表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖人君子が堕ちるまで  作者: 澤田とるふ
第2章 傭兵団時代
33/204

ハーフエルフの想い

 最近、毎日がとっても楽しい。

 アレイフとミアとでパーティを組んで本当に良かった。


 ミアと2人の頃は簡単な仕事ばかりだったし、同じ傭兵団の人達ともこんなに話をすることはなかったかもしれない。

 傭兵団は人族が多い。

 当たり前か。


 私やミアはハーフのエルフ族と獣人族。

 人とは見た目も寿命も違う。


 さすがにこの傭兵団なら差別とかはないけど、それでも打ち解けられるかといわれたらそれは難しい。

 話はするけどそこまで仲良くはない。

 見た目は子供だし、どこか腫れものみたいな扱いをされていた気がする。


 ミアはああいう性格だから誰にでも話しかけるけど、私はどっちかというと話をするのが得意じゃない。

 よく言葉が足りないと言われるけど、人と話すのって難しいと思う。


 不必要な言葉は相手も迷惑?

 この言葉はなくても伝わるんじゃないか?


 話そうと思う言葉が口から出る前に、先に頭で考えてしまって、いらないんじゃないかと思う言葉を省いていくと結局言葉が少なくなる。

 私ならこれで十分だと思う言葉の量でも、他の人からしたら足りないらしい。


 だから私は人と話すのが苦手。

 私の伝えたいことがうまく伝わらないから。

 以前はミアとライラぐらいしか話し相手がいないぐらい。

 でも、最近はいろんな人と話すようになった。


 みんなアレイフが来てからだ。


 彼は本当にすごいと思う。


 私達とパーティを組んでから、自分よりずっと年上の人達とも対等に話をして、認められている。

 最近だと、私達が所属してるライラの部隊だけじゃなく、ブッチやチルのところからも頻繁に声がかかるし、他の部隊の人からも声がかかることが多くなった。

 なにより、ほとんど仕事をしていないように見える呑んだくれのナットまで、アレイフとは仕事に行こうとしていた。


 アレイフの魔法はすごい。


 彼がいるだけで怪我をする確率がグンと減るし、なによりほとんど一撃必殺ってぐらいの魔法を持ってる。魔力切れを起こすことも多いけど、そんなの大した問題じゃない。

 同じ風属性でも、ハーフとはいえエルフの私よりもずっとすごい。


 でも、それだけじゃない。

 みんな魔法の加護がほしいからアレイフを誘ってるわけじゃない。


 私には分かる。


 特に人族以外が多いナットやチルの部隊の人は違うと思う。


 嬉しいんだ。


 傭兵団の仲間ならもちろん差別はないけど、それはあくまで傭兵団の仲間だから。

 周りの目は違う。

 私やミアがフードを深く被っているのも、ナットがあまり外にでないのも、仲間以外の人達の目が怖いからだ。


 嫌なことを言われることもたくさんあった。

 理不尽に石を投げられたり、あからさまに避けられたこともある。


 大人はまだいい。思うだけで声に出さない人も多いから。

 でも、子供は違う。

 大人の対応を見て、子供は口にだして私たちに辛辣なことをいう。


 みんなそんな経験をしているから、子供は特に苦手なはずだ。


 だから傭兵団にアレイフが入ったとき、人族以外の団員はみんなすこし距離をとっていた。

 私はわかってたからなんともなかったけど、はじめて傭兵団にはいる人族の子供を見てみんな戸惑ってるみたいだった。


 でもすぐにわかった。

 アレイフは違う種族の私達にも普通に接してくる。


 ナットやチルの部隊の人達はきっとそれが嬉しかったんだと思う。

 大人はともかく、人族の子供とまともに話したことはなかったはず。

 まぁ私もなかったけど。


 それにアレイフはかなり面倒見がいい性格だから、泥酔して同じ言葉をひたすら繰り返しているナットの相手もちゃんとしているし、なに考えてるかわからないチルの部隊とも意志疎通できている...ように見える。

 私にはマネできない。


 依頼を受けて一緒に行動している間も、みんな昔よりよく話してる。

 そのおかげで私もいろんな人と話をするようになった。


 だから毎日が楽しい。

 休みの日もアレイフのいる孤児院によく行くようになった。

 ミアも一緒。

 あそこの子達はみんなアレイフみたいに素直で可愛い。


 このままいけば、いつか傭兵団でアレイフが副団長になる日がくるかも知れない。

 もちろん私とミアは同じ部隊で、その時もパーティを組んでいるはずだ。


 ミアは彼の背中を守るといった。

 じゃあ私は彼とミア2人の背中を守ろう。


 そして3人でいろんな任務をこなしていきたい。

 それはきっと、今よりずっと楽しいに違いない。


 私たちはパーティなんだから。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ