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これホントに暗殺者の仕事なの?  作者: 羽根ペン
1章 迷宮編
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1.えっれぇことになった

えー、えらいことになった。俺こと【木村永戸】は日本のただの男子高校生であるのだが、現在絶賛車に引かれかけているのである。


ホントにえらいことになった。


そりゃあ目の前で2、3歳の子供か横断歩道の真ん中に取り残されてたら助けるじゃん?学校であだ名がクズトだからってそこまで人としていろいろと踏み外してないわ。


とまあ、自分の心中を語ってももちろん車が止まってくれるはずもなく、俺は車のタイヤに頭から突っ込んで行った。


あっ、走馬灯・・・


ゴシャッ


そら見させてくれませんわなああああああああ!???!!?


痛っっっっ!!!!???!?


あまりの痛みに意識が吹き飛ぶ。最後に考えたのは、助けた子供が無事だったかどうかだった。








ん・・?


あれ?


意識がある・・?マ?


え?ちょっとちょっと、おかしくないか?俺タイヤで頭潰されて死んだはずなんだけど?ま、まあ一旦落ち着こう。つーか目開けてるはずなのに視界悪っ!


全部が全部ボヤっとしてるんだけど?頭の確認・・・は大丈夫だな目は見えてないが多少の視界が確保されてる時点で頭はある。手足はどうだ?


ふんふん、なるほどなるほど、ッスーーーー・・・。


これ縮んでねえかあ?なんか全体的にムニっとしてるし可動域狭いし。まさかよくある転生とやらか?


いやいや、そんなことあるわけ・・ムグッ!?


「はぁい、お腹すいたねえ?今あげますよぉ。」


口になにか柔らかいものが触れたと同時に、ほぼ自分の意志とは関係なしに口に流れ込んで来たものを飲み込む。


なんだこれ仄かに甘い・・・ミルクか?そういやさっきから腹減ってたからな。助かる助かる・・・っておい!??これ俺の予想通りだと割とやべえのだが?というかこれでほぼ俺が赤ん坊になってしまってることが確定しちまったんだが??


「にしても、あなたはほんとに泣かないわねぇ?」


うーんこの・・・。いや、別に悪いわけじゃないけど、ひたすらに気まずい。いやホントに。これ新手のゲームの体験かなんかか?それとも組織的なやつ?まあなんにせよ、生きてて良かった・・・。いや正確には転生かも知んないから死んでるのかもだけど。


「おお、ご飯をやっているのか。よく食べるなこの子は。」


声色的に父親かな?男の声が聞こえる。まだぼやぁっとしてる幼い視界には両親の姿は見えず、父親の首に巻かれた赤いマフラーと自分の口にあてがわれてる哺乳瓶らしきもの・・・は?おいおいおい、哺乳瓶だったのかよ1人で興奮しちまったじゃねえか。ふざけんな。


じゃああの柔らかさは一体なんだったんだよ!!はっ!?まさかこの至近距離から見える哺乳瓶の飲み口に着いているこれは・・・なんだこれ?胸の感触を再現するなんかか?なんでそんなもん付けてんだよ・・つかどこに売ってんだよそれ。欲しいな。くれよ。


俺が赤ん坊になってんのも充分に衝撃的なのだが、もうひとつ。俺なんでこの人たちの話してる事わかるんだ?明らか日本語ではないんだよ。でも意味は理解できるって言う。なんか気持ちわりいことが起こってるのだが?


まあそんなこと、今はまだどうでもいいか。


ミルク飲んだらなんか眠くなっちまったな。寝よう。とりま俺は転生(?)して、どっかの夫婦の赤ん坊として生まれたと。あの横断歩道のガキが無事だといいがな。俺と違って長生きして欲しい・・・な・・。


ねんむ・・・寝よ。

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