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やりたい事をやる為に A.S集  作者: 千月 景葉
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ミラベルのひとりごと

アタシはミラベル・シェルビー。


今5才。


家族からはスッゴくおませな子だって言われてるわ。


この間初めてお会いした騎士のテオ様なんて、アタシの事天才だとまで言ってたし。


……少し話盛りすぎた。


5才とは思えない位優秀だ、だったわ。


ライリーお兄ちゃんはマジで天才だと言われてたけど。


ま、それは良いとして。


“黒き森”の奥にある家に住んでるの。


父さんの仕事が“黒き森”の管理人兼守人だから。


“黒き森”はとても大事な森だから、この森のあるシェイロ村の長、ジェラルド様がアタシの父さんに守ってくれと頼んだのよ。


アタシの父さん、ガルシア・シェルビーは都で騎士をしていた事もある人で、とっても強いの。


それにとっても優しくって、めちゃくちゃ格好良いんだよ!


おまけに背も高くって、家のことだって何でも出来るんだから。


だからジェラルド様は、アタシの父さんに騎士を辞めて大事な森を守ってほしいってわざわざ頼まれたんだよ。


他にも騎士はいっぱいいらっしゃるのにね。


流石アタシの父さん!


ジェラルド様も長だけに、流石見る目がおありになられるわ。


まぁそういう訳で、アタシは生まれたときから“黒き森”に居るんだよ。


ここ以外では、麓のシェイロ村の雑貨店位かな、行ったことあるのは。


実はアタシとアタシの兄弟以外には子供ってシェイロ村に居ないんだよね。


あ、待って。


そういや1人雑貨店のお姉ちゃんが居たな。


でもアタシ達より大分年上だった。


確か12才だったよ。


州都に行儀見習いに行くって言ってたから、もう今は村に居ない筈だし。


あのお姉ちゃん以外は子供に会ったことない。


でも寂しくなんかないよ?


アタシには兄弟が居るもん!





まずアタシの家族を説明するね。


さっき話した父のガルシアと母のコレット、兄のライリー、弟のコリンの計5人家族なんだけど。


でも今は違うの!


1年前に妹が出来たんだ!


だから今は6人家族だよ。


妹はクロエって名前で可愛いんだよ~!


あ、弟のコリンも可愛いよ?


ただコリンは凄いイタズラっ子なんで、面倒見るのが大変なんだよ。


もう3才なのにオムツ取れないし。


甘えただから、愚図ると長いしね。


大変だよ、ホントにあの子は。


その点クロエは全然手が掛からないの。


いつもニコニコ笑ってるし。


アタシには兄弟は居ても姉妹って居なかったから、クロエが妹になってくれてスッゴく嬉しかった!


あ、今の言葉でわかる?


そうなの。


クロエは母さんの生んだ子じゃないの。


クロエのお母さんは、ジェラルド様の娘であるアナスタシア様なの。


……内緒だよ?


絶対言っちゃダメなんだ。


でも勘違いしないで!


アナスタシア様がクロエを嫌って棄てたとかじゃないからね!


アナスタシア様、クロエのことメチャクチャ大好きで凄く可愛がってるんだからね!


だってそりゃそうだよ。


会えばわかるけど、クロエってホントに良く笑う子で顔も可愛いし、それにアナスタシア様に似てるからきっと将来は凄い美人になると思うよ。


でも、クロエには“黒き森”で隠れなきゃならない事情があるのよ。


だから、ウチの子になったんだ。


……ジェラルド様もアナスタシア様も辛かったと思う。


勿論クロエ自身は赤ちゃんだし知らないんだけどね。


でもあの子赤ちゃんなのに、ビックリするくらい賢いからなぁ。


絶対いつかバレそうな気がするんだよね。


父さん達もそう思ってるみたい。


でもクロエなら、きっとわかってくれるって皆思ってる。


まだ赤ちゃんなのに、何でそんなこと分かるのかって聞きたいでしょ?


マジであの子、信じられない位賢いんだよ。


多分ね、オムツも1才過ぎたら外れるよ、クロエは。


だって生まれて半年くらいで、オムツ汚れたら泣いて教えられるようになってたんだよ。


それも恥ずかしそうにするの。


オムツ替えたら、いつも頭下げて何かお礼言われてる気がするのよ。


だってホントにそう聞こえるんだよ。


アタシ信じられなくて、母さんに言ったの。


そしたら母さんもそう思ってたって言うからビックリした。


なら父さんもお兄ちゃんも絶対気づいてる。


……ね、信じられないでしょ?


あの子は歩けるようになったら、直ぐにオムツは外してあげようねって家族で決めたんだ。


可哀想だもの、恥ずかしがってるし。


……コリンも見習ってほしいよ、全く。


コリンは全然悪いなんて思ってないよ。


だってオムツがグッショリなのに、教えてくれないで逃げまくるだけなんだよ!


何で教えてくれないの!ってアタシ達が叱ると膨れて

「わかんないもん。知らないよ!」

だよ。


因みにね、アタシもお兄ちゃんもオムツが外れるの早かったって母さんが言ってたんだ。


まあクロエ程じゃないらしいけど、1才半には取れてたらしいわ。


二人とも手が掛からなかったんだって。


クロエは更に早いから凄いよね。


……だからコリンが余計に目立つ。


本当にわからないならそれはしょうがないんだけど。


母さんが言うには一人一人分かる様になるまでの期間は違うらしいから。


早い子も遅い子もいずれはオムツを卒業するからって。


でもね、アタシが思うにコリンは絶対もう分かってる!


あの子は面倒臭がりだから、オムツ替えて貰った方が楽って考えてるんだよ。


残念な方向に妙に賢いのが情けない。


濡れてるのを我慢する方がキツいとアタシは思うんだけど、コリンはどうやら“構ってちゃん”タイプみたいだから気にしてないみたい。


そんな我慢強さは要らないっての!


ホントに大変な弟だよ。


でもあの子、クロエがオムツ外したら絶対焦るよ?


実はそれを狙ってるんだよね、アタシ達。


クロエに頼っちゃうけど、そこは“妹”として頑張ってもらうの。


まあクロエは頑張らなくても、早く外したいって思ってる筈だから気にしないだろうしね。


だからクロエが早く歩けるようになるのを皆心待ちにしてるんだ。


出来の良い妹が居てホントに助かるよ!






この前ジェラルド様が視察に来られたの。


1年に1度は必ず来られるんだけど、いつもいっぱいお土産を下さるのよ!


お優しいの、とっても!


その視察にアナスタシア様も同行されてこの地に来てくださったのよ!


アタシあの時初めてアナスタシア様にお会いしたの。


凄く凄くお綺麗だったわ~!


都の洗練された貴婦人ってホントに素敵…。


都のお話もしてくださったし。


アタシいつかきっと都に行くの!


それがアタシの夢。


“黒き森”も“守るべき地”も大好きだし、ここの生活に不満は無いけれど、やっぱり1度は華やかな世界も見てみたいのよね。


いつかどこかの貴族のお屋敷で行儀見習いとしてきっと都に行くわ!


そうだ、ジェラルド様にお願いしてみようかな。


きっと良い方法を教えてくださるわよね!


あ、そうだ話が逸れた。


その時ね、ライリーお兄ちゃんが騎士にならないかってジェラルド様に誘われて、お兄ちゃんが頷いたの。


2年後にお兄ちゃんは都に行くのよ。


寂しくなるけど仕方ないわよね。


お兄ちゃんは妹のアタシから見ても凄いし。


お兄ちゃんなら騎士に絶対なれるわ。


でもいつか“黒き森”に戻ってくるって。


“守人”になりたいからって言ってた。


それまでは父さんが居るしね。


だから応援するんだ、アタシ。


正直お兄ちゃんが居なくなるのは辛いけど。


お兄ちゃんが決めたことだから、出来る妹は応援してやらなきゃ!


……それまでにコリンを鍛えなきゃ。


お兄ちゃんの代りなんて絶対無理だけど、少しは役に立つ弟になってもらわなきゃね!


……だってクロエを守らなきゃ。


何としても。






あ、そろそろ勉強の時間だ。


ディルク先生の小屋に行かなきゃ。


又お話してあげるね!


じゃ、またね!

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