これは正しさを問う物語-04
『報告書0625』
この報告書は最重要機密事項とし、大臣クラスの許可なしに閲覧することを固く禁ずる。
さて、今回起きた事件は、ここ数か月同盟国の中で起こっている『転生者殺し』と同一犯であると思われます。
今回被害にあった『勇者』織戸浩人氏は、本国では勝てる者がいないほどの強力な魔術師でありましたが、それを撃破となると、犯人は間違いないかと。
また、被害者と同行していた女性の証言によりますと、白と黒の入り混じった髪、白い肌、身体的特徴からしても、情報は確かなものかと。今後、女性のメンタルケアと並行してさらに調べていく方針です。
一連の情報は既に各国に滞在しております『転生者』に既に報告しており、今後目立つ公は控えるようにと通達を出しております。しかし、これに関しては効力は無いかと。
また、一般市民に対してですが、一連の事件は犯行前に必ず『人払い』の結界を張っておりますので、おそらく『転生者』に狙いを絞ったものであると判断できます。よって、一般市民には警戒を促す程度にとどめてもよいかと。
最後に、一連の犯行の主犯は魔王軍にも関与している可能性があり、今後『転生者殺し』が起こるようであれば、何かしらの対策が必要であることを提唱させていただきます。