『大切なものは目には見えない』
星の王子様は皆さん知っていますよね。
フランスの作家、サン・テグジュペリ先生の名作です。
今更読み返して見たんですけどね。
アメイジングな名作ですね。奥が深作欣二過ぎます。
まず、星の王子様はね、自分の小惑星で、火山のすすを払い、美しいバラの花を、かいがいしく世話をしながら生活をしているのです。
この時点で驚いてしまいますよね。
王子の身分でありながら、やってることは召使か庭師と同等です。さらにいうと、星の王様も、星のお姫様もでてきません。
天涯孤独の独身の上、家来すらいません。
そうすると、ある疑念が生まれます。
王子は'自称'なんじゃないかってね。
まあ、王子様はちっちゃな子どもですから、子どもが純真無垢な心で‘おれはおうじなんだぞー’って言っちゃってるとすれば、それはそれでもう‘王子’でいいよ!ってな感じもしちゃうわけなんですけどね。
ちなみに、ちなみにですけどね、お姫様がでてくるのは、カレーのほうです。
カレーの王子さまと、カレーのお姫さま。
今は売ってないそうですね。‘星の王子様カレー’と間違えてしまったひとは、大体の年齢がバレてしまいそうです。
あのカレー甘くてね、僕めちゃくちゃ好きだったんですよね。
家族はみんなボンカレー派だったんですけどね。
どうでもイイですね。カレーは。
さて、ところで星の王子様。
王子はある日、バラの花とケンカしたのをきっかけに、他の星に旅立ちます。
地球にいたるまでに、6つの惑星を経由していきます。
この惑星のキャラクターがこれまた秀逸。
1.自分の体面を保つことに汲々とする王
2.賞賛の言葉しか耳に入らない自惚れ屋
3.酒を飲む事を恥じ、それを忘れるために酒を飲む呑み助
4.夜空の星の所有権を主張し、その数の勘定に日々を費やす実業家(絵本、新訳の一部ではビジネスマン)
5.1分に1回自転するため、1分ごとにガス灯の点火や消火を行なっている点燈夫
6.自分の机を離れたこともないという地理学者
(※ウィキペディアより抜粋)
恐らく、くだらなく、つまらない大人たちを風刺したものだと思われますが、身の回りにもこんなひとっていますよね。
1.自分の体面を保つことに汲々とする王
→お金持ちや社長さん、政治家なんかにこのテのタイプが多そうですよね。
2.賞賛の言葉しか耳に入らない自惚れ屋
→芸能人やアイドルにこのテのタイプが多いかもしれませんね。知りませんけど。
3.酒を飲む事を恥じ、それを忘れるために酒を飲む呑み助
→もはやなにやってんだよってツッコミたいですよね。クスリに逃げてしまうひとはこのテのタイプかもしれません。ミニにタコができそうです。
4.夜空の星の所有権を主張し、その数の勘定に日々を費やす実業家(絵本、新訳の一部ではビジネスマン)
→お金持ちや社長さん、政治家なんかにこのテのタイプが多そうですよね。デジャブですね。領土問題はめちゃくちゃ大事だとオトナは思いますが、子どもの目線からみたら、不思議でくだらないのでしょうか。考えさせられます。
5.1分に1回自転するため、1分ごとにガス灯の点火や消火を行なっている点燈夫
→もはや点燈することだけが目的となっていますよね。なぜ、この仕事が必要なのかを理解するつもりも毛頭ありません。オトナって、自分の仕事の目的や意味を見いだせないひとが多いですよね。僕もそうですけどね。
6.自分の机を離れたこともないという地理学者
→これまた机上の空論。自分の世界以外は認めないタイプです。いますよね、確かめもせずに、自分の持論だけをまくしたてるひと。絶対に友達にはなれなそうです。
さて、王子は7番目、これが最後になるわけですが、地球に降り立ちます。
ここで、主人公である、砂漠に墜落した飛行士に話を聞かせる。ってのが物語の根幹になるわけですが、地球に降り立った王子は、
高い火山を見、数千本のバラの群生に出会う。自分の星を愛し、自分の小惑星の火山とバラの花を愛おしく、特別に思っていた王子は、自分の星のものよりずっと高い山、自分の星のバラよりずっとたくさんのバラを見つけて、自分の愛した小惑星、火山、バラはありふれた、つまらないものであったのかと思い、泣く。
(※ウィキペディアより抜粋)
となるわけです。このシーン恥ずかしながら、もらい泣きしてしまいました。
王子は、草むらに突っ伏して泣き濡れるわけですが、何だか、胸に迫ってきて、本当に切なくなりました。いや、ホント冗談抜きに。
自分が大切に、大切に思っていたものが、ありふれたつまらないものだったなんて悲しすぎるじゃありませんか。
でもね、ここでキツネが現れます。
悲しさを紛らわせるために遊んで欲しいと頼む王子に、仲良くならないと遊べない、とキツネは言う。キツネによれば、「仲良くなる」とは、あるものを他の同じようなものとは違う特別なものだと考えること、あるものに対して他よりもずっと時間をかけ、何かを見るにつけそれをよすがに思い出すようになることだという。これを聞いた王子は、いくらほかにたくさんのバラがあろうとも、自分が美しいと思い精一杯の世話をしたバラはやはり愛おしく、自分にとって一番のバラなのだと悟る。
(※ウィキペディアより抜粋)
さらに、キツネは言います。
砂漠が美しく見えるのは、そのどこかに井戸を隠しているからだよ・・・
(※ウィキペディアより抜粋)
素晴らしすぎますよね。やっぱり、モノは同じでも、一生懸命愛したモノは、やはり自分にとっては特別な存在なのです。それで良いのです。
先日ですけどね、結婚している友人から、
「最近、嫁との関係がマンネリで、昔みたいに愛せないんだ。特に子どもが生まれてからは、どこにでもいる母ちゃんみたいになってしまってさ」
と、悩みの内を告白されました。
僕はちょうどこの名作を読み終えたばかりだったので、こう言いました。
「たとえ君の嫁がどこにでもいるありふれた母ちゃんみたいな存在でも、君にとっては、一生懸命愛した特別な存在だろう」
「まぁ、昔はそうだったけどさ」
僕は得意気にいいました。
「砂漠が美しく見えるのは、そのどこかに井戸を隠しているからだよ・・・」
すると彼が怒り狂って言ったのです。
「俺の嫁の肌は砂漠みたいにカッサカッサじゃないぞ!!!」
と。
やっぱりオトナって難しい、とつくづく思います。
さて続きです。
キツネと別れるときになり、王子は自分がキツネと「仲良く」なっていたことに気付く。別れの悲しさを前に「相手を悲しくさせるのなら、仲良くなんかならなければ良かった」と思う王子に、「黄色く色づく麦畑を見て、王子の美しい金髪を思い出せるなら、仲良くなった事は決して無駄なこと、悪い事ではなかった」とキツネは答える。別れ際、王子は「大切なものは、目に見えない」という「秘密」をキツネから教えられる。
(※ウィキペディアより抜粋)
でました。20世紀最大の名言!
キツネさんのセリフだったんですね。
素晴らしすぎます。
さっきの友人とのやりとりはすっ飛ばして、またまた感動のるつぼです。
別れは悲しいですが、思い出は美しいのです。
さて、なんやかんやあってラスト。
王子はヘビに噛まれることで自分の星へと旅立っていきます。
翌日、王子の身体は跡形もなくなっていた。「ぼく」は王子が自分の星に帰れたのだと考え、夜空を見上げる。王子が笑っているのだろうと考えるときには、夜空は笑顔で満ちているように見えるのだが、万一王子が悲しんでいたらと考えると、そのうちのひとつに王子がいるであろういくつもの星々がみな、涙でいっぱいになっているかのように、「ぼく」には見えるのであった。
(※ウィキペディアより抜粋)
もはやなんだかわからないですが号泣です。
遠い遠い相手に思いを馳せるこの抒情的な描写に勝るものがあろうか。
ウィキペディアを引用しすぎましたが、本当にイイお話です。
あらすじに関しては、ほぼほぼ引用してしまいました。
さてさて、ここまで読んでいただいた方の中には、ある疑問を抱いた方もいらっしゃったかも知れません。
『コイツ、ウィキペディアだけ見て感動しやがったな』
と。
でも、その疑問お持ちの方々には、声を大にして言いたい。
そんな疑念どうでもイイじゃないか、と。
なぜならば、
『大切なものは目にみえない』のですから。
本当に一度読んでみてくださいね。
間違いなく純粋な感動に出会えるはずです。多分。