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さらば剣丞よ、久遠の決意

語り手視点・久遠の屋敷


本来ならば今日、ここで剣丞と久遠の祝言が行われるはずであったが…


剣丞「・・・ 」


剣丞が一人、黙りながら縁側に座っていた。


転子「お頭、まだ黙ったままだね 」


ひよ子「そりゃ、あんなことが起きたら黙りたくもなるよ 」


実は三日前、こんなことが起きたのだ。




剣丞視点・三日前


朱雀「さて新田剣丞、次はお前だ 」


妙な技で白虎の腕を切り落とした朱雀が次の標的を俺に決め迫ってくる。


朱雀「滅びるがよい 」


もうこれまでか!?


と、俺が思ったその時!


久遠「朱雀殿、待ってくれ! 」


久遠が俺の前に立った。


すると


久遠「朱雀殿、お主は我を我が嫁にふさわしいと言ってくれたな!ならば我と祝言を挙げようではないか 」


久遠はとんでもないことを言い出した。


剣丞「なっ!? 」


久遠「翌々考えてみればこの男はすぐに他の女に目移りするし、肝心な時にヘタレの最低な男だ。そんな奴と祝言を挙げようだなんて我が間違っていたのだ 」


その通りだから言い返せないぜ!?


久遠「なので朱雀殿、我と祝言を挙げるためにこの場は退いてくれぬか! 」


久遠が朱雀にそう言うと


朱雀「信長殿がそうまで言うのならば祝言を挙げるためにこの場は去るとしよう 」


大人しく去ることに決めた。


朱雀「では信長殿、共に我の居城へ向かうとしよう 」


バサァッ!!


羽を広げ、久遠を抱こうとする。


剣丞「だ…ダメだ久遠!い…行くな!? 」


俺を救うために自分を犠牲にしようとする久遠を俺は止めようとするが


久遠は俺の方を向くと


久遠「さよならだ。剣丞 」


俺にさよならを告げ、朱雀に抱かれる久遠を俺は黙って見ているだけしかできなかった。


朱雀「帰るぞお前達、我はこれから祝言の準備をせねばな 」


青龍「ハッ! 」


玄武「承知しましたでまんねん 」


朱雀に青龍、玄武がついていくなか


白虎「す…朱雀様!? 」


腕を切り落とされ、泣きながら白虎が朱雀に近づいた。


白虎「こ…金輪際二度と朱雀様を傷つけませんのでどうかお恵みを!! 」


白虎が朱雀に泣き叫ぶと


朱雀「仕方がないな 」


ブチッ!


朱雀は自分の羽を一枚抜き


朱雀「好きに使え 」


白虎「あ…ありがたき幸せ!! 」


白虎に渡し、切り落とされた腕につけた瞬間


にゅぼぉっ!!


何と!?切り落とされたはずの腕が蜥蜴の尻尾のように再生されて生えてきたんだ。


朱雀「では居城へ向かうとしよう 」


バサァッ!!


青龍達『ハッ! 』


シュッ!


やることを全て終え、朱雀達四聖獣は久遠を連れて去ったのだった。


剣丞「く…久遠ーっ!! 」


去り行く久遠に向かって名を叫ぶ俺


ビュッ!!


ちなみにこの時、白虎の腕の治療に使われた朱雀の羽が風で飛ばされたのだが


この時の俺はまさかこんなことになるなんて知らなかったのだ。


これが三日前に起きた出来事だった。




語り手視点


転子「傷の方は曲直瀬べるしょーるさんがやって来たから治ったけど 」


ひよ子「さすがのあの人も心の傷までは治せなかったね 」


曲直瀬(まなせ)ベルショール…この時代における優秀な医者。剣丞いわく華佗さんに似て熱い性格


久遠が連れていかれたのは自分のせいだと自分を責め続ける剣丞


すると


壬月「えぇいっ!!いい加減にせぬか儒子(こぞう)!! 」


壬月が剣丞の胸ぐらを引っ張った。


壬月「久遠様を連れていかれたのはお前だけの責任ではない!!むしろ健闘したお前よりただ傍観するだけしかできなかった我々の方の罪が重い!!だからいつまでもくよくよするでない!! 」


壬月なりに剣丞を励ますが


剣丞「・・・ 」


剣丞は無言のままであった。


壬月「このたわけ者が!!一発殴ってやりたいがお前なんて殴る価値すらない!一生そこにいてろ!! 」


と剣丞に言い放って剣丞を離したあと、壬月は去るのだった。


ひよ子「壬月様… 」


壬月なりに剣丞を励ましたのだが剣丞は無反応であった。


するとそこへ


一葉「主様は大分重傷なようじゃな 」


転子「一葉様! 」


一葉が現れた。


ひよ子「どうしてこちらに!? 」


四聖獣が去ったあと、一葉、美空、光璃は剣丞を励まそうとしたが無反応であり、あまり長い間留守にするのもあれなので皆は各地に戻っていたのだ。


一葉「うむ、実は四聖獣という名を何処かで聞いたような気がしたので幽と共に古い書物を調べておったら四聖獣に関する文献があったため知らせに来たのじゃ 」


ぴくんっ!!


四聖獣に関する文献という言葉に反応する剣丞


ひよ子「それで奴等は一体!? 」


一葉「文献によると奴等は余の先祖である尊氏様よりも昔におったらしく、当時はかなりの力を持っておった 」


一葉「だが後に鬼が現れると同時に奴等は姿を消したという 」


そう


初期は空虚が封印を破ったため四聖獣が放たれたような感じであったが他に理由として鬼が剣丞達によって倒されたからである。


一葉「そして奴等の居城は余のいる京にあるという 」


一葉はそこまで言うと


一葉「どうする主様?久遠を救いに行くか?それともそのままじっとしておるか? 」


一葉のこの問いに


剣丞は…


剣丞「あぁ、久遠を救いに行く!そして必ず取り戻す!! 」


久遠を救いに京に向かうことを決めた。


ちなみにこの時


?「・・・ 」


何者かが剣丞を見ていたのだった。


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