八話
「なるほど」
姉貴は確か人間よりの妖怪だって父さんが言ってたなあ。昔、姉貴が不思議がって父さんに聞いた時に一緒に聞いた
なんでも、我が風谷家には、時々いたち姿じゃない子供が産まれるらしい。
妖怪と人間の間には、ほぼ妖怪(といっても半妖)が産まれくる。ちなみに、例外もあってその場合、妖力の高い人間の子供か、先祖返りして先祖にいる妖怪と同種が産まれてから
その例外にうちは入らず、風谷家はそういう家なんだ、と全く説明になっていなかったが父さんは言ってた。
「わけだけど、そういや、風谷家ってそういう家系だったね?」
「ええ。おっしゃる通りです」
三枝さんもそれは既知のことであったようで忘れてたことに対してケラケラ笑っていた。自分で博識と言っていたが案外、それは本当かもしれない。
「最近、忘れっぽくなってきていけない」
「まだ三枝くんはそんな歳じゃあ無いでしょう」
「うん。そうだね。まだまだ妖怪の中では若い方だものね、私達は」
「そうよ。そうよ。まだ、物忘れするような歳では無いわ!わたし達は」
「そういや、天音ちゃん」
三枝さんは改まって天音さんに何か聞く。
「何?」
「辻斬りに切られて入院したって聞いたけど、傷大丈夫?」
「「「「え?」」」」
三枝さんから驚きの発言が飛び出したことに対して俺たちは、驚きを隠せなかった。一番驚いてたのは、実の姉のような関係の秋だ。
「あれ?天音ちゃん伝えてなかったの?」
「姐さん、俺は親父から骨折って聞いてたんだけど…辻斬り?」
秋は三枝さんから伝えられた事について問い詰める。
「ええ、私から会長に若に伝える時には、骨折って事で頼んでたんだけど…三枝くん?」
「ありゃ、言っちゃダメなやつだったか。ごめん、天音ちゃん」
「あーもう。どじったことにしようとしたのに」
「天音さん…斬られたの?」
次は、姉貴が問う。
「ごめんね。杏香ちゃん。心配させたくなかったから」
姉貴は普段、問い詰めると気迫が出るから、あまりそうならないように抑えてるが斬られた事を黙ってたことに対して怒っているからか抑えらなさそうになっている。
「姉貴ストップ。抑えて」
「うん…ありがと恭介」
なんとか、抑えられた姉貴は、深呼吸する
ちょっと時計を見たら、もう6時近くになっていた「みんな、さっき言った通り辻斬りが出て危ないから、もう帰りなさい」
「そうだね。もう少し遅くなる時間だからまだ明るい時間に帰ったほうがいいよ」
「わかりました。それでは、怪我お大事に…」
「うん。またね。若、恭君、杏香ちゃん、光ちゃん」
俺たちは、天音さんに挨拶して、部屋から出て普通に帰った。