四話
総合病院へは学校に行く時と同じバスを使った
病院到着後……
俺たちは病院の前で待ち秋は病院に天音さんの部屋を聞きに入った
数分待っていたら秋は戻ってきた
「遅かったな秋」
「天音さん一応妖怪だから院長が部屋を分けてくれたらしいんだけど普通の人に聞いてもわかんないし聞き出すのに苦労したよ…」
「そういうことか。で、何合室だって?」
「5階の部屋だって」
5階?この病院、そんな高く無いぞ。それに5階なんてなかったと思うが……
「秋、この病院には5階は無いぞ」
「え!?マジで?じゃあ……どこにあるんだ?」
「狭間にあるのよ」
「うわ!姉貴、静かだと思ってたらなんだよ」
姉貴がずっとだんまりだったところでいきなり一声あげたので俺たち3人は思わずピクッとなった
「さっきから一緒に居たのに驚くなんて失礼ね。寝てただけなのに」
「京香さん、その狭間って何ですか?」
「そうだよ、京香姐。なんだ?その、狭間って」
学校ではないので光輝と秋は副会長呼びをやめて姉貴を普通に呼ぶ
「はあ、恭助、説明してあげて。私その間ちょっとトイレ行って来るから」
「え、あ、了解」
そう言って姉貴は病院の中に入って行った
光輝と秋の方に視線を戻すととても興味有りげな顔をして俺を見ている
「恭助その狭間ってなんだ?」
「早く教えろ恭助」
「わかったからちょっと座ろうぜ」
「そうだな」「ああ」
向かい合って座れる机付きベンチがあったからそこに座った
「狭間ってのはな、要するにゲームの裏世界みたいなもんだ。」
「そうか…それだけ⁉︎」
「なるほどな……この病院にそんなものがあるなんて知らなかった…」
「光輝はこれでわかんのか?」
「ああ、わかるぞ簡単に言ってくれたじゃないか」
「ほかになんかないのか?恭助」
「重力も普通だし、そこら中に溶岩とか無いし変な霧も無い現実世界とほとんど変わらないぞ」
「夢がないなぁつまんねーなあ」
「お前本来の目的忘れてないか?」
「恭助、説明終わった?」
またいきなり姉貴に話しかけられた
二度目はさほど驚かない
「終わったよ」
「じゃあ早く行きましょ」
その時この時期にはあまり感じない寒い風が吹いた
「ん? ぐわっ」
いきなり襟を掴まれた
息が少し苦しい
「痛いし苦しいわ姉貴」
「早く行くわよ恭助」
姉貴は俺の襟を離して小走りで歩いてった
不思議な感じを覚えたが着いてった