25.血液魔法の欠陥
つっても投げナイフ1本でどうしろと・・。体感だと残り大体1分半ぐらいか?耐えれる自信がねえよ。
「このまんまじゃ埒があかねえし、ここはいっそ距離詰めて・・!?」
感じた殺気、遮られる視界、全力でバク転!通り過ぎて行った竜の頭ァ!!
「っぶねえー、当たるとこだった・・。」
なんにせよ先ずはどっちかの腕を切り落とさねえと・・。ん?なんだあれ・・・!!
「ミノタウロスん時に持ってた斧・・か?」
今はもう残骸と化したかつてキメラだったものの隣に、1本の大きな石斧が落ちている。
「突破口が見えた!!」
この牛野郎は時間稼ぎしようとか、そういう考えで相手取ったら確実に殺される。だから、こっちも殺す気でかかって行かねえとダメだ!(2秒前に思ったことを吐き出してるだけ)
「っし!やるこたあ決まったあ!!」
血液魔法ーーー出血、血液操作
喉奥を投げナイフで切り裂いて一気に血を先程の倍の量吹き出す。
「出た血液の量でバフ効果が変わる出血とぉ、それらを全部まとめて操って力にできる血液操作・・。多少危うく、雑なもんだが威力だけならさっきより上だ!!」
「BRMOOOOOOOOO!!!!!」
突然俺が叫ぶように単価を切ったことで、それに呼応するようにしてキメラミノタウロスが咆哮する。
「シッ!!」
地面がひび割れるほどの踏み込みで牛野郎に肉薄。
「これでも喰らっとけやオラァ!!」
投げナイフを咆哮しながら接近してくる牛野郎の口の中に差し込み、捻じる。体を捻って回転し、掴もうとしてくる獣爪から逃げつつ竜の顎に刺さってる刃こぼれだらけの短剣を引き抜いて真上へ投擲。
「オカワリはいるかぁ!?」
残念!強制だよ!!投擲された短剣が落下運動を始めるよりも早く空中でキャッチし、久々に硬質化させたマフラーを足場として踏んで加速。閉じようとした口腔内に無理やり捻りこんで柄を蹴り抜き、奥まで突き刺す。
「BMMMOOOOOOOO!!!!!!!」
痛みに悶え苦しむがいい!!2本のナイフが口ん中で刺さったまま動かねえのはさぞ辛かろうなぁ!!
心中で煽ったままキメラの残骸に到達。こないだ作った血の大剣と同じぐらいの石斧に驚きつつ強化効果も相まって片手で持って牛野郎に肉薄。
「MO!」
龍の頭が噛み付いてくるのを紙一重で躱して牛野郎の左肩に着地。思いっきり真上に踏み込んで左肩を落とさせ、バランスを崩させる。ガクッと傾いて大きく隙を晒した牛野郎に対して
「好機!!!」
直上から落下の勢いを混ぜた渾身の振り下ろしで牛野郎の左肩を切断し用として気づく。
「硬って・・っつーか斧の方がわりいなこれ!」
おいおい、石斧とはいえもうちょい研いどいてくれよ!!
「言っても仕方ねえ!」
血液魔法ーーー血流操作
掌から出血させ、石斧の刃の部分に血を纏わせて形状を鋭くし硬質化。
「疑似刃の完成じゃこらぁ!」
これで腕も切れんだろ!!
「おっっらぁ!!」
「BRMOOOOOOOOO!!!」
肉薄!切断!!大絶叫!!!
「っしゃああああああ!!!」
今やったのは至ってシンプル。全力で踏み込んで近づいて切り抜いた。ただそれだけだ!
「あと30秒おおぉ!!!」
切り裂いた時に落下した獣爪を遠くに投げ捨て、再度肉薄。絶叫している口元に
「耳障りなんだよ!お前の絶叫!!」
深紅の尾を引き、凄まじい速度で斧が叩きつけられ、口腔内を切り裂いたと同時に投げナイフと短剣が纏めてさらに奥まで突き刺さった
「さ・ら・にぃ!!」
角の付け根に向かって斧を振り下ろそうとした時、確かにバキンッ!!と刃が欠ける音が響いた。
「・・・え?」
フッ・・・と急激に力が抜け、見れば石斧の先にある血の刃が粉々になっていた。
「やっ・・べ・・。」
気付いた時にはもう遅く、これまで散々やってくれたなと言わんばかりの形相で牛野郎が振り向き、俺の体を掴んで投げ飛ばして再接近。強烈なラリアットと竜の頭のかち上げよって吹き飛ばされ、投げられた獣爪の辺りに落ちる。
「血が・・足りね・・・。」
既に深紅の仮面は砕け、体に溢れていたアドレナリンは跡形もなく消え去っている。
「う・・あ・・・。」
誰が言ったか、吸血鬼にとって体を駆け抜ける痛みよりも血が足りない状態はそれはそれはとても『危うい』と。
「血・・血・・・」
脳が赤く紅く広がる液体に染まり、徐々に蝕まれていく。まさか血液魔法にこんな欠点があったとは思いもしなかったが、な。
「血・・・血ぃ・・」
ダメだ。もう血のことしか考えらんねえ。なんでもいいから血・・血を・・・。
その時、目の前に転がる獣爪から深紅の液体が流れ出た。
3分経過まで残り20秒。
血液魔法の欠陥
・・・本編の描写で気づいてるか方も居るかもしれませんが、自分が血で作った剣とか仮面とかそういうのを壊されると基本的に体を巡る血が足りなくなって貧血になります。これまでキトが血を外に出して硬質化させたりしても大丈夫だったのはその硬質化した血の中をちゃんと血が巡っていたからなんですね。




