32.口だけ
短すぎたので朝書いたやつの編集です。ちょっと文とか変わってます。
はい、というわけでね。やって参りました!こちら王都西門の近くに居をかまえる『オスカー・ベルト・ベスター』の屋敷でございます。
因みに我らが暗殺ギルドのギルドハウスは王都東門近く。真反対ですね。
「調査っつっても具体的なにすりゃいいんすかね?」
ベタなのは潜入捜査とかそういうのだと思うんだが・・・
「まあ普通に考えれば潜入捜査とかだよねー」
「だが、今回は調査する相手が相手だからな。ブラドさんからは普通に依頼で来たって言えば通してくれるって言われてるぞ。」
「じゃ、入りますか。」
呼び鈴を鳴らし、門が開くのをただ待つ。パイセン方は一言も喋らず、じっと門の中を見透かすようにして門を見つめている。
ふいに、ズゴゴゴ・・と重い音が響いて門が開いた。
「はいはいはい。何か用事かな?」
ベルを慣らしてから実に5分程が経った頃に、門を開けて中からボサボサの黒髪で、白衣を纏った血色の悪い男が現れた。
容疑者写真の通りの顔・・・
「どうも。ブラドさんからの依頼でこちらに参りましたドレットと申します。」
「同じくルースです。」
「キトです。」
「ブラドからの依頼?」
一瞬不可思議な顔をした後、オスカーは合点がいったような顔をしてこちらを見やると
「最近王都で噂になってるキメラのことだね?」
そう発言した。
「はい。ついこの前、自分達が何とか死力を尽くして倒したのですが、そいつがどうも未発見のモンスターだったらしく、その辺について少しお話をと思いまして・・・。」
「ああ、いいよいいよ。入って入って。」
ブラドのとこの社員ならいつでも歓迎するよ。と呟き、オスカーに招かれるようにして彼の屋敷の中へ。中に入って真っ直ぐ行き、左に曲がったところにある部屋に通された。
「ここが客間だよ。次に君達が来た時にはここに来るようにしてくら。・・・それじゃ、始めようか。」
さて、尋問スタートだ。と言っても、こっちが聞きたいのはシンプルなことだけだ。
「ええ。今回俺たちがここに来たのは、貴方がキメラ騒ぎでキメラを作り、新種のモンスターを新しく作りだした容疑者の1人であると言われているからです。そして、その容疑が果たして本当のことなのか、間違っていることなのか分からない。と国の方に依頼され、調査をしに来ました」
ドレットパイセンってこんなスラスラ敬語とか喋れるもんなんだ・・・脳筋だと思ってたからちょっと意外。
「お?キト君。その顔はあれかい?ドレットがあんな真剣に任務をしてるのを意外だと思う顔だね。」
「ちょ、ルースパイセ・・・」
私語は・・・
「話を続けてもらっていいかな?ドレットくん。」
俺とルースパイセンの会話で容疑者騒ぎの話が1時中断されてしまっているようだった。
「いやほんと、すいません。話、続けさせてもらいますね。」
「構わないよ。お2人も退屈ならうちのメイドに家を案内するよう言っておくよ。研究室も地下室に行かなければ見てて大丈夫だから。」
「わかりましたー。すいません。」
「お気遣いありがとうございます。」
「では。」
バチン!と指を鳴らす小気味良い音が客間に響き渡り、ロングストレートで白髪の少女がメイド服をその身に纏って現れた。
「こんにちは。屋敷内の案内をさせていただきます『ミーヤ』と申します。以後お見知りおきを」
「こちらこそよろしくねー。」
「案内、お願いします!」
ちょっと表情の硬いメイドさんだが、悪い人ではなさそうだな。
「それじゃ、ドレットパイセン。案内してもらってくるっす。」
「おう。また後でな。」
「ゆっくり楽しんできてくださいね。」
さて、急に決まったが屋敷探検と行こうか!・・・なんか怪しいもん探そ。
3人が出ていった後の客間。
「で、この魔石が先程言ったキメラミノタウロスの魔石なんですけど・・。」
「ああ、ドレットくん。それ仕舞っていいよ。」
「・・・え?」
何故証拠をしまっていいと言うのだろうか。心底訳が分からないという顔でドレットはオスカーを見やる。
「というか、なんで3分の2も残ってるんだい?確かにあの時に壊されたはずなんだけどな・・。」
・・・は?当事者や関係者しか知らないことを平然と・・!?
「ああ、考えが口から出ていたみたいだね。その通り、ボク・・というより、僕達があのキメラを作り出した犯人だよ。」
「ボク・・・たち?」
「そうそう。ボクらは複数犯なんだ。てことで、他の皆もそろそろ動いたんじゃないかなあ?」
直後、屋敷の外に雷が落ちて轟音が響き渡る。
「なん・・!?」
先ほどまでの快晴とは打って変わってどんよりとした灰色の雲が王都上空を覆っている。
「ふぅ・・・相変わらず登場が派手だなぁアシュは。」
金髪で短く切り揃えられた髪を振り乱し、『アシュベート・フォン・ルーカルベルト』が神のように後光を伴って降臨する。その近くには傷を負い、動けなくなったギルとベルが転がっている。
「ギルとベルがなんでここに・・!?」
これはヤバイ。直感で感じれるほどにやばいとドレットが気づいた頃にはもう遅く
紫電魔法・・・紫雷・・・・・
魔法陣が形成されるよりも疾く、稲妻がその体を貫いた。
「まったく、攻撃が派手すぎるよアシュ。」
そうオスカーは呟きをこぼして地面に倒れ伏すドレッドの焼け焦げた背中を見下ろして踏みつける。
「あんな口だけの奴の言葉なんか誰も信じないよ。」
そう、ある人物を脳裏に掠めて、オスカーは鋭く舌打ちをした。
夕方の更新無理になっちゃいました。すいません・・・




