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祝言前の事件

剣丞視点・久遠の屋敷


剣丞「フンフンフフーン♪ 」


今日は俺と久遠の結婚式♪ばっちり決めないとな!


そう思いながら俺は紋付き袴に着替えていると


ひよ子「お頭、久遠様の着替えが終わりましたよ 」


剣丞「おっ!マジっ!! 」


現代ならウェディングドレスなんだろうが当然戦国時代の日本にウェディングドレスなんてあるはずもなく


※ちなみに日本での初ウェディングドレスは1887年という説があります。


今の久遠は…


久遠「ま…待たせたな剣丞 」


バァンッ!!


白無垢(しろむく)姿であった。


剣丞「うほぉーーっ!!素敵だぜ久遠!ビューティフルだよ! 」


久遠「び…びゆてふる!? 」


いかんいかん!つい興奮しすぎてしまったぜ


剣丞「つまり、よく似合ってるってことだよ 」


今更ながら俺が照れながら言うと


久遠「そ…そうか、よく似合ってるか 」


久遠も照れていた。


このままいけばラブラブっぽい雰囲気が待っているのかもしれないが


?「ほほぉ、なかなかのイチャイチャではないか 」


後ろから雰囲気をぶち壊す声が聞こえてきた。


こ…この声は!?


一葉「まさか祝言に呼ばれてイチャイチャを見せられるなんてのぅ 」


美空「きぃーっ!!あの時グーを出していればよかったわ!! 」


光璃「そうすれば剣丞は光璃のものだったのに 」


やはりみんなであった。


一葉「まぁ、よいではないか。久遠が素敵と呼ばれるなら余達はきっと別のことを言われるに違いない 」


美空「そうね。それは楽しみね 」


光璃「期待してる 」


しまった!?もし三人の祝言の際、同じく素敵と言ったら睨まれる!?


四人でこれだから五十人以上と結婚した一刀伯父さんはもっと大変だったであろう。


俺は改めて伯父さんを尊敬した。


一葉「それじゃあ、余達は席におるからな 」


美空「久遠、剣丞、頑張りなさいよ 」


光璃「待ってる 」


そう言いながら三人は去っていった。


久遠「それでは行くとするか剣丞 」


剣丞「あぁ、そうだな 」


いかんいかん!今は久遠との祝言に集中しなければ!!


だがこの時、俺は気づいていなかったのだった。


この祝言が大変なことになることを…


その始まりは今から数時間くらいのことだった。




語り手視点・屋敷前


剣丞と久遠の祝言が始まってから数時間後


兵士A「今頃、剣丞様と信長様の祝言が始まってるんだろうな 」


兵士B「こんな日に受付係だなんて俺達ついてないぜ 」


屋敷前にて受付係を命じられた兵士二人が愚痴っていると


シュッ!


背中に赤い翼のある赤髪の美男子が空から現れた。


?「まったくあいつらめ、封じられている間に動きが鈍くなったか、我が一番乗りではないか 」


この光景を見た二人は


兵士A「な…なぁ、あの人、空から現れなかったか!? 」


兵士B「どうやら昨日飲み過ぎたらしい!? 」


前日にて剣丞と久遠の祝言ということで兵士達の間でどんちゃん騒ぎが発生し、酒を飲み過ぎたために幻覚を見たと思っていた。


すると


?「そこの人間、ちょっと聞きたいことがある 」


兵士A「はい!?何でしょうか!? 」


驚きながらも兵士が答えると


?「この屋敷にかなりの気が集まっているようだが、ここで武闘会でもやっているのか? 」


男がそう聞くと


兵士A「武闘会?プッ!ちょっと兄さん、何を言ってるんですか!?ここで祝言が行われるんですよ 」


兵士は笑いながらそう答えた。


?「祝言?誰と誰のだ? 」


兵士A「兄さん知らないんですか!?織田信長様と新田剣丞様の祝言ですよ 」


?「織田信長?新田剣丞?どちらも知らぬ名前だが、どんな人物だ? 」


兵士B「兄さん、二人を知らないだなんて何処の田舎から来たんですか!? 」


兵士A「いいですか、織田信長様はこの尾張(おわり・現在の愛知県)の領主でそりゃもう天下一の美女で有名な御方ですよ 」


少々オーバーである


兵士B「新田剣丞様は天の御遣いと呼ばれ、世を苦しめていた鬼軍を全滅させる程の実力者さ 」


男が話を聞くと


?「成程。それで鬼共が…(ぼそぼそ) 」


兵士A「兄さん、何をぶつぶつ言ってるんです? 」


?「いや、別に何でもない。それより信長はそれほどの美女か 」


兵士B「そりゃもう!全国の男が嫁にしたい女一番だよ! 」


?「成程… 」


話を聞いた男は


?「決めた。信長を我の嫁にする! 」


とんでもないことを口にすると


?「中に入らせてもらうぞ 」


強引に入ろうとするが


兵士A「ちょっとお待ちください!! 」


兵士B「今日の祝言は身内だけで行われるもので他の人は入れません!! 」


兵士達に止められてしまった。


?「我は今日より信長の夫となる。身内だろう? 」


兵士B「何を馬鹿なこと言ってるんですか!? 」


話が無茶苦茶である


兵士A「とにかく中に入れるわけには… 」


止めようとする兵士であったが


ガシィッ!!


兵士A「うっ!? 」


?「そういえば貴様、我に対して笑ってくれたな 」


兵士は男に顔をつかまれると


?「死ぬがよい! 」


ボオォッ!!


突然兵士Aが燃えてしまった。


兵士B「ひいぃっ!?な…何なんだお前!?まさか鬼…!? 」


?「この我を鬼呼ばわりか、貴様も死ぬがよい! 」


スッ…


兵士B「ひいぃっ!?だ…誰か!? 」


兵士は屋敷へ助けを求めに駆けるが


シュッ!


兵士B「ぎゃあぁーっ!? 」


ボオオォォーーッ!!


兵士は男が繰り出した赤い気弾を食らい、燃え尽きてしまった。


?「さて、邪魔者は消えたことだし、中に入るとしよう 」


邪魔な兵士達を退けた男はそのまま屋敷に入るのだった。


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