下手な積み木
あか、あお、きいろ。
まる、しかく、さんかく。
あれ。
積み木がうまくできない。
うまく積めないなあ。
いつも途中でばらばらになっちゃう。
おおきく、たくさん、たかく積みたいのに、できない。
一体どうしてなんだろう。
お父さんとお母さんは、方角を正確に皆に教えるっている、何だかすごい仕事をやってるから、あそんでくれないんだ。
だから、積み木なら一人で遊べると思って、ためしたのに。
二人に負けない頭のいい子として、積み木みたいなシンプルな遊びでも、すごいものをつくってみせようって思ったのにな。
カラフルで大きなお城とか、とてもたかいドラゴンとか、作りたかったのにな。
なんかいやってもバラバラになって、くずれて、どっかにとんでいっちゃったり、くっついて離れなくなっちゃう。
どうしてうまくいかないのかな。
そういえば、お父さんたちのお仕事の部屋にあった、カラフルでいろんな形をした石、もってきちゃったけど。
この間誕生日にもらった玩具の積み木と違って、動き回るな。
「開発部長、方角を示すアイテムの開発、なかなかうまくいきませんね。いろいろな成分を錬成して足したり、様々な形に変えて試しているのですが、どうにも……」
「そうだな。先は長そうだ。でも、みんなのためだ。頑張ってつくりあげないと」
「あれ、机の上にあった部品がいくつかなくなってるような」




