祝言の乱入者
謎の人物の名と一味がついに明かされます
剣丞視点・久遠の屋敷
フフフッ!今日はついに俺と久遠の祝言
みんなも集まったことだし
麦穂「それではこれより久遠様と剣丞様の祝言を始めたいと思います 」
神父役をつとめる麦穂さんの司会で始まった。
そして紋付き袴姿の俺の隣には
パァッ!
白無垢姿の久遠がいた。
麦穂「新郎、新田剣丞殿、あなたは織田久遠信長様を嫁にすることを誓いますか? 」
剣丞「誓います! 」
麦穂「では新婦、久遠様、あなたは新田剣丞殿を夫にすることを誓いますか? 」
久遠「誓う! 」
天の国風に祝言が開始され
麦穂「よろしい。では誓いの接吻(口付け)を 」
口付けが言われると同時に
んーーっ…!!
俺は久遠に向けて唇を伸ばすと
久遠「いかん!忘れていた 」
サッ!
剣丞「ぐえっ!? 」
久遠は俺を避けてしまった。
剣丞「何を忘れたの!? 」
俺が久遠にそう聞くと
久遠「うむ、実は剣丞に弥助を紹介するのを忘れていたのだ 」
剣丞「弥助? 」
確か史実では元は宣教師の奴隷だが信長に珍しいという理由で家臣となったアフリカ系の巨大な黒人だったな
その姿は当時の日本では珍しく、世間ではまるで黒い牛のようだと言われ、弥助を一目見に人々が将棋倒しになるくらいだという
ちなみに西森も最近まで弥助の存在を軽く見ていた。
壬月「久遠様、弥助を連れてきました 」
久遠「おぉ、そうか 」
果たしてどんな巨大な人物かと思ったら…
モォ〜っ♪
人ですらなかった
剣丞「う…牛!? 」
牛のようだっていうか牛そのものじゃないか!!
久遠「我のかわいい雌牛の愛玩動物だ。ちなみに乳も黒いのだぞ 」
確かにそれは珍しいけどさ
誓いの接吻を中断して見せるものなの!?
するとその時だった。
兵士「ぐはぁっ!? 」
全員『! 』
突然兵士の叫ぶ声が聞こえ、皆がそちらを見てみると
?「やれやれ、我は殺生は好まぬ主義なのだが、そちらから向かってきたのだから仕方ないな 」
バァンッ!!
そこには赤髪で背中に翼を生やした人間離れした男がいた。
くっ!!
俺より本のちょっとだけイケメンなのがムカつくぜ!!
?「失礼。そちが織田信長殿か? 」
久遠「あぁ、そうであるが 」
奴は久遠にそう聞くと
?「ほぉ 」
シュッ!
剣丞「なっ!? 」
いつの間にか久遠の前に移動し
?「なかなかの美貌の持ち主ではないか、我が妻にふさわしい 」
チュッ!
久遠「えっ!? 」
あああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁーーーーっ!!
あろうことか、奴は久遠の手にキスしてきたのだった。
剣丞「テメェ!!俺でもそこまでしてないのにいきなり現れて久遠に何をしやがるんだぁーっ!! 」
ブォンッ…
俺は奴を殴ろうとするが
バチバチバチィーーッ!!
剣丞「うわっ!? 」
突然雷が発生し、俺がぶっ飛ばされると
奴の回りに…
?「この御方に対してなんたる無礼な 」
?「余程死にたいんやろな 」
?「つぅか、死刑確定だな 」
バァンッ!!
巨大な青い龍、尾が蛇の巨大な緑の亀、巨大な白い虎が奴を囲むように現れた。
剣丞「な…何なんだよ!? 」
すると
?「遅かったではないか青龍、玄武、白虎 」
奴は現れた龍達に対してそう言うと
青龍「申し訳ありませんでした 」
白虎「玄武の野郎、足が遅いもので 」
玄武「わいのせいかい!! 」
あの野郎、現れた龍達をまるで部下のように扱いやがって
剣丞「おい!テメェは一体何者だ!! 」
俺が奴に聞くと
青龍「貴様!この御方に対して無礼な!! 」
?「まぁよい青龍。人に名を尋ねる時は自分から名乗るのが人間の流儀だそうだが我から先に名乗ってやろう 」
偉そうにしやがって
朱雀「我が名は朱雀!誇り高き四聖獣の長である 」
奴は名を朱雀と名乗ったのだった。