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これホントに暗殺者の仕事なの?  作者: 羽根ペン
1章 迷宮編
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15.爆 速 落 下 脳 天 直 撃

あれから数時間。気持ちの整理が未だにつかないままに俺は馬車から降りた。俺のいた村から首都『アーク』までは結構な距離があり、丸一日走って漸く着くかつかないかぐらいらしい。


「そこのお嬢ちゃん。ちょっとこっちの手伝いしてくれるかい?」


「はーい。」


馬車の運転手が料理をしてるのを手伝うよう言ってきた。俺全然料理とかしてこなかったけど大丈夫かな?前世では割と料理得意な方だったけど・・・。


「皿をみんなに配って欲しいんだよ。そこにあるから持って行ってくれるかい?」


「分かりましたー」


なんかキャンプみたいでいいな。こういうの。夕飯はなんと途中で冒険者の方々が提供してくれたイノシシの魔物の肉だった。曰く、少し行った先の森でいっぱい仕留めたからあげますだと。


「親切でいいねー。ホントに。」


ホンワカしながらみんなで焚き火を囲み、肉を食べていると・・。


「グッ!ゲギャッ!!」


「この声は・・・。全員武器を取れ!!ゴブリンの群れだ!!!」


運転手の支持に従って全員が剣やら弓やらを構える。俺も教会からパクってきた包丁を構えて周囲を警戒する。


「ゲギャアアアアア!!!」


五体のゴブリンが一気に馬車に襲いかかり、中のものを奪おうと次々に取り付いていく。


「させるかっ!!」


「クソゴブリン共が!」


男性のそれなりに見てくれの良い甲冑を着た騎士2名が馬車に向かって駆け出し、取りついてるゴブリンを次々と切り付けていく。俺もそっちに向かおうと踏み込んだ瞬間、


「きゃああああああ!!」


女性の声が夜闇を引き裂いて俺の鼓膜をふるわせた。声の方を見やるとさっきまで騎士二人の後ろにいた、こちらも身なりの良い女性がゴブリン2体に足を掴まれて茂みに引きずられている最中であった。


「ちっ!!」


陽動かよ!モンスターのくせに頭が回りやがる!


「させるかぁ!」


馬車とは逆方向に踏み込み、一瞬で右足を掴んでるゴブリンに肉薄し、包丁で心臓を貫く。


「グゴッ!?」


瞬時に包丁を胸から抜いて、死んだゴブリンを生きてるゴブリンに投げ、それを目くらましにして真上に跳躍。左足を掴んでるゴブリンの首に取り付き、逆手に持った包丁で頸動脈を掻き切る。


「ゴボォッ!?!」


ゴブリン2体の死体を茂みに投げ入れ、中にいたゴブリン4体の虚を着いた後にそいつら全員を通り過ぎるようにして踏み込む。手先がブレたように見えるほど速く包丁を振り抜き、瞬時に2体の首を跳ね飛ばす。残り2体の棍棒を体を左に逸らすことで回避し、逆さ立ちになって両足で頭を掴み、一体の首を捻って折る。直後に振り下ろされた棍棒を包丁で防御して流し、姿勢を崩したところで首を跳ねる。


「こっちは終わりました。そっちはどうですか?」


「こっちも全部終わったよ。うちのお嬢様を助けてくれてありがとう。お嬢ちゃん。」


「いえいえ。この程度助けたうちに入りませんよ。」


「いや、ちゃんと礼を言わせてくれ。今はお嬢様は気絶しているようだから俺から言わせてもらうが、なにか貴族の後ろ盾が欲しくなったら首都の貴族街の中心から少し外れたフェルメール家へ来てくれ。旦那様には話を通しておくから。」


「そ、そうですか・・。」


なんか圧が、圧が凄い!律儀で真面目すぎるだろこの2人。ひっきりなしにお礼言って来るし。ほんとに大したことはしてないんだけどな。


夕飯の続きでも食うか。って、その前にゴブリンの血で汚れた服をどうにかするべきか。どうしようか・・・おや、ちょうどいいところに川が・・・。



ー数分後


「ひゃっほぉい!水つめてえけど水浴び楽しい!!」


時刻は夜9時ごろ。風呂みてえなもんだろと思って入ったら予想以上に川の水が冷たかったためテンションで寒さを誤魔化しながら体を洗う。


「にしても、ハーフねぇ・・・。」


にわかには信じられないが、自分のさして成長していない体躯を見てみれば間違いなく自分が人間では無いことが分かる。


「ただ、なんで日で俺は燃えないんだ?なんで耳がとがってないんだ?」


この2つが永遠に疑問だ。耳がとがってないのはどうせ恐らく遺伝の時に耳を構成する部分に吸血鬼の方が多く入ったからだろう。ただ、日光で燃えないんだなハーフって。


「割とチートでは?」


まあまあまあ、細けえことを考えていても仕方がねえしな。さっさと上がって野営の準備でもしよう。


「おお嬢ちゃん!急いで首都まで行くぞ!!」


「え?夜道は危険だから無理せず野営しようっておじさん言わなかったっけ?」


「ソンナコトナイヨ」


「まあいいよ。で?なんで首都まで一気に行こうとしてるの?」


「ああ、さっき連絡があってな。首都に向けての大規模な魔物の行軍が東の方で始まったんだと。このままだと着いた頃には多分入れねえだろうから強行策で行こうって訳だ。」


「なるほど。早めに着くことは私としても構わないですよ?そちらはどうですか?」


「ああ、我らもそれで良い。お嬢様も早くお運びしなければならないからな。」








「で、今に至ると。」


強行軍を始めてから4時間ほど経過した後、俺は不眠不休のまま首都に入り、爆速でギルドまで走っていって自己紹介もそこそこに、速攻で案内された自分の部屋で寝た。荷物を出すことも無く寝た。


「まさか初日の朝に爆発で起こされるとは思わなかったなあ・・・。」


そう呟きつつ部屋のドアを開けて外に出た。直後、何な重くて硬いもの。おそらく世間一般的に言う瓦礫が俺の脳天に爆速で落下してきて、覚醒したばかりの俺の意識は再度暗闇に落とされたのだった。

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