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これホントに暗殺者の仕事なの?  作者: 羽根ペン
1章 迷宮編
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39.氷河VS剣

踏み込みの音と共に破城の杭が高速で射出される。


「貫けぇぇぇぇ!!」


「させません!!」


氷魔法ーーー絶氷断壁


雪原と化した月下に青く輝く氷の壁が顕現する。射出された杭は氷壁に激突し、氷片をばらまいた後に貫ききれずに先端が壊れた。


壊れた破城杭を見て、ルースは不敵に笑う。


直後、漆黒のオーラがその勢いを増し、黒い炎のようにルースの体表を踊る。


「行くよ。」


短い掛け声が静寂に響く。


「・・・っ!!」


瞬時に首に迫る音のない刃をギリギリで弾き、片手に握る氷の直剣を舞うようにして振り下ろす。


氷魔法ーーー氷装作成アイシクルアーツ


「そっから反撃は予想してなかったかなー!!」


握られた剣の上を滑るようにして氷剣が流され、転じた剣が首に触れる。


咄嗟の判断でしゃがみこんで刃を避け、剣の腹を蹴りあげて手から取り落とさせる。


「離さない・・よっ!!」


「チィッ!」


氷魔法ーーー氷弾アイス・バレット


手のひらに展開した魔法陣から氷の魔弾をルースの顔目掛けて発射。したと同時に足元に氷の短剣を突き刺す。


「わーお、これはどうしようか。」


飛び上がり、足元の刃を避けると同時に氷弾を足に展開した脚装で弾く。


「かかりましたね。」


スキルーーー『魔力徴収』


ガクッと一瞬でルースの体が空中で傾く。


「おっ・・・!?」


「これで終わりです。」


氷魔法ーーー【氷河時代之顕現パゴス・イルキア・エクディロス


眼前に見えるは三者の頭上全てを覆う白銀の魔法陣。顕現するは氷の時代。太古より封印された氷河の一端が今、この場に到来する。


「これは・・・出し惜しみしてる場合じゃないかもねー。」


あくまでもその緩んだ誤記を崩さずに、ルースは狂笑を浮かべて独り言ちる。そして・・・


武器魔法ーーー【斬界之断剣グラディウス・フェリエンテス・リアルム


世界を分かつ、巨大な剣が魔力を喰らって顕現する。


相対するは白銀と漆黒の巨大魔法陣。


顕現するは氷河の時代と断界の剣。


純白の世界が草原を覆い、落下する氷河が射線上の全てを押しつぶさんと迫り来る。急激に温度が下がり、凍てつく冷気がその身を犯す。


そんな世界に


漆黒の剣が降臨する。先程までの巨大な様相とは打って変わり、傍目から見ればただの一振の剣。その見た目の黒さを除けばただの剣と呼ばれても仕方がない。


「しかしてその剣はただの剣にあらず。」


古来より伝承に存在するどの剣とも違う物。


「世界を切り裂く我が剣よこの世界はくぎんを断ち切り分かて!!」


直上から直下まで真っ直ぐ、唯振り下ろす。


それだけの行為で氷河時代が終わる。未だに氷を吐き続ける頭上の魔法陣すらも切り裂いて、顕現した氷河せかいが消えた。


「どうだい?・・・これで、僕の勝ちかな?」


魔力を取られ、極大の魔法を行使した反動で魔力不足になりつつルースは呟くようにそう言葉を吐く。


「えぇ・・・負けました。」


世界を歪め、事象を顕現したからか、ミーヤの返答には覇気がなく、困憊した様子で囁くように、しかし確かに聞こえるようにそう返す。


世界の顕現は文字通り切り裂かれ、為す術のない純白は負けを認めた。漆黒と純白の戦いは、今ここに純白の降参を持って終了した。


負けを認めた直後、限界を迎えて気絶し、崩れ落ちたミーヤを横から抱きとめてルースは呟く。


「危な・・・かった。」


朦朧とする意識の中で心無しか、抱かれたミーヤの口は笑みを浮かべているように見えた。

ルースVSミーヤ、ここに決着!!

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