最終話という名の辻褄あわせ
私は夢を見た。
……うん、あれはきっと夢だった。
気づいたらよくわからない空間にいて、目の前には金色に輝くタコ星人がいた。
「うっわ…かわいくない…」
言葉にだしてしまってから後悔した。
あれ?殺されるんじゃね?
そんな私を無視してタコ星人は私に話しかけてきた。
「えーと…桜紅葉だっけ?
タイムリープお疲れさま。おかげでいいデータがとれたよ。」
「……は?」
タコ星人が言うにはこうである。
地球人にランダムである一定以上のマイナスの感情を持つと1日前に戻ることができるという何とも都合のいい装置を植え付けたらしい。
目的としては、感情の研究だとか。
このタコは実はたくさんいて一つの意識を全個体で共有しているとかなんとか。
んで今回個体が増えてきたんでサイバー攻撃されたときに備えて意識を二分化するみたいな…(そんなことできるのか?)
だから二分化しても問題が起きないように研究してるとか…
1番の研究対象が絶望したときの感情らしい。
だからあんな装置を使ってるみたい。
装置が情報を記録してるからタコたちの体感時間にして1日でかなり膨大な情報を取得できるらしい。
私たちは実験人形か…
まぁ、そのおかげで助かったんだけど…
ちなみに私とかみやのタイムリープが重なったのは偶然みたい。
ランダムにって言ってたけどどれだけばら撒いたんだ…
「じゃぁ装置は返してもらったよー、ばいばーい。」
「また遊びにこいよー。」
気がつけば私はあやののベッドの上にいた。
あの後、私はあやのの家にお泊まりしていた。
隣ではあやのが寝息をたてている。
「…………」
私の誕生日が終わる1分前のお話。




