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マサル・ヒースヒルの冒険記  作者: 大石次郎


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21話 時間は見逃してくれないから 1

雨季が明け快晴の空の元、俺達マーリク市から結構遠い領境のとある砦に来ていた。


環境が環境だけに俺達は、


「ふんぬ!」


訓練用の木の壁面に垂らされた綱を皮手袋をして登ってるっ。


俺は40キロの重しベストを装着! ラダは3キロ。ヤポポ6キロ。ユーレアは10キロ。ギムオンは120キロの重しベストを装着!! 全員自重もプラスだ。


「むぎぎっ、です!」


「ううっっ、僕っ、魔法使い何ですがっ?!」


ヤポポとラダはヤバそうっ。魔法や蔓出すのは勿論禁止!

熱中症になるから日除け帽子は被ってよしっ!


わざわざ訓練しにこんなとこまで来たワケじゃない。

雨季の終わりからのいくつかのクエストを現地受注で次々やっつけている内にとうとう領の端っこまで来ちまったのさ。


こっからマーリク市まで帰るのが正直億劫だったりもする・・


「おーいっ、どうしたぁっ? ギルドの訓練所はもっとキツかったんだろう? 前衛職の2人は往復倍だぞ?! 見習い連中もしっかりやれよぉっ?!」


熊人(ワーベア)族の砦の指導官が檄を飛ばすと、


「イェッサーッ!!」


『壁の登り降り訓練』には砦の見習い領兵達も参加していた。というか、彼らや彼女達の通常訓練に混ぜてもらってる形だ。

技術職なのかもしれないが、遅れてるのもチラホラいた。


「マサル君っ、お先だぞ? はっはっはっ」


さっさと上に登ったギムオンは岩みたいな身体でヒョイヒョイ身軽に壁を降りだした。


「『トレーニングが好き過ぎ』って才能だよね」


「んーっっ、負けてられっかー!! うぉおおおーーー!!!」


呆れてるユーレアを残し、俺もガンガン壁を登りだした。



一通りのトレーニングを終え、見習い達も一緒に『ヌルい湯しか出ない』も不評な男子シャワー室に男子メンで向かっていると、


「おや? 女性陣はもうシャワー室に行っちゃったか」


ハーフノームの、確か砦付きの文官の人が脇の通路から現れた。


「あ、ども。何か用ッスか?」


「いや、マサル隊はそろそろマーリク市に帰るんだろう?」


「そッスね」


「帰る前にもう一仕事しないかい? 勿論ギルドに話は通すし、サービスで、マーリク市への中継になる町まで砦の竜車に乗せてあげよう!」


「おーっ!マジっすか?!」


「助かりますね」


数日は短縮できそうっ。


「貨物車の空きスペースだけどね?」


「めちゃついでッスね・・」


「ふーむ?」


ま、クエストの内容によっては悪くない、かな?



サトサトさんという名だった文官の人の依頼はいわゆる『雑用クエストの詰め合わせ』だった。

7級冒険者だとわりとありがちなヤツ。


具体的には、3つだった。


1つ、明後日、砦に視察にくる貴族の好物の珍しいキノコの採取。


2つ、砦のいくつかの倉庫の整理の手伝い。


3つ、近くの廃教会に棲み着いた小悪魔(インプ)の始末。


ごちゃついてはいるし2つ目とか砦の見習い兵でもいいんじゃないの? とは思ったが、特に難度は高くない!

俺達は迅速な帰路の確保も目当てに、引き受ける事にした。


翌日早朝、俺達は珍しいキノコこと『ルィージ(だけ)』が生えてるという、砦の近くの森に来ていた。同伴者も1名いる。


「ふぁわっ、自分低血圧何ですよね~」


あくびしてるが、見習い兵のレトレトだ。そばかす顔のロングフット族で4人兄弟の末っ子らしい。

サトサトさんの母方の親類で『普通に砦で落ちこぼれていてこのままだとクビになりそうだから、雑用クエストでも実績作りに協力してほしい』との事。


いや、こういうのもちょいちょいあるんで対応はするけど・・


「大丈夫何ですか? 彼」


勤勉タイプのラダ的に鼻持ちならないらしい。わかる。


「ラダ、茸採るだけだならさ」


「それはそうですが・・」


「ピンときました! あっちですっ。そこ!!」


ルィージ茸の捜索はヤポポの『植物探知スキル』の応用が頼りだ。

ユーレアは近くの木に登って、警戒スキルで見張ってる。

採取は俺、ラダ、ギムオン、レトレトだ。


ぼんやりしてるレトレトは正直戦力外だったが、仕事としてはヤポポが探知した茸をせっせと採るだけ。

特に問題無く、必要量採れた。


「お~し、ノルマ達成! 帰ったら茸しまった収納ポーチは一応洗浄を」


「マサル! 猪くらいのが3体っ! 2時の方角っっ。直進!! 馬より速いっ。高等なモンスターの気配じゃない、こっちを特定されてる感じっ!」


帰り支度中にユーレアが警告してきたっ。匂いか気配何かで既にマーク済みか。


「1ヵ所に留まり過ぎたなっ」


レトレトを含む全員の走力。クィックを掛けた場合の負担と、一番近い魔除けの街道や野営地までの距離。地形その他諸々・・


「うわっ、マジですか~??」


レトレトはもう腰砕けだ。ダメか。


動きや大きさから森で出そうなモンスターや普通の野生動物の候補リストを頭の中で洗いだす、そう手強いのはいないはずっ。


「ヤポポはブレッシングのみ全員付与! ラダはディフェンドを前衛組に付与っ、ユーレアはフリーで! 木を使って俺とギムオンとレトレトで前衛っ」


「「「了解っ!」」」


「前衛っ? 自分、弓持ってますよ~??」


俺の防具は鉄兜に鎖帷子(くさりかたびら)。武器も鉄剣、鉄槍、汎用ダガー、クロスボウは銅矢(どうや)、盾も鉄張り! まで更新できてるっ。

ギムオンも相応に強化された。ここらで出る想定モンスターや野生動物なら援護込みでどれも問題無しだっ。


補助魔法が掛かり、木を盾にしつつ持ち場につけた。退路も最低限度、何パターンか考えた。


「あ、これ大回転虫(ラージケムシーノ)だね。来た来た! やっぱそうっ」


「「「ムッシィーーっっ!!!」」」


茂みをバキバキ突き破って、デカいモヒカン毛の芋虫型のモンスターが3体、吠えて飛び出した!!

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