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愛の熱投

秋季大会初戦の

 地区大会の日を迎えた。 

 安田は、この試合に、

 西城を先発させた。 

 相手は、今の大村高校の力からすれば、

 普通に戦えば、勝てる相手だったが、

 安田は選手を集めて、

 「野球は最後まで何が起きるかわからない。

  とにかく、手を抜くな」

 とだけ言った。

 この新チームから、スコアラーとして、

 大塚由美子もベンチ入りする事になった。

 明るく元気で、野球もよく知っている

 由美子の存在は、チーム全体にも

 元気を与えた。


 

 試合が始まった。

 マウンドに上がった西城は、

 鬼気迫る表情をしている。

 雄介には西城の気持が手に取るように

 わかった。

 プレーボールが掛かると、

 西城はマウンドで一瞬、

 ボールを見つめて祈るような表情をしてから、

 投げ込んできた。

 雄介には、西城の投げる一球一球に

 熱い魂が乗り移って、

 雄介のミットに吸い込まれてくる

 ような気がした。

 子供の頃から、雄介と西城は、

 照子の応援を背に受けて野球をしてきた。

 この試合を現実に見ている照子の姿は

 なくても、

 雄介と西城の頭の中には、

 二人にだけしかわからない

 共通する照子への想いがあった。

 雄介の胸にも西城のボールを受けながら、

 熱いものがこみ上げてきた。

 

 この試合は、大村高校の打線も

 爆発した。

 特に一年生の三上が、

 ホームランを打つなど、

 大車輪の活躍をした。

 雄介は新チームになって、

 皆が成長しているのを

 実感した。

 

 終わってみれば、

 7回コールドで、

 7対0という

 圧勝の試合になった。 

 雄介は携帯電話で、

 母親の静子に勝利の報告をした。

 

 本格的な抗がん剤治療に入って、

 副作用に苦しんでいる照子も、

 雄介たちの勝利を心の支えにしている

 ようだから、とにかく頑張って、

 と母は雄介に言った。

 

 二回戦の日、

 安田は、田所を先発投手に起用した。

 公式戦の試合の中でも、二人を競い

 合せる事で、チーム全体を底上げ

 させたいという考えが、

 監督にはあるようだった。 

 この日は、相手投手の

 変化球で交わすピッチングに

 苦戦したが、

 三島や一年生の山口が足で相手をかく乱して、

 どうにか3点を奪った。

 田所が、その3点を守り抜いて、

 3対1で、どうにか大村高校は、

 ベスト8に勝ち進む事になった。


 

 準々決勝では、伊藤の話では、

 エースで4番を打つ

プロも注目している

 素材の選手という

 菅野がいる宮田高校が待ち受けていた。

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