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明日ハレル

作者: 今井キマリ

明日はいい天気だといいね。


雄也が美春にそう言ったのは


雨降りがひどい夏の午後だった。


雄也が美春と結婚したのは二年前。


雄也にとっては二回目の結婚だった。


鈴子が亡くなってからは


雄也は本当に地獄だった。


仕事が忙しくなり


帰りの遅くなる日々。


鈴子は作っておいた夕飯を


深夜でも温めてくれた。


でもいってしまった。


理由はわからないが


若年性の心臓発作で


24という若さでいった。


美春に出会うまで


ひたすら仕事をした。 


"妻はいない。"


"一生一人だな。"


その生活に慣れた頃


美春をカフェで見た。


鈴子に瓜二つの美春に


戸惑いもせずに性急に


声をかけたのは


雄也だった。


雄也はその日のうちに


正直に伝えた。


"亡くなった妻に似ている。"


美春はたじろぐどころか


雄也の瞳をみて


"なら結婚前提のお付き合いをしませんか。"


と雄也に伝えた。


デートを重ねて結婚。


雄也の両親も鈴子の両親も


喜んでくれた。


美春の両親もだんだんと


娘の覚悟を受け入れた。


今、美春のお腹には女の子がいる。


美春は大雨の空を見て言った。


"明日晴れるといいね。でも雨でもいいわ。


家族が幸せならなんでもいいわ。"


雄也は密かに想う。


"鈴子、僕は今幸せです。"





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