六話
部屋を、出たは良かったがトイレの場所が、わからない……
家から中学へ向かう時に気づいた、自分は方向音痴だということに。そのこともあって、しょっちゅう迷子になる。ショッピングモールでもトイレは一人で行けない。
今日も、いつも通り迷っている。
「うおっと。失礼」
そう言って横に地味な浴衣?の男性がいた。
「すいません。トイレの場所知りませんか?」
「え?えっと、君、ちょっと後ろ見てみて。」
後ろを振り返ったらトイレの看板があった。
あえて、もう一度言おう、振り返ったらトイレの看板があった。
彼は苦笑しながら言った。
「君、もしかして、方向音痴?」
「……はい」
「早く行ってきなさい」
「すいません、ありがとうございます」
そう言って俺は、我慢していた尿意を拭う為急いでトイレへ向かった
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数分後……
俺がトイレを終えて外に出てくるとさっきの男性がいた。
「あれ?どうかしたんですか?」
「君って妖怪でしょ?」
「えっと、はい。そうですけど、それが?」
「ちょっと案内して欲しいことがあってね」
「何ですか?」
「高頭 天音って人が入院してるところってどこかなって思ったけど、君、場所わかる?」
なんと、この男性、天音さんの知り合いだった。
「天音さんの知り合いなんですね」
「お、君、天音ちゃんの知り合いか(この子自体はハズレだけど一応当たりだな)」
お、なんか言った
「なんか言いました?」
言ってたって絶対!多分余計なこと!
「ところで、君の名前は?」
「風谷 恭助です」
「あ、かまいたちの風谷ね」
「わかるんですか?苗字だけで」
「ああ。私、博識だから」
自分で、言っちゃってるよこの人。ちょっと怪しいよ
「あ、私が名乗ってなかった。私の名前は三枝」
「三枝さんですね」
「そう。っで、案内してもらえる?」
「案内、というか、一緒に行きましょうか」
「良かった。じゃあ行こうか、恭助君」
そう言って俺と三枝さんは迷子になりつつ途中で見つけた最初に天音さんの部屋に連れてってくれた看護師さんに聞いてやっと天音さんの部屋の前についた。
その間は天音さんとどうあったかだとかあと、狭間についてちょっと聞けた。
狭間は通常世界の何倍も妖力が濃いらしい。だから、妖怪を治療する上ではぴったりらしい。
天音さんと会った経緯は天音さんが三枝さんに喧嘩ふっかけたのを三枝さんが口で止めたらしい。
それで色々あって今も仲がいいらしい。
「三枝さん、先入りますね。」
「お願いね。君の友達もいるんだろうしそっちがいいと思うよ」
『コンコン』
「入っていいよ〜恭君!」
ノックしたら、そう返ってきた。