進め!!新田剣丞
語り手視点
四聖獣に捕らわれた久遠を救うため四聖獣の本拠地である四重の塔に乗り込んだ剣丞と金柑仮面
そこで彼らは一階を守る玄武と遭遇し、戦いとなり、玄武の隙をついた剣丞が玄武目掛けて刀を振るうが
ズバァンッ!!
玄武「ぎゃあぁーっ!? 」
剣丞「よしっ!! 」
剣丞の一撃は玄武の体を切り裂いたのだが
スウゥッ!!
剣丞「なっ!? 」
切り裂いたはずの玄武の体がすぐにくっついてしまった。
剣丞「何が… 」
不思議がる剣丞
だがそのせいで
金柑仮面「剣丞殿! 」
剣丞「へっ? 」
ドカァッ!!
剣丞「がっ!? 」
戻ってきた玄武の鎖鉄球に気づかず、剣丞に激突した。
金柑仮面「剣丞殿!! 」
剣丞「何故だ!?確かに奴を切り裂いたと思ったのに!? 」
玄武の体には傷どころか血さえ流れていなかった。
玄武「わいの体は水でできてましてな、そないな攻撃ごときが通用するかいな 」
剣丞「成程な… 」
切ることができない水にダメージを与えられるはずがなかったのだった。
玄武「ほな、次はこっちからいかせてもらいまっせ! 」
ブォンブォンッ!!
玄武は鎖鉄球を振り回すと
玄武「そりゃっ!! 」
ブォンッ!!
バシャンッ!!
鎖鉄球を剣丞達ではなく、水が流れている壁目掛けて繰り出した。
剣丞「何やってんだあいつ? 」
金柑仮面「さぁ? 」
そして二人が油断したその時
シュルシュルッ…
金柑仮面「んっ? 」
金柑仮面は何かの音がするのを察知したと同時に
シュバァッ!!
剣丞の後ろの壁に流れている水から玄武の鎖鉄球が繰り出された。
金柑仮面「剣丞殿!! 」
ドンッ!!
剣丞「うわっ!? 」
金柑仮面は剣丞を突き飛ばし
ドカァッ!!
金柑仮面「がっ!? 」
剣丞「エーリ…金柑仮面!? 」
剣丞の代わりに自身が鎖鉄球を食らった。
剣丞「何で鎖鉄球が後ろから繰り出されるんだよ!? 」
剣丞が不思議がっていると
シュボッ!!
繰り出された鎖鉄球が壁の中に入ると同時に
パシィッ!!
玄武の手元に鎖鉄球が戻ってきた。
玄武「驚いたやろ。わいの鎖鉄球は水の中を自由に動けるんやで 」
それはすなわち
剣丞「周りが水で囲まれてるこの舞台じゃ有利ってわけか!? 」
剣丞達には鎖鉄球が何処から繰り出されるのかわからないが玄武にはわかっていた。
玄武「そういうこっちゃ!大人しく殺されるがええで!! 」
ブォンブォンッ!!
次なる攻撃を繰り出そうと鎖鉄球を振り回す玄武
するとその時
玄武「んっ?朱雀様、何ですか? 」
玄武の頭の中に朱雀からの念波が流れてきた。
玄武「ほうほう 」
剣丞「奴め、朱雀と一体何を話してるんだ!? 」
念波は互いでしかわからない会話なため剣丞には一切聞くことができない
そして
玄武「新田剣丞、朱雀様からの通達や 」
玄武は鎖鉄球を振り回すのをやめると
パチンッ!!
指を鳴らし
玄武「お前だけ次の階に行けや 」
ザアァッ…
水で隠れていた通路を出現させた。
剣丞「何だと!! 」
玄武「朱雀様は一対一の正々堂々がお好きでな、お前だけ次の階に行けや 」
剣丞「ふざけるな!!俺だけ先に行けるかってんだ!! 」
先に進むのを拒む剣丞であったが
金柑仮面「剣丞殿、先に進んでください 」
剣丞「エーリ…金柑仮面 」
金柑仮面「久遠様を救えるのは剣丞殿だけです。私のことは気にせず、玄武の相手は私に任せて先をお進みください 」
金柑仮面にそう言われ
剣丞「エ…金柑仮面、ありがとな! 」
ダッ!
剣丞は先に進むことにした。
玄武「しかし朱雀様の命令やからって、ほんまは先に行かせたくなかったんやが仕方ない、あんさんも不運やったな、新田剣丞一人だけやったらわいと戦ってわいに殺されずにすんだってのに 」
玄武が金柑仮面にそう言うと
金柑仮面「私を殺せると思っているのならばご心配なく、私はあなたに勝利しますから 」
スッ!
金柑仮面は得物を抜くのだった。