嫌い
特級Aクラスの教室は、ホールと同じく豪華な内装だった。周囲には、この国を実質的に動かす若きエリートたちが集まっている。
ルアフィナは、挨拶もそこそこに、アンナから離れた席を選んで座ろうとした。
「ルアフィナ嬢、君はそこの席だ」
王太子がルアフィナの目の前の席を指差した。アンナの隣、つまり、王太子殿下の真後ろの席だ。
「なぜ、でしょうか。わたくしは子爵令嬢、同じ特Aクラスといえど、王太子殿下とは身分に大きな差がございます。大変光栄なことではありますが、わたくしが王太子殿下の後ろに座るなど恐れ多く…」
そう言うと王太子はニヤリを笑みを浮かべこう言った。
「その王太子が許可しているのだ別にいいだろう?それと古き仲なんだ名前で呼んでくれと言ったじゃないか」
「シリウス様それは無理な願いですよ!私でさえ十年間懇願し続けて、四ヶ月前にようやくアンナと呼んでくれるようになったんだもの」
うわ、アンナまで入ったきた。もうここでなんか言っても折れないか…仕方ない、座ろう…
ルアフィナが席に着くと、クラス担任のオネェ様教師が入ってきた。彼女は先ほどの妖艶さもありつつ、真剣な顔で教卓を叩いた。
「はーい、皆さんご着席。あたしがこの特Aクラスの担任、サロメ・ド・フルールよ。まずは、みんな仲良くなりましょう。自己紹介ね」
よし、これでオネェ教師と呼ばなくて済むぞ、これからはフルール先生と呼ぼう…
「みんなは名前と得意魔法、あとはーなんか意気込みでもなんでもいいわ、さ、出席番号一番から!」
「はい、えっとアリナル・フィロ・ロロントです、爵位は侯爵で、得意魔法は雲です。意気込みは…今年中に、属性を第二段階の天気にするために、雷を極めたいですっ、これからお願いします」
するとフルール先生が少し驚いた様子で言う
「天気って、複合特殊属性同士を掛け合わせるものよね?あらぁ!さすが特Aクラスね、頑張ってね。さ、次の子お願いね」
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※ここで皆さんに多少わかりやすいように置いておきます。これらの属性は私の他の作品にもでます。
【属性魔法の段階】
第一段階:基礎属性
単一属性:火、水、土、風、無
複合特殊属性:樹(土+水)、氷(水+風)、雷(火+風)、雲(水+風)、毒(無+水)、光(火+無)、闇(無+土)…etc
第二段階:高度複合属性
複合強化属性:蒸気(火+水)、大地(樹+土)、荊棘(樹+毒)、天気(雲+雷)、溶岩(火+土)、霧氷(氷+風)、影(闇+火)、瘴気(毒+闇)…etc
純粋属性:炎熱(火の上位)、激流(水の上位)、暴風(風の上位)、岩石(土の上位)、神聖(光の上位)、暗黒(闇の上位)
第三段階:法則支配属性
複合変革属性:火山(溶岩+岩石)、災害(大地+激流+天気)、空間(光+影+空気)、虚無(正気+暗黒)…etc
唯一属性:太陽(火の最上位)、深海(水の最上位)、狂飆(風の最上位)、天体(土の最上位)、創造(光の最上位)、冥王(闇の最上位)
最終段階:法則歪曲属性
神々や高位精霊や魔導を極めたものが使用する、なんでもアリな世界。
特別段階:個人固有属性
ルアの時、アンナの愛、王族の統率、とある人の心、とある人の睡眠、とある人の猫…etc
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「うん、ありがとう、じゃあ次は、」
「はい、アルフォード・グリム・クローディアです。父上は公爵位を賜っております。得意魔法は氷。意気込みは、特にありませんが、この三年間で貴族の義務を全うすることを目標とします」
アルフォード・グリム・クローディア公爵令息。アンナの幼馴染グループの一角。整いすぎた顔面は、氷属性ゆえか、常に冷ややかだ。ゲームであれば、間違いなくクールなライバル役だろう。
「あら、アルフォード君は氷なのね、素敵!氷は水と風の複合特殊属性。第三段階の**霧氷(氷+風)**を目指すのかしら?クールな意気込みね、頑張って」
あいつは多分霧氷、いや、氷結が目的かな。あの人、アンナのキラキラに一番振り回されて、多分被害を受けてる気がするんだよね。いつも冷静なあいつの顔が崩れるところを見たときは爆笑してしまったよ。
「次は、ユーリス・レスト・エルヴィン君よ」
ユーリスは、長い緑の髪と、淡い薔薇のような瞳を持つ美青年だ。ルアフィナと近い花属性の使い手。幼馴染グループの温厚な癒し枠だが、その実、アンナの暴走に巻き込まれて一番苦労している。
「ユーリス・レスト・エルヴィンです。父は侯爵です。得意魔法は花です。意気込みは、皆さんが安心して学園生活を送れるよう、影ながらサポートすることです。」
「ユーリス君は花属性なのね!ルアフィナ嬢と同じ植物ね!花は樹の派生の複合特殊属性。優しくて、地に足のついたイメージね。サポート頑張ってね。次は、ルアフィナ嬢ね」
フルール先生に指名され、ルアフィナは立ち上がった。
「ルアフィナ・ローレ・ファラナントと申します。子爵の娘です。得意魔法は、樹です。意気込みは、この三年間、貴族としての義務と責任をしっかりと学ぶことです。皆様、これからよろしくお願いいたします」
周囲の生徒たちがひそひそと囁き合う。「子爵なのに特A」「かのレドラント嬢の幼馴染」「子爵にしては優秀」という声が聞こえた。アンナのおかげであまり私自身に注目が集まっていないみたい。
「ルアフィナちゃん、あなたの子爵だからと身分を言い訳にせず努力する姿は素晴らしいわ。次はロリアンナ・ルシート・レドラントちゃんね」
フルール先生は名簿を確認しながらそう言った。ついにアンナか
「はい、公爵令嬢のロリアンナ・ルシート・レドラントと申します。得意魔法は…全て、それなりに扱うことはできますが言うならば火と光が得意、です。意気込みは…友人と共に切磋琢磨し、楽しく学園生活を送ること、ですかね。みなさんこれからよろしくお願いします」
友人と口にした瞬間、こっちを見た気がするなぁ…
アンナが着席した瞬間、私に小さな声で話しかけてきた。
「ルア、どうかな?私ちゃんとできてた?」
「大丈夫、できてましたよ」
「そう?良かった!」
アンナは猫を被ることがちょっと得意なんだよね。でも長くは続かないからボロが出やすいんだけど、
「セリアーナちゃん、毒は扱いづらい属性だけど、あなたならできると思うわ。さてと最後ね、シリウス・レグルス・アウローラ君ね」
フルール先生がそう言った瞬間、教室が一瞬静かになった気がした。なんだろう、王者の風格というものだろうか、シリウスが立ち上がったとき、みんなが圧倒されたのだ。
「王太子のシリウス・レグルス・アウローラだ。得意魔法は統率と光。意気込みは、そうだな…私は公務などで学園に来れないこともあるが、皆との交流を通して、未来、私の王としての在り方を見つけたいと思っている。
「素晴らしい意気込みね、さぁ自己紹介を通してみんなのこと、少しはわかったかしら。次は特Aクラスの特徴について説明するわね」
フルール先生は咳払いをすると続けた
「まず、特Aクラスだけど、クラスは成績優秀者と人格優秀者のみが入ることができるわ。つまり、成績が落ちるとこのクラスには、いることができなくなるの。ただし、例外が二つあるわ。一つ目は、王族であること。シリウス君が先ほど言っていたように、公務などで学園に来れる時間が限られてしまうためね。ただ、普段の態度や公務への取り組み方などで判断される場合もあるわ。二つ目は、能力が突出している場合。ロリアンナ嬢のように、能力値が測定不能やSSを持つ者や、特別属性を持つ者は、その才能を保護することが国家の義務と見なされるため、成績の変動に関わらず、この特Aクラスに留まることが義務付けられるの」
うわ、じゃぁアンナと別のクラスになることは今後一切無理じゃないか。お前が成績が悪くなればいいじゃんと持った人、実家から「成績優秀であれ」公爵家から「アンナのぞばにいろ」と命令されてるんで無理なんですよね。あははは!
「まぁでもそれ以外の人は落第する可能性は全然あるわ。頑張ってね。それで、あなたたちこのクラスに入る前にネックレスを渡されたと思うのだけど…」
あーそういえばなんか渡されたな…?魔法の気配が凄いしてたから、何かあるんだろうとは思ったけど…
「あ、あるわね。それは魔道具で、あなたたちの成績をポイントとして可視化してくれるの。普段の授業態度やテストの結果、実技がポイントになって加算されたり減算されたりするわ。そのポイントが1000以下になると特Aにはいられなくなるの、今あるポイントは入試の結果と今までの社交界での評判などから評価してつけてあるわ」
私のポイントは…7890か、アンナは、うわ!11240!?やば、主人公えっぐ
「次は実技について説明するわね」
「特Aクラスは、座学以上に実技を重視するわ。特に、ダンジョンと魔物討伐ね」
ルアフィナの背筋がピンと伸びた。ついに、彼女が最も力を入れている分野の説明だ。
「この学園には、貴族の育成と経験値稼ぎを目的とした学園直轄のダンジョンが五つ存在する。難易度はHからSまであり、特Aクラスのあなたたちには、最低でも難易度Cランクのダンジョンを攻略できる実力が求められるわ」
「実技は、主にパーティを組んでのダンジョン攻略によって行われるけど、自分の能力敵にソロの方が楽という人は学園で試験を受け、合格すればソロでも攻略することは可能よ。学園側で推奨パーティを提示する場合もあるけど、基本は自由ね。」
まぁ、貴族だもんね、能力を過信した奴が死んだりしたら困るもんね。わかるよ
「それと、あなたたちが万が一ダンジョンを踏破したら、大量の報酬とポイントが贈与されるわ。そして貯めたポイントは学校内で使うことができるわ。寮の部屋を広くしたり、食堂で少しいいものが食べられたり、訓練場を貸切にできたり、学園生活が豊かになるわ。」
へぇ、いいじゃん。
「……さて、特Aクラスの最初の実技は、来週。最初の実技は、五つの学園ダンジョンの中で最も難易度の低いH〜Dランクダンジョンの『よろずの森ダンジョン』よ。そこで魔物討伐の基礎を学び、皆の連携力を試すわ。パーティを組むなり、ソロの許可を取るなり各自準備をしておくように。では、今日は解散とするわ」
「「はい」」
ふーさて、とこの後はどうしようかな…まずは、ソロの許可をとりにってから、あそこ行くか…
「ルア、話したいことがあるんだけど…」
「すみません、アンナ、私、今日は神殿に行く日なんです。」
「え?そうだったの?じゃぁ仕方ないかぁ」
「ふふ、アンナ、また明日会いましょう」
「そうだね…バイバイ」
ではまず教員室に行くとしますか
Side〈ロリアンナ〉
「ふふ、アンナ、また明日会いましょう」
「そうだね……バイバイ」
ルアが、教室から出ていくのを見送る。長い青銀の髪が揺れて、少しだけ寂しそうに見えた。
あぁ、やっぱりルアは今日も教会に行く日だったんだ。教会の用事はとっても大事なことって言ってたから、無理に引き留めちゃダメだよね!私は、席に座ったまま、ルアの姿が見えなくなるまでドアを見つめていた。ルアの背中、すごく頼もしくてかっこよかったなぁ。
「ルアフィナは、まだ神殿に通っているのか?」
不意に、後ろから声がした。振り返ると、そこにはシリウス様が座っている。銀の髪と紫の瞳が、面白そうに私を見つめていた。
「シリウス様!はい、でもそんなふうに言わないでください!ルアはとても熱心なんです。それに、神殿でたくさん勉強もしているんですよ!司祭様とも仲が良くて、本当に凄いんです!」
私が誇らしげに言うと、シリウス様は「ふぅん」と鼻で笑った。
「確かにルアフィナは昔から熱心でしたよね」
「アルフォード君!」
私の前に座っていたアルフォード君が話しかけてきた。昔から感情が分かりにくいんだよね〜
「それと、アンナ君は、来週の実技のパーティは決めているのか?」
「え?あぁ、まだです。特Aクラスの皆さんと仲良くなりたいので、まだ誰とも組んでいません」
「では、君さえ良ければ、私とユーリス、そしてルアフィナ嬢の四人でパーティを組まないか?」
「えっ!ルアと?あーそれは難しいかもしれないです。」
そういうとアルフォード君は少し驚いたように言った
「なぜだ?」
「ルアは昔から魔導省の人たちと一緒にダンジョン攻略をしていたし、樹魔法は範囲が広く足が取られやすいから狭い場所でのパーティーには向かないって言ってたんですよね。多分断られると思います」
「なるほど…最も付き合いが長い君がいうなら間違い無いのだろう、だとしたら後1人どうするべきか…」
「シリウス様、一緒にいかがです?」
私がシリウス様に声をかけると、シリウス様は、楽しそうな笑みを深めた。
「ロリアンナ嬢からの誘いとあらば、断る理由はない。喜んで君たちのパーティに参加させてもらおう」
Side〈ルアフィナ〉
教員室に入ると、フルール先生が書類を整理していた。
「あら、ルアフィナちゃんじゃない。どうしたの?もう帰ってもいいのよ」
「フルール先生、わたくし、来週の実技の件でお伺いしたいことがありまして。『よろずの森ダンジョン』のソロ攻略試験を受けさせていただきたく」
ルアフィナは単刀直入に用件を伝えた。この世界でアンナの影響を最小限に抑えるには、パーティを組まず、独立した行動が不可欠だ。
フルール先生は、ルアフィナのステータス情報を改めて確認し、驚きに目を見張った。
「ソロ?特Aクラスでいきなりソロを希望するなんて、あなたくらいよ。能力値を見る限り、あなたの実力は疑いようがないけれど……貴族としては、協調性も重要よ。特に、あなたはアンナちゃんの……」
「協調性に関しては、わたくしはすでに魔導省の外部協力員として、専門家チームと何度もダンジョンに潜っています。パーティでの立ち回り、連携、全て熟知しております。ただ、わたくしの樹魔法の特性上、森や洞窟などの狭いダンジョンや大人数での攻略は、周囲の邪魔になる可能性が高く、効率が悪いと判断しました。何より、ソロでのクリアこそが、真の実力の証明になると考えております」
ルアフィナは、アンナに言ったのと同じ、最もらしい建前を使った。実際は、万が一時属性や荊棘属性を使わなければいけない場面があったとき、誰かに目撃されないようにするためだ。
フルール先生は、しばらく沈黙し、ルアフィナをじっと見つめた後、ため息をついた。
「……いいでしょう。明日、午前中に実技試験を行うわ。内容は、学園訓練場の『魔力制御迷宮』の高難易度ソロクリアよ。合格すれば、ソロでのダンジョン攻略を正式に許可します。ただし、ペナルティとして、ソロ許可を取得した者は、パーティ組んでの攻略者よりも獲得ポイントが10%少なくなるわ。それでも構わない?」
ポイントが減ってもいい!ソロの自由には代えられない!
「喜んで、試験を受けさせていただきます。ありがとうございます、フルール先生」
ルアフィナは一礼し、教員室を出た。外はもう夕暮れだ。
よし、これで一つ壁を越えた。あとは、教会に行って、あいつらに会ってから、あ、あいつらのところにも行かなければ…
目的地は、街の中心にある光の神殿。アンナには「教会に行く」とだけ伝えたが、彼女が向かうのは、この国で最も格式高く、そして最も機密性の高い場所の一つだ。
神殿の厳重な門をくぐり、奥へ進むと、純粋な光の魔力が濃密に満ちた大空間に出る。そこには、数人の司祭が神事を執り行っていたが、ルアフィナの姿を見ると、すぐに彼女に一礼した。
ルアフィナは、神殿のさらに奥、一般人が立ち入ることのできない【神の祭壇】へと向かった。
『よくきたね、ルア』
『おい!前来た時からもう一ヶ月経っているぞ!遅い!』
『ルアフィナ、歓迎します』
「久しぶりですね、神様。そんなことより今日は創造神に用があってきたんですけど」
創造神は、制作と製作、全てにおいての創るという行為を司る神だ。
『…呼んでくるよ』
『待たせたね、ルアフィナ、時の流れとは早いものだね』
空間のひずみから現れたのは、全身が未完成の彫刻のように滑らかで、その体表には緻密な設計図の線が描かれている、中性的な神だった。彼こそ、製作と制作、全てにおいての創るという行為を司る創造神である。
「ええ、ようやく取引が完了します」
ルアフィナは不満げに口を尖らせた。彼女の目の前に立つ、中性的な神――創造神は、その言葉を聞いて柔和に微笑んだ。
『申し訳なかったね、ルアフィナ。君の魂は、この世界でも非常に特殊だ。時空神が目をつけたのも無理はない。肉体に完全に定着しておらず、これ以上加護を与えたら肉体が耐えられなくなってしまうから』
「知恵神と樹木神の加護を肉体に馴染ませるだけで、十年もかかったんですよ。アンナの横にいて巻き込まれるたびに、私の魂の揺らぎを時空神が補正するせいで、肉体への定着が遅れて……」
ルアフィナは不満げに口を尖らせた。彼女の魂は前世の記憶と、転生時に時空神から与えられた《時》の属性を持つがゆえに、この世界の肉体とシステムにうまく適合していなかった。それを補うための加護は、肉体にとっては負荷でしかなかった。
「ただそれも今日で終わりです、さぁ早くしてくださいます?」
『君は常に、運命の渦中にいる「あの娘」の隣にいるからね。時空神の補正も大変だったろう。だが、その強大な《時》の魔力を、貴族令嬢の肉体で抑え込めるよう調整するのは、私にとっても非常に創造的な作業だった。さぁ受け取って』
「っ……!」
ルアフィナは、思わず息を呑んだ。体内の魔力回路が、これまで感じたことのないほど太く、そして安定したものに変わった。魔力の奔流が、彼女の《時》の属性を、ついに完全に肉体に定着させたのだ。
その瞬間、ルアフィナのステータスウィンドウの「加護」欄に、新たな表示が出現した。
【通知】
《創造神》の【加護】を受け入れました。それにより「受け皿」および「貯蔵庫」が創造されます…
《時空神》の【加護】が、肉体に定着しました! 特殊技能 【時空間支配】、【刻使い】の真価が解放されます!
これにより名:ロリアンナが巻き起こす〈イベント〉による魂の剥離の可能性が低下いたしました…
完全に消え去るまで残り五年間
「っ……!!!良かった……」
『これで、君はもうアンナの隣にいても、自己崩壊の恐怖に怯える必要はない。ただ自らイベントに首を突っ込んだりしたら危ういかも、あと5年、気をつけるんだよ』
知恵神が、慈愛に満ちた声でルアフィナを労った。
『お前はいつもギリギリだったからな。本当に肝が冷えたぞ』
稲荷神が、不機嫌ながらも安堵した声を漏らす。
「ありがとうございます、創造神様。それと、まだ取引は終わってませんよね?この世界について教えてくれるって」
創造神は、その言葉を聞いて、柔和に微笑んだ。
『この世界は…遊戯なんだ。君に分かりやすくいえばゲームかな』
「やっぱり、そうだったんだ…」
『そしてルアフィナが思っているようにロリアンナ、彼女は主人公だ』




