氷すら割って踏み込み、アシュベートに肉薄する。
雷魔法ーーー鳴神之鱗
雷の龍鱗がその身を覆い、防御の構えをとる。肉薄からの技の展開は一瞬で終わる。
紫電・調教複合魔法ーーー黒雷轟閃爪
雷の鱗を引き裂いて黒獣の爪がその身を犯す。一気に吹き飛び、瓦礫にぶつかったアシュベートはしかして瞬時に立ち上がり体に走る獣爪を見てもなおその顔の笑みを崩さない。崩れない。
「バケモンかよ・・・」
「固すぎますね。」
「どうしたァ?もう弾切れかぁ!?・・・来ないならこっちから行くぞぉ!!」
雷魔法ーーー雷鳴之魔狼
体に稲妻の狼を纏ったアシュベートは瞬時に踏み込み、音を、残像を置き去りにしてギルに肉薄する。
「速・・・!?」
攻撃された瞬間には痛みすら感じず、ただ体が吹き飛んだだけ。そして次の瞬間には
「ぐっ!?あああああああ!!!」
身体中を稲妻が駆け巡る。
「ギル!?」
「次はお前だ。」
振りかぶった鉤爪は光のように疾く身体を通り抜けて激痛を浴びせる。
「あがあああああああああぁぁぁ!!!!??」
「間に合った!」
空間魔法ーーー座標て・・・
「・・え?」
雷がその身を通り抜け、衝撃で宙へとただかちあげられて痛みに悶絶する。
「疾・・・すぎる!!」
高高度から地面に落下する直前に転移し、ドレットとギルを手元に転移させてから着地。痺れと激痛が体を支配する中、音が聞こえた。
一瞬のみの殺気が通り抜け、右に全力で避けても脇腹を顎が掠る。それだけで肉が多少抉られ、信じられないほどの痛みが脳を支配する。
「ぐっ・・ぅうぁ。」
「うっ・・・あぁ・・」
「がはっ!?かひゅ・・・」
死屍累々と地面に横たわる三者は徐々に徐々に立ち上がって目の前の狼を睨み付ける。
「ずい・・・ぶんと、やっ・・・てくれた・・な。」
「おとし・・・まえ・・は、かな・・・らず・・」
「ははっ・・・し・・・ね・・・・。」
「随分と生き汚い様子。」
「俺らが・・・か?」
「まだ私の方がマシだ。」
「反吐が・・・出るぜ。」
互いに次の一撃が最後になるとわかっていながらの軽口。故にどちらも口は出せど手は出ていない。
「!!??」
突如として空中がまっぷたつに割れ、白銀の世界が両断されて切り裂かれる。その一瞬の隙を突くように、ベルは魔法を唱える。
空間魔法ーーー【連続座興転移】
構えた天羽々斬が弧を描くようにして銀閃を世界に刻む。肉薄した刃が首に当たる直前、蒼光が瞬き、目の前からベルが消える。
見失った直後、隙を見せたアシュベートはそこにつけ入るようにして肉薄していたギルの
調教魔法ーーー【三首之古龍】
黄金に輝く拳で顎を撃ち抜かれる。
「ごっ!?」
カチ上げられ、上を向いたアシュベートは一時的に3人を視界から外して空を見上げた。
「ここだああああ!!!」
雄叫びが響きわたり、赤い尾を引いて紫電が駆ける。
紫電魔法ーーー【轟絶:絶華之紫雷】
一閃。駆け抜ける稲妻よりも疾く紫電が疾駆。右拳に充填された紫の波動が雷としての形を結び、アシュベートの鳩尾を穿つ。
「おおおおおおお!!!!!」
刀スキルーーー『天羽々斬』
紫電押し込まれたアシュベートに追い討ちをかけるようにして天をも斬る斬撃がその身を切り裂かんと迫りくる。
「ああああああああ!!!!!」
調教魔法ーーー【滅上之龍虎】
虎の顎と龍の爪をその身にまとい、アシュベートの体を食い破って引きちぎらんと獣が追う。
「「「これでぇ!!終わりだあぁぁぁぁあああ!!!!」」」
紫電・調教・刀複合魔法スキルーーー【閃】
「グッおぉぉぉぉぉぉおおおおおお!!!?!!!??!」
その身を獣と刀に切り裂かれ、紫電に蹂躙されたアシュベートは倒れ、その身に纏った雷の狼はパチッと音を立てて消失した。
今ここに、紫電、獣、蒼 VS 稲妻の戦いは稲妻の敗退をもって終えた。
「やったぞぉぉぉぉ!!!!」
「「おおおおおおお!!!!」」
雄叫びと咆哮が勝鬨を上げ、勝者がどちらかを如実に示していた。
ドレット、ギル、ベルVSアシュベートここに決着!!!
1話で収めようとしたら長くなっちゃいました・・・。明日の更新はちょっと休みます。許してくれ・・・。朝読んでくれた人は編集してしまってごめんなさい。良ければもう一度読んでください!!
天羽々斬・・・東方の意匠が施されたさながら名刀。その刃は天をも文字通り斬ると言われている。魔力吸収の効果があり、魔法出できた刀や剣、銃などと戦うことも出来る。




